探蝶逍遥記

初夏のセセリチョウ達

 「南ベトナム遠征記」はひとまずお休みして、京都府南部の里山探索紀行です。今日は晴れているものの、風が強く撮影には生憎の天候。現地7時45分着。訪ねたポイントは、谷戸のような地形のため、陽が射すまでの間はセセリの幼虫探索。今日の狙いはズバリ、ホソバセセリ。それらしい巣が見つかりました。
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GX100@5.1mm, ISO=100, F7.2-1/30、-0.3EV

 巣を空けると、幼虫がボロリと落ちたので手に拡げて見ると・・・。
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GX100@5.1mm, ISO=100, F3.2-1/270、-0.3EV

 頭部の明確な「ハの字」パターンはいいとして、腹端背面が淡褐色を帯びていて、どうやらこれはキマダラセセリの様子。ちょっとガッカリ。セセリチョウ幼虫頭部検索図鑑を作成中の小生、念のため、頭部(①)と腹端(②)をセットで図鑑にしてみました。
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<上段>GX100@5.1mm <下段>R1@5.6mm

 川崎市で見出した個体は、腹端背面(④)が真っ黒ですので、これはキマダラの個体変異の範疇・・ということでしょうか?どなたか詳しい方いますか?因みに、今回発見したのは、未だ終齢ではなさそうで、川崎市産は終齢幼虫です。

 さて、谷間に陽射しが回ってくると、真っ先に飛び出したのは初夏を代表するセセリ、ヒメキマダラセセリでした。♂は残念ながら、スレ品が多く、何とか縁毛の揃った綺麗な個体を探して逆光で縁毛を光らせてみました。
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D70, ISO=500, F7.1-1/640、+0.3EV

 このセセリ、チャーミングで大好きです(^^) 2頭でじゃれ合っていると思ったら、交尾拒否シーン。レンズを向ける間もなく♂はフラレてしまい、♀はゆっくりと日光浴していました。
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GX100@5.1mm, ISO=100, F6.5-1/104、-0.3EV

 黒くて敏速に飛ぶセセリを発見。コチャバネセセリでした。
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D70, ISO=500, F8-1/400、+0.3EV

 このセセリにカメラを向けるのはデジタルになって初めて。何年振りでしょうか?いつ撮っても縁毛がスレています。困った蝶です(笑) ストローを伸ばして遊んでいますが、ストローが2重構造になっていることがよくわかりますね。

 黒くてユックリとした飛翔はダイミョウセセリ。
f0090680_23383090.jpg
D70, ISO=500, F8-1/640、+0.3EV

 先日、三重県で撮影した個体と後翅の白帯の発達状況は類似しています。三重県東部・京都南部あたりは関東型から関西型への遷移地域なんでしょうか?「これぞ関西型!」なる個体を撮りたいものです。

 実は本日、この谷戸を訪問したのは、クロヒカゲモドキとオオヒカゲ幼虫の探索がメインターゲットでした。午前中、2時間を費やしてジメジメとした休耕田や雑木林脇のイネ科の根際をじっと眺めて首が痛くなりました(^^;; 結果は勿論?坊主。ヒカゲチョウ幼虫探索には年期が必要ですね!

 この後、何箇所かのポイント探索で車をゆっくりと走らせながら、最後に河川敷の草原へ。ここでもジャノメチョウ科の幼虫探査を続行。でも根気が続かず、楽しそうに飛んでいるモンキチョウにちょっかいを出したくなりました。♂と♀が絡んで、これは交尾拒否シーンが撮れそうだ・・・と目論んだのですが、意に反して? 彼らは無事ゴールイン(^^)
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GX100@5.1mm, ISO=100

 せっかくのウエディングシーンですので、ここはタムロン90mmマクロの描写力を活かして逆光で精一杯、綺麗に撮ってあげました。
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D70, ISO=500, F3.8-1/2500、+0.3EV

