探蝶逍遥記

国内産ミカドアゲハに挑戦

 例年、この時期は西播磨の黒系アゲハ撮影。ところが、起床したら急に気分が変わって三重県東部に突撃です。自らの目でベトナムで撮影したミカドアゲハと比較するのが本日の目的。この日は上空に寒気が残っていたせいか、どんよりとした雲から俄雨が降ったり、心配なお天気。それでも現地に9時前に到着すると、青空が拡がってきました。

 到着後、樹冠を仰ぎ見ると、どうやらもう活動を開始しているようです。相当に高い所で飛び回っていて暫くは手が出ません。しかし、見た印象はベトナム産とは、全く異なります。「ゴマダラチョウを細長くした」と言ったらいいのでしょうか?とにかく白いです。午前10頃になると、ようやく下に降りてきて、小生の目の前を跳ねるように飛び始めました。どうやら、探雌行動の様子。樹冠から下草まで、それこそ舐めるように♀を探す行動パターンはちょうど、キリシマミドリシジミの♂を思い出します。近くに吸蜜する花も咲いていないので、飛翔にトライ。

 高い位置を飛んでいる時はこんな印象です。
f0090680_22591260.jpg
D70, ISO=640, F3.5-1/2000、-0.3EV
 
 お次は接近戦で。
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D70, ISO=640, F5-1/1600

 目の前で見ると、ちょっとブルーっぽいかな?でも感覚的にはベージュ系の残像しか残りません。Graphiumはやはり青空がお似合い。そこでバックに五月晴れを入れたシーン。
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D70, ISO=640, F6.3-1/1600

 葉に止まっているように見えますが、これは殆ど止まりそうな位のスピードで♀を探している光景なのです。

 さて、正午頃になると、ミカドの数が急激に減り、代わりに黒系アゲハが登場しました。クロ、ナガサキ、カラス、モンキと役者が揃い踏み。ミカドが撮れないので、カラス♂の追飛シーンを撮影。
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D70S-VR84@210mm, ISO=640, F5.3-1/2000

 また、関西に来てからまともに撮影していないダイミョウセセリも撮影。
f0090680_231185.jpg
D70, ISO=500, F7.1-1/800、-0.7EV

 このダイミョウ、関西型にしては、後翅の白帯が弱いものの、前翅から後翅に続く、縁毛の白さが印象的。後翅の縁毛はこのセセリがシロシタセセリ(Tagiades属)に近縁であることを連想させます。

 本日の目的は吸蜜か吸水シーンを90mmマクロで撮ること。ポイントの近くにはミカンの木があって、そこに一瞬吸蜜したのですが、すぐに逃げられました。また、吸水は望めそうにありません。昼食後、そろそろ諦めようとしたその時、張り込んでいたミカンの木に役者が登場したのです! 心臓が高鳴ります。慌てて絞り設定を間違えたり、相変わらずのドジを踏みましたが、何とか撮影に成功(^^) 
f0090680_2313418.jpg
D70, ISO=500, F4-1/6400

 国内本土産吸蜜シーン初ゲットです。続いて欲を出して、逆光狙い。しかし、簡単には撮らせてくれません。半逆光のこのシーンが精一杯。
f0090680_2314590.jpg
D70, ISO=500, F7.1-1/800、-0.7EV

 ミカンの花のメシベで複眼が隠され、おまけに後翅が大破した個体でした。ここで暫く粘る目論見も、吸蜜タイムはほぼ30分で終了。小生が吸蜜タイムを無知なのかもしれませんが、誠に気難しいアゲハです。とにかく、この2週間の内にベトナム、日本と遥かかけ離れた二箇所のミカドを撮影できたのは、本当に嬉しかったです。帰宅後、小生には珍しく、○麟の端麗(生)で祝杯を上げ、魂を解き放ったのでした(高笑)

