探蝶逍遥記

アカボシゴマダラ越冬幼虫の観察

 昨秋、見出した首題幼虫のその後の探索です。神奈川県川崎市の公園にあるエノキの実生を訪ねてみました。暖冬の影響か、昨年12月時点では、エノキの葉はまだ緑を保ち、↓に示す通り、幼虫も葉上の台座で静止しており、体色は夏場と変わらず、緑色を保持したままでした。

①越冬前の幼虫:2006年12月3日
f0090680_21565190.jpg
R1@5.6mm、ISO=200、F3.6-1/36、-0.7EV
 
 その後、当地を訪れる機会がなく、本日ようやく、ポイントを再調査してみました。当然、エノキは落葉しておりましたが、樹上に幼虫の姿はありません。アカボシ幼虫の越冬形態は樹上と落葉下の二種類が知られており、どうやら、落葉に潜っているようです。3分程の捜索で、すぐに幼虫が見つかりました。エノキではなく、シラカシ?の落葉の裏に静止していました。体長は約16mmです。

②枯葉裏の越冬幼虫:2007年2月4日
f0090680_21582229.jpg
R1@5.6mm、ISO=100、F3.6-1/14、-0.7EV

 ↑の画像と比べると、さすがに色がくすんでいますが、ゴマダラチョウと異なり、体色は緑色を保っています。昨年、藤沢市の公園で落葉から見出したアカボシも深緑色を呈しており、これは、アカボシ越冬幼虫の特徴のようです。
 樹上越冬の事例も一度は見てみたいのですが、この公園は個体数が少ないので、ちょっと無理なようです。樹上越冬個体探しには、鎌倉・藤沢市の公園に出かけることも必要かもしれません。
 今年は暖冬模様で、エノキの芽吹きも例年になく早いことが予想されます。この越冬幼虫がいつ頃から摂食・活動を再開するか?継続観察していくつもりです。
by fanseab | 2007-02-04 22:02 | | Comments(20)
Commented by ainomidori443zeph at 2007-02-04 22:38
アカボシは全て樹上越冬ではないのですね。昨日は近所のエノキを数本見ましたが、当然ながら、樹上には居ませんでした。
こんな緑色だと見つけやすそうですね。

