探蝶逍遥記

コチャバネセセリ:越冬幼虫飼育顛末記

 昨年10月30日付けの記事(外部リンクで、本種終齢幼虫の越冬飼育にトライ中であることを述べました。その後どうなったのか?ちょっと触れてみたいと思います。

 当該記事でもご紹介した越冬容器です。 
                                  
+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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TG4@4.5mm(トリミング),ISO=200、F2-1/1250、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影年月日:2016年9月9日

 過度の乾燥を防止するため、概ね1週間に1回、如雨露で水遣り管理をしました。年が明けて今年の3月30日に巣を恐る恐る開封。1頭(個体識別#2)は正常、もう1頭(同#1)はミイラ化して死亡しておりました。
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TG4@5.5mm(トリミング),ISO=100、F2.3-1/30、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影年月日:2017年3月30日

 生き残った#2の巣を4月14日に再開封。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影年月日:2017年4月14日

 向かって右側の開封箇所(3月30日開封)はきちんと再度吐糸して封じ切りされておりました。幼虫の様子を覗うため、今度は向かって左側を開封。
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EM12-Z60(10コマ深度合成+トリミング),ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影年月日:2017年4月14日

 幼虫の頭部・ベージュ色の胴体部分が見えています。どうやら無事の様子。5月に入ると蛹化する可能性があるので、4月24日に再チェック。予想通り、蛹化しておりました。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影年月日:2017年4月24日

  体長は16mm。飴色の独特な色をしております。5月7日には複眼が黒くなり、羽化が近づいた様子。
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TG4@18mm(トリミング),ISO=100、F4.9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影年月日:2017年5月7日

 経験上、遅くとも10日には羽化する筈。しかし、10日を過ぎても羽化の兆候が無いので、再度チェックしてみると・・・・。
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TG4@18mm(トリミング),ISO=100、F3.6-1/60、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影年月日:2017年5月11日

 あらら、蛹殻だけが残されて蝶の姿はありません。どうやら蛹は寄生されていたようで、寄生種は網掛けした隙間から逃げてしまったのだと悟りました。網掛けの網目は5mmほどで、コチャバネは勿論脱出不可能ですが、寄生バエや寄生蜂などの膜翅目にとってはザルみたいなものだったのでしょう。
 一週間に一度の水鑓り等、結構手間暇かけて越冬幼虫を管理していたつもりが、実は寄生種の管理をしていたことになります。コチャバネの飼育が失敗したのみならず、憎たらしい寄生種の姿を確認できなかった二重の悔しさが残った飼育になりました。まぁ、野外で採幼した場合は避けられないリスクなのですけどねぇ~・・・。チャンスがあれば、夏場に採卵して、フルステージ飼育をしてみたいものです。
by fanseab | 2017-06-11 21:16 | | Comments(6)
Commented by 霧島緑 at 2017-06-15 02:15 x
大変ご無沙汰しています。人工飼育中にもかかわらず寄生されてしまうとは大変残念です。
蛹化までこぎつけて羽化を見られないのは、本当に悔しいものがありますね。冬を越す種は特に冬場の管理などに気を使うこともあり、ようやく羽化シーズンを迎えても一向に変化がなく、結局、蛹の状態で死んでしまったりと・・・。残念ではありますが、必ず得るものがあったと思いますので、再チャレンジしてください。
Commented by clossiana at 2017-06-15 17:45

コチャバネの越冬の様子は大変、勉強になりました。実は私も今年、ダイミョウで全く同じ経験をしました。或る時点でダイミョウの死骸の回りに小さな繭が沢山ついているのに気付きましたから、その段階でプラスチックの容器に回収しました。お陰で、どんな虫の仕業なのかを確認することが出来ました。でも越冬させる為には、ある程度、通気性の良いネットに収納しなければならず、そうすると網の目から逃げられてしまいますので、そこが悩ましいですね。期待していたのとは別の虫が羽化してくるのは残念ですが今は、それも面白いなと感じています。
Commented by fanseab at 2017-06-15 21:29 x
霧島緑さん、こちらこそご無沙汰です。
もちろん寄生された時期は越冬巣を形成する以前でしょうし、
野外採幼の場合は80%は寄生個体であることを了解済で飼育しておりますから、
やっぱりそうか・・・の感覚です。当然悔しさはありますが、ある程度悔しさ
も折込済なんで、何とかなります。今回は植木鉢を空中に浮かして過湿を
防止するテストを初めて実施した訳で、そのテスト自身は成功したので、
満足しております。
Commented by fanseab at 2017-06-15 21:32 x
clossianaさん、コメント有難うございます。
素直に冷蔵庫保管でもよかったのですが、屋外放置で工夫をこらしてみました。
蛹化を確認した時点で、室内保管に切り替えておけば、寄生種の確認もできたわけで、
その点では最後の詰めを誤りました。
Commented by Sippo5655 at 2017-06-15 22:26
たくさん工夫を凝らしてきたのに、、
残念でしたね・・・
一方の寄生種も生きるために必死だったのでしょうね。
小さな生き物たちのせめぎ合い、、
再認識しました。
Commented by fanseab at 2017-06-16 21:45 x
Sippo5655さん、今回のように寄生されていた場合、
必ず寄生種を確認するようにしています。しかし、相手がとても小さな
ことであることを忘れていると、今回のように、網からすり抜けて
確認不可能になってしまいます。やはり飼育の最終ステージで、
無事羽化するか、寄生種が出るか、いずれにせよ、最後の詰めの段階で、
慎重に事を運ばないと、失敗する・・・これが教訓ですね。
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