 なお、本日の撮影行では、現地の蝶愛好家、O氏のご協力、アドバイスを頂きました。首尾よく上記画像がゲットできましたのもO氏のお蔭と言っても過言ではありません。この場を借りまして感謝の意を表します。有難うございました。
by fanseab | 2007-05-20 23:06 | | Comments(22)
Commented by 虫林 at 2007-05-21 05:21 x
ミカドアゲハの撮影、おめでとうございます。
ミカドアゲハはこちらでは見ることができないので、とても新鮮に感じます。良いですね。ベトナム産に比較して、色が淡くて、日本的といえるのかな?
Commented by maeda at 2007-05-21 06:27 x
最近は見ていませんが、吸水以外はせわしく飛び回り、吸蜜時もじっとしていてくれない蝶だった記憶があります。
当時撮っていなかったので、今なら相当に苦労しているだろうと思います。
青空にミカドは合いますね。
Commented by 空飛ぶhaha at 2007-05-21 07:47 x
2週間で二箇所のミカドを撮影,おめでとうございます。ミカンの花からいい香りがしてきそうです。3枚目の写真、5月の青空にミカドが気持ちよさそうです。
○麟の端麗(生)で祝杯を上げられたのですね。私もミカドさんを撮った日に○麟のゴールデンホップで、魂を解き放ちましたよ~。(笑)
Commented by banyan10 at 2007-05-21 18:43
国内のミカドは色白ですね。これも魅力的です。
関東で見れると嬉しいけど、温暖化は問題なので西日本で見るのが正しい道なのでしょうね。(^^;
Commented by kmkurobe at 2007-05-21 19:35
私は初めて見たのが伊勢市内の小さなお宮でした。オガタマノキが植えてあるお宮にはどこにもいたような・・・・しかし撮影大変でしようね・・・・・
Commented by cactuss at 2007-05-21 22:29
ミカドアゲハきれいですね。
3枚目の青空を大きくいれた写真は雰囲気が良く伝わってきて、いいですね。本州ではまだ、撮影したことがないので、近くにいてうらやましいです。
Commented by chochoensis at 2007-05-21 22:48
fanseabさん、「ミカドアゲハ」憧れのチョウの一つです・・・とても丁寧に綺麗に撮影されていて素晴らしいです・・・おめでとうございました。
この青が何ともいえないほど素敵です・・・。
Commented by thecla at 2007-05-21 23:54 x
青空にミカドアゲハ、ええなあ~。こちらでは見ることが出来ないので憧れです。
翅が多少破れていても独特のブルーが綺麗です。
Commented by fanseab at 2007-05-22 01:15 x
虫林さん、早朝からのコメント有難うございます。小生、関西に拠点を据えてから、写したかった蝶の一つで、目的をようやく果たした感じです。東南アジア産に比較して、淡い斑紋はこの蝶への憧れを増すようですね。
Commented by fanseab at 2007-05-22 01:17 x
maedaさん、仰る通り、実にせわしなく動くので、撮影の難易度は高いです。キリシマミドリ同様、観察は簡単にできるけど、撮影できない代表的な蝶なのかもしれません。
Commented by fanseab at 2007-05-22 01:19 x
空飛ぶhahaさん、こんばんは。ミカン(タチバナ)の芳香は素晴らしく、このアゲハの撮影を心地よくさせてくれました。ゴールデンホップですかぁ?とにかくいい写真が撮れると自ら祝杯を上げたくなりますね。
Commented by fanseab at 2007-05-22 01:22 x
BANYANさん、仰る通り、色白ですので、混飛していたアオスジとは全く異なる印象です。飛翔スピードもアオスジよりは比較的ゆっくりしていることが今回の観察でわかりました。観察地は確かに西日本で見るほうが雰囲気が出るのかもしれませんね。
Commented by fanseab at 2007-05-22 01:25 x
kmkurobeさん、まいどどうも。貴殿も様々な観察ポイントを持たれていたのですね。そう、散在する神社内の食樹を頼りに生活している人里の蝶ですね。ただ、撮影は大変でした(^^;;
Commented by fanseab at 2007-05-22 01:29 x
cactussさん、本当は青空をバックに滑空する画像をアップしたかったのですが、狙い通りにはいきません(^^;; 置きピン狙いの小生をあざ笑うかのように、身を翻したり、このアゲハに遊ばれた?撮影行でした。自宅から車で2時間半で観察できるのは関西に住んでいる者の特権かもしれませんね。
Commented by fanseab at 2007-05-22 01:31 x
chochoensisさん、小生、ベトナムで撮影したといっても、やはり国内産は別格です。小さい時からの憧れでしたので、今回は撮影できて幸せな気分です。もう一週間前あたりが鮮度の点ではよかったかもしれません。
Commented by fanseab at 2007-05-22 01:36 x
theclaさん、この時期、ウスバシロ以外の選択肢としてミカドがあるのが、西日本に住む蝶屋さんの特権かもしれません。このアゲハ、もう少し行動パターンを勉強しないと、いい画像は撮れません。発生時期のピークも読み難たそうで、奥の深い蝶ですね。
Commented by 6422j-nozomu2 at 2007-05-22 21:50
三重県まで遠征でしたか。お疲れさまです。やはり本土産のミカドはエエですね。私も何度が観察したことがありますが、撮影成功したことは一度もありません。やはり訪花個体を狙うべきですね。カラスの飛翔は背景も良く、なかなかの写真です。
Commented by fanseab at 2007-05-22 22:29 x
ノゾピーさん、思い切って、初めての場所に出向きました。貴ブログの記事でも紹介された通り、途中の滋賀県内では雨が降ったりでやきもきしましたが、何とか撮影できました。訪花以外にはじっくり撮る方法がありませんね(^^;;
Commented by ainomidori443zeph at 2007-05-23 17:56
ミカドアゲハ良いですね。この蝶の集団吸水を撮りたくて写真をはじめたようなものです。はるばる西表まで行ったのですよ~。
その時は1頭見ただけで終わってしまいました。
banyanさんもコメントしていますが、ナガサキアゲハみたいに関東地方で見られるようになれば嬉しいような・・・。