南方に住むゴマダラチョウやオオムラサキも暖かい年には樹上越冬するのでしょうか??
Commented by kenken at 2007-02-04 23:21 x
この緑色の残った幼虫はどうもアカボシですな。伝聞情報だけで、アカボシは全て樹上越冬かと思ってましたが、違うようですね。ゴマダラと落ち葉で同居しているシーンもありそう?でもアカボシは体色に近い緑がかった落ち葉を選んでいるようですね。シラカシとは・・・
Commented by fanseab at 2007-02-04 23:47 x
愛野緑さん、アカボシの越冬形態は地域により異なるようです。奄美産は樹上ですが、鎌倉放蝶由来の中国産とされる個体群は落葉を好むのかもしれません。ゴマダラは国内でも樹上越冬例が観察されています。オオムラサキは中国本土でも落葉中越冬のようですが、同属のクロオオムラサキは樹上とか、棲み分けがありそうです。
Commented by fanseab at 2007-02-04 23:51 x
kenkenさん、アカボシは丈の低い株を好むので、通常、ゴマダラが産み付けるエノキの大木では、ゴマダラ越冬幼虫との同居の可能性はないでしょう。今回観察した株も高さ70cmほどで、ゴマダラは絶対産まないような株ですから、越冬明けのアカボシはこの株を独り占めできる仕組みになっています。
Commented by ダンダラ at 2007-02-05 09:37 x
川崎市のアカボシもどうやら定着したみたいですね。
鎌倉ではゴマダラ成虫は少ないみたいですが、おっしゃるように多少生態が違うみたいで、ゴマダラとの共存ができるのかどうか興味ありますね。
Commented by chochoensis at 2007-02-05 10:27
fanseabさん、アカボシの越冬形態が2種類あるんですね、勉強になりました、神奈川の方にも行ってみたくなりました・・・それにしても奄美と中国産で行動に違いがあるなんて面白いです。
Commented by banyan10 at 2007-02-05 11:46
関東のアカボシは下で越冬する割合の方が高そうですね。
しかし、川崎でも定着してしまったようですね。
どこまで拡大するのかちょっと心配です。
Commented by ainomidori443zeph at 2007-02-05 21:50
fanseabさん、
済みません、ちょっと批判的なコメントになってしまうのですが・・・。
ゴマダラが絶対産まないような株と有りますが、この2,3年でスーッと伸びたような林縁の木(根元で足の親指ほどで180センチくらい有りますが)(^^;で幼虫を見つけたことがあります(昨年のブログ)ので、混生する可能性はあると思います。
Commented by maeda at 2007-02-05 21:52 x
アカボシとゴマダラが同時に写せると面白いかもしれませんが、確かに木の大きさが異なるようなので簡単には見つけられないでしょうね。
奄美ではエノキは落葉しないのですかね?
そうなると樹上越冬のみでしょうね?
面白い生態です。
Commented by fanseab at 2007-02-05 22:13 x
ダンダラさん、諸情報を総合すると、現時点で川崎市西部には確実に進出しているようです。この蝶はたとえ住宅街でも小さなエノキの株がありさえすれば、生活できるようなので、当然かもしれません。
Commented by fanseab at 2007-02-05 22:15 x
chochoensisさん、奄美産アカボシ幼虫の越冬状況も見てみたいと思っています。幼虫の色の変化とか、興味深いですね。
Commented by fanseab at 2007-02-05 22:17 x
BANYANさん、東京都郊外でも探せばいる可能性があります。どの程度拡散が進行しているか?記録を取る意味でも探索されたらいかがでしょうか?
Commented by fanseab at 2007-02-05 22:23 x
愛野緑さん、重ねてのコメント恐れ入ります。断定的なコメントで誤解を招いたかもしれません。確かにご指摘のように、ゴマダラが好む樹高も場所により様々な可能性があります。小生も観察事例が少ないので、案外、樹高の高い大木エノキの下でもアカボシ越冬幼虫が見つかるかもしれませんね。
Commented by fanseab at 2007-02-05 22:28 x
maedaさん、関東の既産地で、アカボシとゴマダラの生息数が同等なポイントがないので、混棲越冬状態の観察もままなりません。奄美産はエノキでなく、クワノハエノキがホストとされていて、食樹差も越冬体勢に微妙な影響を与えているのかもしれません。
Commented by 6422j-nozomu2 at 2007-02-05 22:44
関東、関西と行ったり来たりでお疲れさまです。アカボシは成虫、幼虫とも見たことがありませんが、ゴマダラチョウと縄張り争いしないかと少し心配です。ホソオチョウのようにいずれ関西にも進出するかもしれませんね。嬉しいような悲しいような。
Commented by fanseab at 2007-02-05 22:55 x
ノゾピーさん、暖かいコメント有難うございます。アカボシは幸か不幸か、関東でしか見られない蝶ですから、ブログでご紹介するのもいいのかな?と。エノキは日本全国どこにでもありますから、関西だろうとどこだろうと、放蝶は絶対に避けるべきです。
Commented by nomusan at 2007-02-06 20:26 x
すっかり出遅れてしまいました。参考になるかどうかわかりませんが、手持ちの図鑑によりますとアカボシゴマダラの幼虫の越冬態について、
「越冬幼虫は葉上に静止しているが、体色が淡い茶かっ色に変化している個体のあるところからみて地上におりるものもあると思われる。」
とありました。
個人的は、勢力の拡大はほどほどにしてもらいたいな~って思いますね。
Commented by fanseab at 2007-02-06 23:16 x
nomusanまいど。こちらはタテハモドキ等出ることもないので、越冬幼虫探しをのんびりとやっております。しかし、この暖かさ故、エノキの芽吹き時期は早まりそうですので、注意しようと思っています。越冬個体の体色は、周囲の環境等で色々なバリエーションがありそうですね。
Commented by thecla at 2007-02-06 23:24 x
アカボシ幼虫ちょっとだけ探してみましたが、見つけられませんでした(^^;
確か、保全協会でも放蝶のガイドラインについて話し合いがされる予定だったと思います。今週末行ってきま~す。
Commented by fanseab at 2007-02-06 23:37 x
theclaさん、当日はムラシ、ムラツ、貴殿に出会えるかな?と思ってこの公園に出撃しましたが、いずれにも出会えませんでした(笑)
お仕事お忙しいようで、ご苦労様です。放蝶のガイドラインと言っても、このタテハの場合はそもそも法律違反行為だったわけですから、全く別次元の議論でしょうね。
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