探蝶逍遥記

新潟のギフチョウ(4月中旬)

 先ず熊本地震で犠牲になられた方々に心から哀悼の意を表します。また、被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。明日は我が身・・・、拙宅で疎かになっていた身近な地震対策をこの2-3日で慌てて実施いたしました。
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 東京近辺で桜が満開になると、そろそろ雪国のギフをみたくなります。今年はギフの発生が全般に早め・・・の情報が耳に入っていたので、心配しながらの出陣でした。途中、越後湯沢近辺の雪の少なさにビックリ。「ギフがボロボロじゃないといいけど・・・」心配の種は尽きません。しかし、この日は朝から快晴。お天気の心配は無用。ご一緒する蝶友、MH氏ご夫妻と合流し、同氏の運転でポイントへ。現地に着くと、最初の一頭が枯葉上へ。綺麗な♂を見て、それまでの心配が吹き飛びました。
 
+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34VR、ISO=200、F7.1-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時11分

 丁度、カタクリが満開ですが、吸蜜は狙わず、この日は飛翔に注力することにしました。最初は300mmでの超望遠飛翔撮影。カメラを一点に置き、体を動かさずに撮影する最も体力消耗の少ないやり方です。病み上がりにはベストな方法ですが、歩留りが最も少ない撮影法であることが難点(^^; およそ8年前からこの方法をトライしており、アウトプットイメージは常に頭に刻み込まれています。つまり『ピンク色に染まったカタクリ畑を悠然と舞うギフチョウ。超望遠効果でピンク色の霞と化した背景を、目にも鮮やかなダンダラ色が飛び跳ねる・・・』 ただねぇ、所詮これアウトプットイメージでして、現実は厳しく、毎シーズン没画像の山に溜息ばかり出ています。この日は凡そ700コマ連射して、「当り籤」は5コマほど。その中のベストショットがこちら。
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D71K-34VR、ISO=400、F5-1/3200、外部ストロボ、撮影時刻:10時14分

 出来は理想イメージにかなり近いかな(完成度80%?)。ノートリでここまで仕上がれば御の字です。次はセカンドベスト。
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D71K-34VR、ISO=400、F6.3-1/3200、-0.7EV、撮影時刻:11時48分

 「背景を完全に抜かす」意図で地面スレスレに構図を固定し、ギフが来るのを待機してのショット。惜しむらくはギフが中央に配置されず右端に来てしまったこと。まぁ、いつも悩まされるジンクス:『ジャスピン画像画面端の法則』が適用されてしまった訳です。一枚目同様、右端にギフが配置されていますが、一枚目では蝶の向かう方向が画面中央なので、絵に緊張感が出る効果をもたらします。一方、二枚目では蝶は画面右端に逃げていくので、何とも締まりのない絵になってしまうのです。二枚目でギフが画面中央、それも中央のカタクリ花弁の直上に配置されれば文句の無い絵になります。そんな絵が撮れたらギフの300mm望遠飛翔撮影は卒業したいです。現実と言えば卒業は難しく今年も留年のようで、来シーズンに期待しましょう。次は広角飛翔。こちらも体力消費の少ない超高速連射で。
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GX7-Z12(トリミング)、ISO=400、F5.6-1/3200、撮影時刻:11時53分
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GX7-Z12(トリミング)、ISO=400、F5.6-1/3200、撮影時刻:11時53分
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GX7-Z12(トリミング)、ISO=400、F5.6-1/3200、撮影時刻:11時53分

 同一個体の40コマ/秒連射画像から3枚を抜き出してみました。一枚目は背景にゼンマイが写りこんで春らしい雰囲気が出ました。この日、置きピン27cmでトライしたのですが、明らかに前ピンで、ギフはピンボケです。置きピンは33cm付近にすべきだったと反省。2枚目は一番バランス良く仕上がった構図。3枚目は急に飛翔方向を変え、カメラに突進してきた瞬間。置きピン位置に入ったので、ギフ背中のモフモフ感も描写され、迫力が出たお気に入りのショットです。

 この日は飛翔に注力した結果、定番のカタクリ吸蜜画像撮影は諦めておりました。そんな折、午前10時半頃、一頭の♂が目前で吸蜜を始めました。「よしっチャンス!」と意気込んでファインダーを覗くと、どうも動きが変。そのうち翅が3枚見えて、「うわっ、交尾!」と二度ビックリ。慌てて撮った露出オーバーの失敗作をご覧下さい(右が♀)。
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D71K-34VR、ISO=160、F10-1/125、外部ストロボ、撮影時刻:10時24分

 カタクリの花弁下に集うギフ交尾ペア。何とも贅沢な絵になりました。管理人はこれまで交尾シーンを複数回撮影しておりますが、いずれも枯枝や枯葉の上。意図的演出行為(?)を含めてカタクリ上に集う交尾シーンはこれが初体験。このペアは比較的おとなしく飛び去る気配がないので、暫く飛翔撮影に注力した後、じっくりと広角で環境描写をしてみました。
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GX7-Z12、ISO=200、F3.2-1/3200、-0.7EV、撮影時刻:11時02分

 交尾に至る過程を再度検証してみると、①羽化直の♀がカタクリ花弁に静止し、翅を乾かしていた。②そこに♂が飛来し、速攻で交尾成立。普段見慣れている交尾過程は飛翔中の♀を♂が追い落とし、地面でガサゴソ格闘した後、大願成就するパターン。今回はさしずめ「静謐なる大願成就編」になるのでしょう。♂は苦労も無く、思いを遂げられたためでしょうか、本当に幸せそうな顔をしておりました(笑)