 しかし、このシーン、強風に煽られて大変でした。飛翔写真同様、100コマ程度乱写して、この1コマをようやくゲットできたのでした。

 初夏の一日。京都府南部の地理を勉強しながら、楽しい探索となりました。
by fanseab | 2007-06-02 23:43 | | Comments(20)
Commented by kenken at 2007-06-03 09:41 x
おっと、今年もマスクマンの登場ですな。(笑)
セセリ幼の探索、これは根気のいる撮影です。敬礼!
京都府南部、結構お気に入りになられましたか。引き込んでしまったかな?(笑)またお越しの際は一声かけていただければ駆け付けまっせ~
Commented by banyan10 at 2007-06-03 10:19
fanseabさんでも幼虫探しは苦労するのですね。僕が簡単に見つけられるわけないですね。(^^;
モンキチョウはどちらもピンクの縁取りの綺麗な個体ですね。交尾の広角、マクロ素晴らしいです。
Commented by fanseab at 2007-06-03 15:35 x
kenkenさん、時々、ミルマスカラスの世界に突入してしまいます(笑)
ホソバは3頭程度見つけて、個体変異幅をアップしようと目論見ましたが惨敗ですね。
京都府南部、美味しそうなポイントがゴマンとありそうでハマってしまいました。古都の香りのする地名はいいですなあ!
Commented by fanseab at 2007-06-03 15:39 x
BANYANさん、小生は幼虫探しに関してはまだ初心者ですよ(^^)
特にヒカゲチョウは普通種でも結構難易度高いと思います。
モンキチョウに対し、これほど拘って撮影したのはカメラを手にしてから、初めてでした。気持ちのいい草原で、カメラを向ける気分は最高ですね。
Commented by kmkurobe at 2007-06-03 18:06
しかしこのご苦労半端ではありませんな・・・・・・
私のようなお気楽撮影とは学術的な意味においてもレベルが違います。
いや、おそれいりました。
Commented by maeda at 2007-06-03 20:44 x
今日はセセリでなくヒカゲの幼虫を探してみました、気が蝶にいくために中途半端で探せませんでした。天候が悪いと諦めて専念できるのでしょう。
Commented by fanseab at 2007-06-03 23:09 x
kmkurobeさん、まいどどうも。幼虫探索は半ばギャンブルやゲーム感覚でやらないと気が滅入ってしまいます。本日は0勝3敗やね?等と、意外とお気楽ムードで楽しんでやってるんですよ!
Commented by fanseab at 2007-06-03 23:12 x
maedaさん、貴殿もヒカゲ幼虫探索でしたかぁ?確かに天気が良い日の幼虫探索は中途半端になりますね。この日もじっと我慢して下ばかり見てましたが、目の前を蝶影が横切るとじっとしてられません(^^;;
Commented by 6422j-nozomu2 at 2007-06-03 23:37
セセリの幼虫、私はみんな同じに見えますが、流石に技術者であられますなあ。セセリ幼虫図鑑を作成中とは恐れ入ります。どうも成虫ばかりに目がいく私ですが、別のステージの探索も重要ですね。色々と勉強させていただいております。
Commented by thecla at 2007-06-03 23:41 x
最後のモンキ交尾は、背景のボケ味がまさいに、ザ・タムロン90マクロですね。
しかし、最近やけに風が強い日が多い気がするのですが、気のせいでしょうか。
Commented by chochoensis at 2007-06-04 05:42 x
fanseabさん、「セセリチョウ幼虫図鑑」!さすが素晴らしいですね。私などでは、気の向いたときに探す程度なので、勉強になります。いつも途中で飽きてしまって・・・なんてことを繰り返しています・・・反省ですね。*今まで頭部ばかりに目がいっていましたが、尾端の観察、素晴らしいです、今度は良く見てみようと思います、ありがとうございました。
Commented by ダンダラ at 2007-06-04 23:40 x
ダイミョウセセリはしっかりと関西型ですね。
撮影したいと思いつつなかなか撮れません。今年は何とかしたいと思っていますが。
モンキチョウの写真はさすがですね。同じ蝶でも光線状態でビックリするほどきれいに撮れることがありますけど、光をどう料理するか、その辺になると単なる生態写真ではなくて、作者の感性が入った芸術写真になりますね。
Commented by fanseab at 2007-06-04 23:47 x
ノゾピーさん、ススキの類を見ると、すぐに巣を探してしまうのは半ば病気みたいなものです(笑)。ホソバとキマダラの識別点は公表されている情報ではあまりにも曖昧なので、特に拘って画像を撮っています。
Commented by fanseab at 2007-06-04 23:49 x
theclaさん、小生はタム90を通常は絞り込んで使用しますが、この時は強風だったので、なかばシャッター優先で結果として開放気味になってボケ味が出ました。強風?お互い「風男」なんでしょうか(^^)
Commented by fanseab at 2007-06-04 23:53 x
chochoensisさん、探索したポイントで昨年複数個体のホソバを見ているので、幼虫探索を真面目に実施しました。年1化性セセリの幼虫は撮影チャンスが少ないので必死ですね。尾端は結構グレーゾーンで頭部で判断できない時の二次判断材料として使えそうです。
Commented by fanseab at 2007-06-04 23:56 x
ダンダラさん、ダイミョウは今年気合を入れて撮影している対象で、関西周辺でどの程度、後翅白帯が変異するか?注目してみたいと思います。モンキチョウ画像、貴殿に褒めて頂けると大変光栄です。光の回り方は抜群の状況だったので、強風をいとわずチャレンジしてみました。
Commented by nomusan at 2007-06-05 06:37 x
う~ん、セセリの採幼、環境から推察させて頂くに、本当に根気がいりそうな・・・恐れ入ります。確かにこれはマスクマンでないと・・・。ヒメキマダラの縁毛、綺麗ですね。
Commented by 虫林 at 2007-06-05 18:24 x
初夏のセセリチョウの写真、とてもいいですね。とくに、セセリチョウ幼虫の頭部(①)と腹端(②)のセット写真はfanseabさんならではのユニークなもので、感心しました。小生はあまり今までセセリチョウの幼虫について観察したことが無かったので、勉強させていただいています。
GX100は使いやすそうですね。
Commented by fanseab at 2007-06-05 22:05 x
nomusan、冒頭のポイントはマムシが潜んでいそうな湿地のため、確かに根気がいりました。まだ藪蚊がいないのでマシですが。
ヒメキマダラ、縁毛フェチの小生の心をくすぐるセセリです。
Commented by fanseab at 2007-06-05 22:08 x
虫林さん、林縁を元気に飛び回る初夏のセセリは見ていて楽しくなりますね。セセリの巣を空ける時は、御神籤を引く時のドキドキ感があって、嵌ってしまいます。今回は「小吉」としておきましょう(笑)
GX100、正直まだ使いこなせていない感じです。
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