探蝶逍遥記

ギンイチモンジセセリの探索(5/12-13)

 「南ベトナム遠征記」はちょっと一休みして、国内の蝶の話題です。拙ブログ、本年2/17の記事で紹介しましたが、小生が10年以上にわたってギンイチやミヤマチャバネセセリの観察ポイントにしていた神奈川県・川崎市の多摩川縁がブルドーザーによる大規模な河川改修工事の真っ最中。そこでギンイチの様子を確かめに2日間調査してみました。

 初日(5/12)、少し遅めの10時にフィールド着。ちょっと踏み込むと、パタパタと飛ぶ懐かしい姿が目に飛び込んできました。ギンイチの♂です。「おぉ!元気に飛んでるやないか!」少し安心しました。しかし、この日は風が強く、この個体を見失って撮影には失敗(^^;; ところが、この後が続きません。結局、午前中2時間、午後1時間、河川敷の100mX500mのエリアをローラー作戦でしらみつぶしに捜索しましたが、影の形もありません。ミヤマチャバネも同様に坊主でした。

 翌日(5/13)、曇り空の下、午前9時~10時30分の間、初日と別のエリアを探索するも、坊主。2日間に渡る捜索も虚しく、結果は初日に目撃した1♂のみでした。このセセリ達の発生ピークである、4/20頃からGWにかけて、所用と海外遠征で観察していないので、簡単に結論づけることは避けますが、想像した通り、個体数は激減したと見て良さそうです。特に比較的飛翔力に優るミヤマチャバネは対岸の東京都側ポイントからの飛来個体があっても不思議ではなく、ミヤマチャバネさえ目撃できなかったのには本当にガッカリしました。

 しかし、犬も歩けば・・・のことわざ通り、ちょっぴり面白いものも発見できました。オギ(ススキに似たイネ科植物:当地でのギンイチ食草)の密集地を通り抜ける際、急に鴨がバタバタ飛び出して肝を潰しました。
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 どうやらカルガモの雌鳥のようです。この後、この雌、急に地面に降りると、一方の羽を伸ばしてグルグル回る仕草を始めました。「なんだろう?」と接近すると、再び3m位飛んで、同様な仕草を。どうやら、母鳥が巣を守るため、傷ついたふりをして敵を巣から引き離す行動だったようです。そこで、鴨が最初に飛び立った地点を捜索すると、ありました!自らの羽毛と枯れ草をかき集めた粗末な巣の中に10卵入っています。
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 一生懸命卵を温めていたんでしょう。それにしても、ギンイチを追いかけて、あやうく、巣を踏みつけるとこでした。無事、雛達が育つといいですね(^^)

 また、大きく伸びたヨモギの一角が白く光っていました。
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 葉を綴った巣を開けてみると、中には丸々と太ったヒメアカタテハの幼虫が入っていました。
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小生、秋口はともかく、この時期のヒメアカ幼虫を見つけたのは初体験です。

