探蝶逍遥記

但馬の夏(7/8) PartⅡ

 昼食後、暑い日差しが急に遮られ、なにやら俄雨でも降りそうな雰囲気。焦ってススキが拡がる高原に繰り出しました。お目当てはクロシジミ。ところが、一人ネットマンが居て、「何が取れるんですか?」と、小生がおっとり刀で訪ねると、「クロシジミだよ」と三角紙を取り出し、犠牲になった♀を自慢気に見せびらかします。このネットマン、どうやら「鬼取り派」のようで冷たい目を草原に注ぎながら無機的にネットを振っておりました。「鬼」が向こうに去ったうちに必死に捜索しないと・・・、こちらも「鬼撮り」の様相を呈してきました。そんなこんなでやっと新鮮な♂を発見。このシジミ、小生初体験ですが、「非常に目立たない蝶」が第一印象。テリ張り位置からはずれた雑木林の下草で微妙に開翅してくれました。
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D70, ISO=500、F9-1/640、-0.3EV

 残念ながら鈍い紫色の幻光は上手く表現できませんでした。この角度だと駄目なのかなあ?そのうち、少し日差しが戻ると急に活発になって、見晴らしの利くススキの葉上でテリトリーを張りはじめました。今度は超広角横位置で撮影。完全逆光のシチュエーションで、怪しげな雲行きも正確に表現すべく、スローシンクロモードで、弱くストロボを焚いてみました。
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D70S-10.5-X1.4TC、ISO=500、F20-1/250、-0.7EV、内蔵ストロボ、マニュアル発光(1/2調光)

 途中、テリに侵入した蜂を追っかける場面にも遭遇。敏捷な飛翔にまたビックリです。絶滅危惧種は概してノンビリとした飛翔パターンが多い印象を持っていましたが、この蝶は別格のようです。午前中イヤと言うほど魅せられた俊敏なゼフに優るとも劣らない運動能力が印象的でした。

 引き続き♀を探索しましたが坊主。発生初期なのでしょうか?さきほど、「犠牲」になった♀の姿が虚しく目に浮かびます。クロシジミの探索の合間にヒョウモン類も撮影。その途中、突然ヤママユのような褐色の蛾がバタバタ羽音を響かせるような勢いで草叢に降り立ちました。「なんだなんだ」と確認してみると、なんとミドリヒョウモンの交尾ペア。双方新鮮です。この角度では、ピンが両者に合い難いので、正面に回りこんで・・・、しかしこの作戦は見事に失敗。さっと飛び立ち、雑木林に消えていったのでした。しかし、この画像を眺めてみると、♀(右側)は♂に比較して「緑」濃いことがよくわかります。
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D70, ISO=500、F5.6-1/800

 ヒョウモン同様、あざやかな橙色のセセリも登場。新鮮なコキマダラセセリでした。小生、デジタルでは初撮影なので思わず頬が緩みます。アカセセリ♀を思わせるでかい個体でした。この頃から強風が吹き始めたのでシャッター速度優先での撮影。
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D70, ISO=500、F5-1/1600

 この後、小雨がパラツキ始めたので14時前に撤収。よせばいいのにこの後、ハヤシミドリ探索にカシワ林に向かいました。そこのポイントに本来いないはずのヒョウモンモドキ?が!「すわ大発見」と思いきや、何とウラギンヒョウモンの矮小個体。
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D70, ISO=500、F7.1-1/320

 このポイントには裏面がハヤシミドリそっくりのサカハチチョウサイズのナミヒカゲ(撮影失敗)が出現したり、それなりに楽しめました。しかしハヤシの活動ピークまでこちらの根性と体力が持たず、已む無く敗退したのでした。本日の行動時間17時間。走行距離370km、ヘトヘトに疲れて帰宅しました。成果が挙がった但馬遠征。本来なら「ビールぢゃ!!」の気分ですが、疲れが優って床に就くことを余儀なくされたのでした(^^;; (了)
by fanseab | 2006-07-10 21:11 | | Comments(8)
Commented by maeda at 2006-07-10 21:37 x
クロシジミを初めて採ったのは中学の時でした。
ゼフ狙いの私は面白いゼフを採ったと思い網を見るとクロシジミでした。
初物だったのですが、よく観察すると沢山飛んでいたので数頭の採集でした。
当時、クロシジミが少なくなるとは思いもしませんでした。
メスは白化型が出るので人気なのでしょうね。
ちょっとの採集で後は残してくれると、お互いに悪い気はしないと思います。
Commented by kenken at 2006-07-10 22:06 x
ネットマンも理解のある方なら「ここにいますよ」って声かけしてくれるのですが・・・なかなか難しいもんですなぁ。
なぁ~に、またクロシジミの♀、きっと出会えますよ。
さすがにストロボの名手ですなぁ~私は自然光ばかりで・・・また一度、ストロボの焚き方ご指南下さい。
Commented by fanseab at 2006-07-10 22:59 x
maedaさん、小生にとってクロシジミは中学の時、憧れのシジミで対面は図鑑の中だけでしか実現しませんでした。卍状に絡んでも地味でしたね。アリと共生するシジミはすべからく、衰退の危機に晒されているようです。
Commented by fanseab at 2006-07-10 23:05 x
kenkenさん、連続レス有難うございます。実は午前中、ゼフポイントで友好的なネットマンと親しくさせて頂いたこともありまして・・・、人それぞれなんですね。横位置広角の画像は完璧逆光なので、仕方なくストロボ併用です。かれこれ5条件程度設定を変えて撮りましたが、モデルがおとなしくしてくれたのでベスト条件で撮れました。
Commented by kmkurobe at 2006-07-11 19:59
いやいや本当にストロボお上手ですね。
私はワイドです使うストロボがうまくいきません。
なんとかテクを磨きたいものです。
ん十年前採集者だった私にはなぜかすぐアブラが浮いてくるシジミチョウだなという印象でしたね。
現在は長野県最北の産地でなんとかいいカットを撮りたいと考えています。
そこは標高1000メートル位あるカシワの生えている草原です。
Commented by fanseab at 2006-07-11 23:11 x
kmkurobeさん、まいどどうも。ストロボテクは奥が深く、まだまだ修行が必要です。
確かに油が浮く標本ってありましたね。誰がいたずらしたんだろう?と当時途方にくれた思い出があります。
Commented by banyan10 at 2006-07-12 13:28
クロシジミは昨年撮影しましたが、早い時間で翅を閉じて静止したものがほとんどです。
開翅や各種の生態を見に行きたいですが、今年は厳しいですね。
怪しげな雲が背景の広角いいですね。青空でなくても絵になるのですね。
Commented by fanseab at 2006-07-12 22:23 x
BANYANさん、クロシジミについては蟻とのツーショットとか、もう少し「追っかけ」したいと思っています。♂開翅写真は12時半頃の撮影です。広角撮影時には敏感で開いていた翅を閉じてしまいました(^^;;
広角では、空を含めた背景の処理が望遠マクロより難しいですね。
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