Commented by fanseab at 2007-05-23 22:08 x
愛野緑さん、西表の滝付近のミカド吸水集団は確かに蝶屋の憧れを抱かせるには十分ですね。小生もベトナムで吸水集団を撮影したのですが、もう少し景色のいいポイントだったらと思いました。気温条件はナガサキ同様、関東でもOKでしょうが、問題は食樹ですね。行政が街路樹にオガタマノキを植える施策をとれば実現可能と思います。
Commented by kenken at 2007-05-24 20:57 x
おぉ、Graphium天国の続編ですなっ!私もミカド行きたかったのですが、ウスイロ保全活動で兵庫に出かけておりました。
やっぱりfanseab さんは青空の表現が上手ですね。なかなか私にはこうは撮れません。
ところで、このダイミョウ、なかなか渋いですね。後翅の白斑の小ささが関東型への移行をにおわせますなぁ。
fanseab さんが祝杯の話題をお書きになるとは・・・相当な手ごたえがあったことが伝わってきますよ。再度、Graphiumに乾杯!
Commented by fanseab at 2007-05-24 22:07 x
kenkenさん、ウスイロ保全活動お疲れ様です。焼け付くような熱帯の太陽の下で踊るミカドに対し、爽やかな五月晴れに舞うミカド。共に短期間でモノに出来て満足しています。初体験かつおぼろげなポイント情報を下にでかけた割りに成果が上がったのは↑でコメントした地元の方のご指導の賜物です。蝶の保全活動って、やはり地元の方がどれだけ蝶に愛着を持たれているか?で勝負が決まると思いました。
そういった素晴らしい環境を味わえたことに感謝しての祝杯でもありました。
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