探蝶逍遥記

ムラサキツバメの蛹化場所(9月下旬)

 ビロードハマキを観察したマンション敷地にはマテバシイが数株あります。株数が少ないためか、ムラサキツバメは数年おきにしか確認できません。しかし、今年は当たり年なのでしょう、8月頃からマテバシイの樹冠を高速で飛び回る姿がしばしば目撃されました。実生をチェックすると卵や幼虫の姿も確認していたのですが、先日成葉表面に幼虫にしては黒味を帯びた個体を発見。数頭の蟻も群れておりました。直ぐに終齢幼虫ではなく、蛹と判明。本来なら蟻を付随した蛹の画像を写すべきでしたが、失念。後日訪れると既に羽化済でした。これがそのマテバシイの全景。

+++画像は原則クリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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TG4@5.5mm,ISO=400、F2.3-1/30、内蔵ストロボ、撮影時刻:16時01分

 矢印#1が蛹殻の位置。地上高約1.5m。実生から伸びた成葉上です。因みに矢印#2は別の実生株上にあった卵の位置。次に蛹殻の拡大像です。
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D71K-85VR(2コマ深度合成+トリミング),ISO=200、F10-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時25分

 蛹殻の体長は14mm。この絵のようにムラツは蛹化の際、前後の葉上に太く吐糸して葉を湾曲させる習性があります。これまで屋外で管理人が観察できたムラツ蛹殻は全て「マテバシイ株根元にある枯葉裏」にありました。このように「成葉上に蛹化した事例」は管理人にとって初体験。念のため観察したマテバシイの根際にある枯葉を葉捲りしてみると、案の定、ムラサキツバメの羽化済蛹殻を発見。
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D71K-85VR(トリミング),ISO=200、F10-1/320、-1.0EV、撮影時刻:14時31分

 撮影の便宜上、枯葉を裏返しております。マンション構内の植栽に対しては、結構頻繁に剪定や枯葉掃除が実施されます。その影響か、当該株下にも枯葉は非常に少なく、僅かに残された枯葉を求めて複数の老熟幼虫が同一枯葉に集中して蛹化するのでしょう。
by fanseab | 2016-10-09 20:13 | | Comments(6)
Commented by Sippo5655 at 2016-10-09 21:37
過酷な環境の中で、
必死に命繋いでいるのですね・・・
頑張って生き延びてもらいたいです!
私も今季はよくムラツに出会います。
今年はやはり当たり年なのかな?
今季こそ越冬する姿を見つけたいです。
↓ビロードハマキ本当にインパクトありますよね!!
Commented by fanseab at 2016-10-09 21:54 x
Sippo5655さん、一枚目の絵で示した実生は、この画像を撮影した数日後にバッサリ
切られました。幼虫観察も継続できず、ガッカリです。
今年の秋はムラツとウラナミシジミの当たり年だと思います。
越冬集団の数も多いことを期待しましょう。
Commented by Garuda→あーとまん at 2016-10-10 01:08 x
ひこばえも根際の枯葉も、法則でもあるのかと思うほど「観察しようとすると伐られる/掃除される」ことが多いですよね…。まるまる太った終齢幼虫までは観察したことがあるのですが、蛹化まで継続観察できたことは一度もありません。

ここ数週間クロコノマチョウばかり追い回してて他の蝶のことはすっかり忘れてました。
ウラナミシジミ、来週でもまだ間に合うかな。
Commented by fanseab at 2016-10-10 21:47 x
Garuda→あーとまんさん、剪定や掃除は公園等の人為的環境では仕方ないですね。
でも、観察したいタイミングに丁度実施される傾向にあるのは否めません。
ムラツを蛹化まで観察するには、掃除もあまり行き届かない広い公園とかで
やるしかないですね。ウラナミは好天気なら、まだまだ大丈夫と思います。
Commented by clossiana at 2016-10-11 04:12
ムラツの葉表での蛹化とは。。驚きです。一体どうしたのでしょう?
しかも、ちゃんと羽化も出来たみたいですね。
更にこんなに立派な成葉を折り曲げることが出来るのもすごいです。
紡いだ糸の太さがすごいですから吐糸した量とか作業量がしのばれます。
私もfanseabさんと同様にこの種の蛹は食樹の根元でしか見たことがありませんが、
考えてみれば、それは図鑑などに頼っていて、そこしか探していないってことも理由の一つなのかもしれません。
そうだとすれば、そういう既知の知見にとらわれずに例えば樹幹とかも探せば見つかる可能性がありそうです。
いつも細かな観察をされているfanseabさんならではの快挙ですね。
Commented by fanseab at 2016-10-11 20:54 x
clossianaさん、今回の蛹は幼虫探索の過程で発見しました。
貴殿のコメント通り、「蛹を探す」スタンスでは、根本ばかり探して
この蛹を見逃していたかもしれません。老熟幼虫が根元に一旦降りた
ものの、落葉が少なくて引きかえし、結局、成葉上に落ち着いた・・・
なんてことがあるのでしょうかね?
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