 さて、ランチ休憩後、現場を離れ別ポイントを探索。ここはどうやら発生末期のようで、♂の鮮度が芳しくありません。それでもスミレ吸蜜に来た場面をゲット。
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D71K-34VR、ISO=200、F8-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:15時17分

 スミレ吸蜜シーンも難しいですね。この日は16時前から薄曇り状態になったため、結局、↑の画像を撮影した15時半頃が最後の吸蜜タイムだったようです。この現場では悪戯半分で、コシノカンアオイの葉捲り遊びをしてみました。そしたら、こんな物が見つかりました。
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TG4@18mm-gy8、ISO=100、F4.9-1/160、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:15時35分

 一瞬、ギフ幼虫と思ったのですが、実態は蛾類幼虫(種名同定できず)。人騒がせな集団でした。正真正銘のギフ卵塊も発見できずガッカリでした。それでも、本当に好天に恵まれ春の一日を楽しむことができました。同行して頂いたMHさん、お世話になりました。またどこかでご一緒しましょう。今回は病み上がりで長距離運転に自信が持てなかったので、往復新幹線での遠征。それでも帰宅後の疲労感は半端ないものでした。撮影意欲はギンギンに回復しても、体力が未だ正直追いついていないのです。体力が戻るまで、もう少し辛抱が必要かな?
by fanseab | 2016-04-17 20:35 | | Comments(10)
Commented by Sippo5655 at 2016-04-17 22:07
わあ、新潟にお出かけでしたか!
ギフチョウの素晴らしいシーンに出会えて
本当に良かったですね!!
この春はお天気も周期的に変わる日々でしたから
ほんとラッキーな一日でしたね!!

こんなにたくさんのカタクリの中のギフチョウ
夢のようなシーンです(*´∇`*)

お体、大丈夫でしょうか。
ご無理なさらず^^;
Commented by HemlenK at 2016-04-18 08:56
300mmの望遠飛翔ですか!・・しかも定点。ギフチョウのような蝶には追いかけるよりも有効かもしれませんね。私なら、飛翔のシャッター速度は高いですから、ピントを固定にしてカメラを振り回しそうです(笑)
広角の交尾もよいですね。こういう絵を見てしまうと、広角の絵が撮りたくなります(^^)
F3.2ですか。。私には、なかなか現地でこの余裕は作れなさそうです。。
さすがの数々、ありがとうございます。
Commented by ダンダラ at 2016-04-18 18:31 x
まったくの自然状態でのカタクリ上での交尾。
最高のチャンスでしたね。
アウトプットイメージに近い飛翔写真。
出かけるときから、こんな写真を撮ろうと思って出かけても、ほとんどの場合はそんな写真は撮れませんが、イメージに近い写真が撮れるなんて流石です。
飛翔写真での試行錯誤、これって楽しいですよね。
結果が伴えば最高です。
Commented by fanseab at 2016-04-18 21:39 x
Sippo5655さん、仰るようにギフ目的の遠征では天気が鍵になります。
週間予報とは微妙に異なったり、ヤキモキするんですね。それがまた
ギフ撮影の面白さ・難しさに繋がります。
無理してはいけないと最初は自重しているんですが、蝶影を見ると、無意識に
走っていたりします。セルフコントロールは難しいです(^^;
Commented by fanseab at 2016-04-18 21:43 x
HemlenKさん、もちろんレンズを振り回すやり方も併用していますよ!
構図一点固定は鳥屋さんなら辛抱できるかもしれないですけど、小生は我慢
しきれず、レンズを動かします。
広角の絵は背景カタクリ群落をぼかしたくて、開放気味で撮りました。ペアが落ち着いて
くれないと、このやり方はできませんね。
Commented by fanseab at 2016-04-18 21:45 x
ダンダラさん、今回はカタクリ吸蜜が撮れなかったのですが、アップした交尾画像
が撮れたので、満足しております。イメージ通りに仕上がるか?ギャンブルですから
飛翔写真はやめられませんね。蝶高速連射でもイメージ通りに上がるかは別物ですものね。
Commented by himeoo27 at 2016-04-19 20:42
飛翔シーン撮影を複数の手法を使って挑戦されて
いるところに頭が下がります。
新潟県遠征で色々なシーンに出逢えて良かったで
すね!
Commented by fanseab at 2016-04-20 20:52 x
himeooさん、毎年ギフを撮影して初めて春を実感します。
シーズン前はどこで、どのように撮影するか?色々策を練って挑むのも
楽しいものです。上手く行ったら、それはそれで嬉しいし、失敗したら、
また来年頑張ろうと意欲が湧いてきます。今回は、特別の手法を使っては
いませんが、自分の現在の体力を慮りながら、手探りで撮っていた感じです。
Commented by 22wn3288 at 2016-04-25 08:57
カタクリの群生の中を飛翔するギフチョウ、1枚目の写真に自分のイメージと合う感覚を得ました。私もこういうシーンを撮りたいと思います。
難しそうですが。
Commented by fanseab at 2016-04-25 21:30 x
22wn3288さん、チョウ望遠飛翔の一枚目はできれば手前側のボケがもう少し
綺麗だとアウトプットイメージ通りなのですが・・・。
なかなか問屋がおろしません。難しいので毎年頭を悩ませますね。
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