 GW中、ベトナム遠征で当地の観察ができなかったのは、今から思えば残念です。初日に出会った♂個体が当地で出会った最後の個体にならないことを念じて、ポイントを後にしました。
by fanseab | 2007-05-13 21:49 | | Comments(22)
Commented by kmkurobe at 2007-05-13 22:14
はじめてヒメアカの巣を拝見しました。綺麗なものなのですね。
わが家の近くのギンイチもここ何年か姿が見られません。
食草はいっぱいあるのですが、このような草原の蝶は本当に微妙なバランスの上に生きているのですね。
Commented by 6422j-nozomu2 at 2007-05-13 22:28
あれあれ、好ポイント風前の灯火なんですか。河川敷は特に開発に晒されることが多く、やり切れませんね。カルガモの記事感動いたしました。♀鳥身体を張って卵を守る行動をしていたとは。見たかったなあ。
Commented by 空飛ぶ親子 at 2007-05-13 22:30 x
10年以上にわたり観察されていた場所に、ブルドーザーが踏み潰していくのは耐え難いですね。以前住んでいた兵庫県神戸市のギンイチモンジも河川工事によって危機にあるようです。
カルガモの雛が無事に孵って親鳥の後をついていく姿を想像しました~。
次の「南ベトナム遠征記」、楽しみにしています。
Commented by cactuss at 2007-05-13 22:45
開発の波で蝶が少なくなっていくのはさびしいものですね。
でも意外と強く生き残っている場合もありますので、
ねばり強く、定期的に観察する事が必要だと思います。
Commented by fanseab at 2007-05-13 23:03 x
kmkurobeさん、ヒメアカ幼虫の巣は、夏場のキタテハやカラムシに付くアカタテハの巣に比較して圧倒的に少ないですね。このポイントでは食草がことごとくなぎ倒されているので深刻なのです。
Commented by fanseab at 2007-05-13 23:05 x
ノゾピーさん、まいど。多摩川全体で見れば、まだまだポイント残っていますが、自宅近くのポイントが消えるのはやりきれない思いです。カルガモの件は以前、本で読んだことがありましたが、実物の行動を見て感動しました。
Commented by fanseab at 2007-05-13 23:08 x
空飛ぶ親子さん、こんばんは。都市部の河川はどこも似たような状況でしょうね。特にススキの原は見栄えが悪いせいか、行政の眼の敵になるようで困ります。カルガモの巣立ちももうすぐだと思います。ノコノコ親鳥の後を付いていく姿を見たいものです。
Commented by fanseab at 2007-05-13 23:10 x
cactussさん、小生も意外としつこく生き残っていることを期待しています。第2化のシーズンも観察したいと思っています。
Commented by banyan10 at 2007-05-13 23:29
カモは草地の中に巣があるのですか。
気をつけないと僕も踏みつぶしそうです。(^^;
ギンイチは1個体でも見れたということは生き延びてくれる可能性ありそうですね。
ヒメアカの巣はもう少し小さいものしか見つけられていません。
Commented by chochoensis at 2007-05-14 07:04
fanseabさん、大掛かりな河川改修工事、チョウにとっては深刻ですね、大規模災害からの防止策といわれても・・・チョット悲しいです。
カルガモの巣、良かったですね「カルガモ」が「チドリ」の仲間と同じように・・・=偽傷行動=するとは知らなかったです、貴重な体験でしたね・・・。
Commented by nomusan at 2007-05-14 19:55 x
長年通ってるフィールドが潰れていくのをみるのは辛いことですね。
程度は違いますが、こちらではゼフやオオムラサキを見ていたクヌギ林があっと言う間に消滅するのを何度もみました。
カルガモ、良かったですねぇ~(爆)。
Commented by 虫林 at 2007-05-14 20:17 x
ギンイチの減少は残念ですね。もっとも重要なのは来年の結果だと思いますが、元気でいてくれたらよいのですが。実は、小生が散々写真を撮影したミヤマシジミの川原もひどいことになってしまったのです。いつか、報告します。
Commented by kenken at 2007-05-14 20:18 x
定点観察は、楽しいこともあれば、辛いこともありますね。
ですが、事実をきちんと記録していくことはとても大切なことだと思います。
私もギフの定点観察をしていて、辛いことが多いですが、楽しいこともありますよ。
過日訪れたこちらのギンイチポイントはブルドーザーの影は消えていて雑草が再び茂りだしていました。
Commented by maeda at 2007-05-14 21:07 x
私も初めて見つけたヒメアカタテハの幼虫は路肩のヨモギからでした。
なんだ、こんな所に卵を産んだのかと言うくらい身近におりました。
Commented by 愛野緑 at 2007-05-14 23:12 x
ヒメアカタテハの幼虫も大分大きくなっているようですね。春先は見つけられなかったので、そろそろ再挑戦してみま~す。
Commented by fanseab at 2007-05-15 00:58 x
BANYANさん、小生もフィールドで鳥の巣を発見したのは初めてで、えっ、こんな場所にあるんかいな?って感じでした。まあ、ギンイチは夏場にもう一度確認検証をする予定です。
Commented by fanseab at 2007-05-15 01:01 x
chochoensisさん、いつもコメント有難うございます。河川改修の後、芝生を植えたりするのが困り物ですね。改修前の植生に戻す努力をしてくれればと思うのですが、コスト的に無理なんでしょうね。
偽傷行動、チドリの仲間もするんですか?
Commented by fanseab at 2007-05-15 01:03 x
nomusan、ここはヒメウラナミジャノメを始め普通種の宝庫ですが、やはり、ギンイチやミヤマチャバネは観察のアクセントになる種です。それが消えていくのはなんとも忍びないものがあります。
Commented by fanseab at 2007-05-15 01:06 x
虫林さん、多摩川の場合、離散的なポイントから個体が飛来して生息範囲をある程度拡大してきた経緯がありますが、食草が壊滅的に無くなっているので、厳しい状況だと思っています。仰るとおり、この夏~来年春も確認予定です。
Commented by fanseab at 2007-05-15 01:09 x
kenkenさん、都会近辺のマイフィールドでは年々辛いことの方が多くなるのは仕方ないのかもしれませんね。トランセクト調査等をきちんとやっておけばよかったと今では後悔しています。
Commented by fanseab at 2007-05-15 01:11 x
maedaさん、小生もヒメアカ幼虫は初齢近くのくもの巣状態の確認をしたことはありましたが、亜終齢近くまで育った幼虫を見るのは初めてでした。
Commented by fanseab at 2007-05-15 01:13 x
愛野緑さん、コメント有難うございます。ヒメアカの幼虫巣は意外と数が少なくて探索に骨が折れます。初夏~夏場は数が減じたり、このタテハの挙動も不明な点が多いですね。
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