オナガアゲハの飼育メモ
5月29日付の記事(クリックでジャンプ)でオナガアゲハの産卵シーンをご紹介しました。この時、産附された1卵をお持ちかえりし、フルステージ飼育を行いました。餌は全てコクサギで実施。実は昨年9月上旬、コクサギに産附されたオナガアゲハ2卵の飼育を試みた経験があります。この時、代用食としてサンショウを与えましたが、食いつきが悪く初齢の途中で、失敗に終わりました。その反省から昨年秋にコクサギの苗を購入し、今回の飼育に備えていたのでした。
5月27日に孵化。孵化直後の初齢幼虫です。
+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
EM12-P1442@42mm-P14R(トリミング)、ISO=200、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:5月27日
動き回っているので、深度合成ができず。素直に焦点深度の深いコンデジで撮るべきでした。翌日、落ち着いたところで、再度初齢を撮影。
上段:EM12-Z60(トリミング)、ISO=200、F6.3-1/50、外部ストロボ
下段:D500-1855改@38mm(2コマ深度合成+トリミング)、ISO=100、F8-1/320,-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月28日
体長は5mm。カラスアゲハ同様、全体に緑色を帯びております。コクサギを食い始めた初齢幼虫と食痕のツーショットです。
EM12-Z60(トリミング)、ISO=200、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:5月28日
向かって左端に台座を構え、右側縁を食べるスタイル。29日に眠、翌30日に2齢。
EM12-Z60(4コマ深度合成+トリミング)、ISO=320、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:5月31日
体長8.2mm。棘皮の長さが相対的に短くなり、尾端付近腹節にある白色部分が目立つようになりました。2齢時の食痕も示します。
EM12-Z60(トリミング)、ISO=200、F6.3-1/30、外部ストロボ、撮影月日:5月31日
食している葉は初齢時代と同じ。葉の先端(上部)、基部側も食っています。6月2日に3齢へ。
EM12-Z60(自動深度合成+トリミング)、ISO=320、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:6月3日
体長16.5mm。胸部が拡幅し、第7-8腹節の白色部がより顕著になりました。4日に4齢。
EM12-Z60(自動深度合成+トリミング)、ISO=320、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:6月6日
体長24.5mm。胸部気門線上の白色部が目立つようになります。第7-10腹節はほぼ全体が白色になりました。ここで、類似種のクロアゲハ4齢幼虫との比較図をアップしておきましょう。
クロアゲハは2013年8月撮影分画像
識別点は画像中に記載した通りです。いずれも「鳥の糞」に擬態しているとされております。確かにヌメヌメとした光沢は「落とされて間もない糞」の質感ソックリですね。6月7日に眠、翌8日に5齢(終齢)になりました。
EM12-Z60(上段:自動深度合成/下段:5コマ深度合成+トリミング)、ISO=320、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:6月11日
体長43mm。非常に鮮やかな青緑色を呈しております。その独特な色調を敢えて表現するならば、「マラカイトグリーン(緑青:ロクショウ)」かな。ただ画像では上手く色調を再現できておりません。幼虫斑紋の特徴を4齢同様、クロアゲハと比較してみました。
クロアゲハは2013年8月撮影分画像
識別点を3箇所提示しておりますが、識別点1で見分けるのが一番楽だと思います。但し、「斜帯が背線上で分離する」特徴はモンキアゲハ終齢幼虫にも見られるので、注意が必要。参考までに、終齢幼虫頭部の拡大像も撮ってみました。
EM12-Z60(6コマ深度合成+トリミング)、ISO=320、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:6月11日
蛇の目玉に擬態している部分も、複雑な模様をしております。終齢幼虫は最大47mmまで成長しました。6月15日に下痢便を出し、翌16日に前蛹。
EM12-Z60(自動深度合成+トリミング)、ISO=320、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:6月16日
体長28mm。前回飼育したキアゲハ同様、見栄えのする枯枝に吐糸してくれてホッとしました。6月17日に蛹化。
EM12-Z60(自動深度合成+トリミング)、ISO=320、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:6月19日
体長35.5mm。褐色型でした。非常に特徴のある蛹です。全体にスリムで、成虫の翅形・尾状突起同様、細長さが際立っています。それとPapilio属の蛹はいずれも「くの字」型を呈しておりますが、オナガの蛹は将に「くの字」。クロアゲハの蛹と形態比較も行ってみました。
クロアゲハは2013年8月撮影分画像
頭部を正面から見ると、「兎の耳」状の突起があります(各画像右下の囲み)が、この突起もクロアゲハに比較して左右に開裂せず、真っ直ぐ上方に延びている特徴があります。蛹化してから12日目の朝、全体に黒化し、腹節も緩んで羽化間近の兆候を示しました。
EM12-Z60(トリミング)、ISO=320、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:6月29日
この画像を撮影したほぼ2時間後に無事♂が羽化しました。
EM12-Z60(トリミング)、ISO=320、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:6月29日
EM12-Z60(トリミング)、ISO=320、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:6月29日
前翅長59mm。翅を左右に僅かに開きながら乾かす途中、オナガ♂のシンボル、後翅の横白班がチラリと顔を覗かせます。これ、堪らなく綺麗ですね。昨年晩夏に一度飼育を失敗していただけに、無事羽化迄辿りつけてホッといたしました。
5月27日に孵化。孵化直後の初齢幼虫です。
+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
EM12-P1442@42mm-P14R(トリミング)、ISO=200、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:5月27日
動き回っているので、深度合成ができず。素直に焦点深度の深いコンデジで撮るべきでした。翌日、落ち着いたところで、再度初齢を撮影。
上段:EM12-Z60(トリミング)、ISO=200、F6.3-1/50、外部ストロボ
