探蝶逍遥記

イタドリに産卵するルリシジミ(6月初・中旬)

 多摩川縁のマイポイントで、ヒメジャノメ♀を追跡していた際、林縁でルリシジミ♀が緩やかに舞っておりました。どうやら産卵モード。産み付けた植物は、タデ科のイタドリ(Polygonum cuspidatum)。その淡いベージュ色の花穂に多数の卵を産んでおりました。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-85VR(トリミング),ISO=400、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時10分(6月初旬)
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D71K-85VR(トリミング),ISO=400、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時43分(6月中旬)
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D71K-85VR(トリミング),ISO=400、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時45分(6月中旬)

 1枚目に黄矢印で示した卵はどうやら、別の鱗翅類のものと推定されます。イタドリは既に1963年、ルリシジミの「新食草」として認定されています。文献(外部リンクを参照願います。

 上記文献によれば、「飼育時にイタドリの新芽と花穂を同時に幼虫に与えたところ、新芽は食わず、花穂のみ食した・・・」とあります。イタドリの葉・茎にはシュウ酸が多量に含有されており、昆虫の摂食には適さないのです。同属のヤナギタデ(P. hydropiper)には辛味成分のタデオナールが入っていたり、タデ科植物の多くは昆虫忌避成分を含有して、食害を防いでいるのです。『タデ食う虫も好き好き・・・』の諺にも謂れがあるのですが、ルリシジミ幼虫は有害成分含有の葉や茎をきちんと避け、花穂のみ食べる智慧者のようです。同幼虫はクララの花穂も食べる事例が知られていて、オオルリシジミ生息地ではホストの競合関係にあります。彼らは猛毒(キノリチジンアルカロイド)を含有するクララであっても、花穂の毒性は低いことを知っているのでしょうね。

 イタドリは河原の至る所に生えていますが、ルリシジミはやや暗い環境に生えている株を好むようです。産卵状況です。
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TG4@13.5mm(9コマ自動深度合成+トリミング),ISO=100、F4.2-1/80、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影:6月初旬

 少し見難いですが、矢印部に合計4卵確認できます。完全に花弁が開くと幼虫は摂食しないので、母蝶はまだ淡緑色の蕾を付けた花穂を念入りに選択し、産卵するようです。例によって、卵の超拡大像撮影にチャレンジ。最初はTG4にて。
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TG4@18mm(9コマ自動深度合成+トリミング),ISO=100、F4.9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影:6月初旬

 ルリシジミ卵は1mmを切るサイズですが、TG4は素晴らしい絵を叩き出してくれました。比較の意味で、マイクロフォーサーズによる超拡大システムでも撮影。なお、撮影した卵は↑とは別の個体です。
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GX7-P1442@42mm-P14R(上段4コマ/下段6コマ深度合成+トリミング),ISO=200、F13-1/250、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影:6月中旬
 
 やはり専用システムでは、拡大率が高いこともあって、解像度には裕度があるようです。そこで以前、使用していたAPS-C一眼を用いた専用拡大システムも含めて、3方法の画質比較を行ってみました。
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上段のみD71K-85VR-24R(3コマ深度合成+トリミング),ISO=100、F29-1/320、-1.7EV、外部ストロボ、撮影:2013年7月

 卵直径が同一サイズになるよう、各画像の拡大率を変えております。使用機材のセンサーサイズも記載しておきました。各オリジナル画像の拡大率は(1)>(2)>(3)の順に低くなるので、TG4は流石に解像度の点では少し苦しいことは否めません。しかし、コンデジ一丁で、ここまで解像できるのは素晴らしいと思います。20-30年前までは、一眼レフに重たい拡大ベローズを装着し、三脚でガッチリ固定しながら、ケーブルレリーズで息を潜めてシャッターを押していた光景が思い出されます。今はフィールドでポケットからサッとTG4を出して、気楽に卵拡大撮影ができるようになりました。将に隔世の感がありますね。
by fanseab | 2016-06-28 20:57 | | Comments(0)
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