探蝶逍遥記

フタスジチョウの産卵(7月上旬)

 管理人はこれまで、本土産Neptis属5種の中で、これまで唯一フタスジの産卵シーンは未撮影でした。今回、何とか山梨県で撮影に成功したので、そのご報告。
 現地9時到着。既に♂らしき個体が多数飛翔しております。コミスジ同様、♂は一旦探雌飛翔が始まると、殆ど止まりません。そして時折ウツギの花で吸蜜。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60(トリミング)、ISO=500、F6.3-1/3200、撮影時刻:9時16分
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EM12-Z60(トリミング)、ISO=500、F6.3-1/3200、撮影時刻:9時16分

 限られた場所で多数の♂が舞っているので、時には♂2頭の絡みも。
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EM12-Z60(トリミング)、ISO=640、F6.3-1/3200、撮影時刻:9時39分

 さて、目的の♀を探すのですが、一向に姿を現しません。それもそのはず、付近にどうもホストになるべきシモツケ類が生えていません。それなのにどうして♂が飛んでいるのでしょう? Neptisの産卵は通常午前中で、午後遅くには行われません。焦りながら時間が過ぎて行く中、取敢えずランチで休憩。正午過ぎ、必死でホストを探した後、何とかそれらしき葉の周りを飛ぶ♀を発見。♀に出会えると、意外と楽に産卵シーンをゲットできました。
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D500-34VR(トリミング)、ISO=500、F9-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時55分

 Neptis属独特な翅を全開しての産卵。遠目には静止している姿と変わりません。産んでいるのはシモツケ類ですが、シモツケよりも葉が大きく、種同定できず。卵は葉先に産み付けられておりました。
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EM12-Z60(トリミング)、ISO=64、F7.1-1/100、外部ストロボ、撮影時刻:13時04分

 卵の色は淡青緑色。しかしコミスジ等よりも白っぽく見えます。正面からのアングルだと腹端の様子が不明確なので、何とか粘って横方向からの産卵シーンもゲット。
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D500-34VR(トリミング)、ISO=500、F9-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時19分

 今度はシモツケに産んでいますが、定番の葉先ではなく、何と深紅色の蕾に産み付けたのです。産附状況です。
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TG4@18mm(自動深度合成+トリミング)、ISO=100、F4.9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:13時26分

 孵化した幼虫が実際に蕾(花弁)を食べるのか?興味深いですね。この後、母蝶は葉上にも産卵。
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D500-34VR、ISO=500、F9-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時19分

 ここでは葉先ではなく、葉のほぼ中央。産卵位置として葉先が選択されることが多いものの、結構気ままに産んでいるようです。フタスジも静止中は常に開翅状態で中々閉翅を撮らしてくれません。必死に粘って、♀が翅を立てた瞬間をパチリ。
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D500-34VR(トリミング)、ISO=500、F9-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時20分

 卵は飼育前提でお持ち帰りし、定番の超拡大撮影をしてみました。
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EM12-P1442@42mm-P14R(22コマ深度合成+トリミング)、ISO=250、F5.6-1/50、外部ストロボ

 最大直径(棘皮含む)・高さ共に0.94mm。表面が六角形状のディンプル(窪み)で囲まれ、六角形の交点から外側に延びる棘皮等、他のNeptis属卵と類似した性状です。ここで近縁のホシミスジ(東京都産:亜種setoensis)の卵と形態比較をしてみました。
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★ホシミスジ画像は2014年9月撮影分

 最大直径は僅かにホシミスジが優り、逆に高さはホシミスジの方が僅かに低いです。両者形態は驚くほど酷似していて、黙って画像を見せられたら判別し難い性状差です。それでも強いて列挙すれば、下記の差が見出せます。
(1)ホシミスジは底面積が大きく、フタスジは底に向かうにつれ、直径が窄まる傾向にある。
(2)側面図で見ると、ホシミスジではディンプルが全体に高さ方向(画像の上下方向)に引き延ばされた形態を有し、逆にフタスジは相対的に正六角形に近い。

 もちろん、検体数n=1同士の比較ですから、上記有意差が個体変異の範囲内かどうかは不明です。今回、何とかフタスジチョウの産卵シーン・卵拡大像が得られましたが、オオミスジとミスジチョウの両種について、卵拡大像撮影は未実施。これは今後の課題。一方、リュウキュウミスジについては、当面、沖縄や南西諸島に遠征する計画がありませんから、台湾あたりで産卵シーンを撮影したいものです。
by fanseab | 2017-07-10 21:58 | | Comments(4)
Commented by clossiana at 2017-07-14 14:53

いつも思うのですがfanseabさんは貴重な場面、それも被写体が動きのある中でもきちんと撮られているところがすごいです。今回も産卵時間が残り少ない中で、きちんと撮られていて、やはり凄腕ぶりを発揮されています。すごいですね。先ず食草があるところを探したことが成果につながったのでしょうね。私はフタスジは成虫以外は未見です。どの産地も拙宅からはかなり遠いし、それに産卵時間が午前中だとすれば永久に見れそうもないです。
Commented at 2017-07-14 21:25
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by fanseab at 2017-07-14 21:41 x
clossianaさん、コメント有難うございます。
凄腕なんて、とんでもない(^^; いつも蝶に弄ばれながら必死に撮ってます。
産卵時間が午前中と言っても正午に近い時間帯なので、それほど厳しくは
ありません。アイノミドリのテリ張り場面のように、早朝までに現場に着く
必要はないですからね。
Commented by fanseab at 2017-07-14 21:45
鍵コメさん、コメント有難うございます。
Neptis属でもフタスジのように高標高地に棲む種は、気温の関係で
少し午後まで産卵時間帯が食い込む場合もあります。平地に棲む種では、
10時過ぎから正午までが最も盛んな時間帯だと思います。
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