下段:D500-1855改@38mm(2コマ深度合成+トリミング)、ISO=100、F8-1/320,-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月28日
体長は5mm。カラスアゲハ同様、全体に緑色を帯びております。コクサギを食い始めた初齢幼虫と食痕のツーショットです。
EM12-Z60(トリミング)、ISO=200、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:5月28日
向かって左端に台座を構え、右側縁を食べるスタイル。29日に眠、翌30日に2齢。
EM12-Z60(4コマ深度合成+トリミング)、ISO=320、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:5月31日
体長8.2mm。棘皮の長さが相対的に短くなり、尾端付近腹節にある白色部分が目立つようになりました。2齢時の食痕も示します。
EM12-Z60(トリミング)、ISO=200、F6.3-1/30、外部ストロボ、撮影月日:5月31日
食している葉は初齢時代と同じ。葉の先端(上部)、基部側も食っています。6月2日に3齢へ。
EM12-Z60(自動深度合成+トリミング)、ISO=320、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:6月3日
体長16.5mm。胸部が拡幅し、第7-8腹節の白色部がより顕著になりました。4日に4齢。
EM12-Z60(自動深度合成+トリミング)、ISO=320、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:6月6日
体長24.5mm。胸部気門線上の白色部が目立つようになります。第7-10腹節はほぼ全体が白色になりました。ここで、類似種のクロアゲハ4齢幼虫との比較図をアップしておきましょう。
クロアゲハは2013年8月撮影分画像
識別点は画像中に記載した通りです。いずれも「鳥の糞」に擬態しているとされております。確かにヌメヌメとした光沢は「落とされて間もない糞」の質感ソックリですね。6月7日に眠、翌8日に5齢(終齢)になりました。
EM12-Z60(上段:自動深度合成/下段:5コマ深度合成+トリミング)、ISO=320、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:6月11日
体長43mm。非常に鮮やかな青緑色を呈しております。その独特な色調を敢えて表現するならば、「マラカイトグリーン(緑青:ロクショウ)」かな。ただ画像では上手く色調を再現できておりません。幼虫斑紋の特徴を4齢同様、クロアゲハと比較してみました。
クロアゲハは2013年8月撮影分画像
識別点を3箇所提示しておりますが、識別点1で見分けるのが一番楽だと思います。但し、「斜帯が背線上で分離する」特徴はモンキアゲハ終齢幼虫にも見られるので、注意が必要。参考までに、終齢幼虫頭部の拡大像も撮ってみました。
EM12-Z60(6コマ深度合成+トリミング)、ISO=320、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:6月11日
蛇の目玉に擬態している部分も、複雑な模様をしております。終齢幼虫は最大47mmまで成長しました。6月15日に下痢便を出し、翌16日に前蛹。
EM12-Z60(自動深度合成+トリミング)、ISO=320、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:6月16日
体長28mm。前回飼育したキアゲハ同様、見栄えのする枯枝に吐糸してくれてホッとしました。6月17日に蛹化。
EM12-Z60(自動深度合成+トリミング)、ISO=320、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:6月19日
体長35.5mm。褐色型でした。非常に特徴のある蛹です。全体にスリムで、成虫の翅形・尾状突起同様、細長さが際立っています。それとPapilio属の蛹はいずれも「くの字」型を呈しておりますが、オナガの蛹は将に「くの字」。クロアゲハの蛹と形態比較も行ってみました。
クロアゲハは2013年8月撮影分画像
頭部を正面から見ると、「兎の耳」状の突起があります(各画像右下の囲み)が、この突起もクロアゲハに比較して左右に開裂せず、真っ直ぐ上方に延びている特徴があります。蛹化してから12日目の朝、全体に黒化し、腹節も緩んで羽化間近の兆候を示しました。
EM12-Z60(トリミング)、ISO=320、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:6月29日
この画像を撮影したほぼ2時間後に無事♂が羽化しました。
EM12-Z60(トリミング)、ISO=320、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:6月29日
EM12-Z60(トリミング)、ISO=320、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:6月29日
前翅長59mm。翅を左右に僅かに開きながら乾かす途中、オナガ♂のシンボル、後翅の横白班がチラリと顔を覗かせます。これ、堪らなく綺麗ですね。昨年晩夏に一度飼育を失敗していただけに、無事羽化迄辿りつけてホッといたしました。
by fanseab
| 2017-07-05 22:03
| 蝶
|
Comments(4)
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by
clossiana at 2017-07-06 14:03
初齢幼虫も格好いいですが何と言っても蛹ですね。正面からの写真を見させて頂くと人面相を4つも持っています。すごい。。見ようによってはイアリングをつけた子供を前に立たせた円空仏ですし、兜をかぶった預言者にも見えるし。。こんな秘密が隠されていたとは驚きでした。
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fanseab
at 2017-07-06 21:46
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Sippo5655 at 2017-07-09 21:51
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fanseab
at 2017-07-10 21:23
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Sippo5655さん、いつも飼育は最低限の個体数に絞って実施しております。
しかし流石に1卵だけだと、どうなるか心配で、羽化まで見届けると
本当にホッとするのですよ。「手塩にかけて育てた」成虫はいつ見ても
大変綺麗で、感動するものです。オナガと言っても尾状突起はすぐに
伸びてしまいます。
しかし流石に1卵だけだと、どうなるか心配で、羽化まで見届けると
本当にホッとするのですよ。「手塩にかけて育てた」成虫はいつ見ても
大変綺麗で、感動するものです。オナガと言っても尾状突起はすぐに
伸びてしまいます。