探蝶逍遥記

台湾台東縣遠征記(7)タテハチョウ科その1:マダラチョウ亜科

 最初は個体数の多いウスコモンマダラ(Tirumala limniace limniace)。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34VR、ISO=400、F9-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月12日、8時09分

 トウワタで吸蜜する♂です。ここはシロチョウ科その2でご紹介したウスキシロチョウ♀が吸蜜した場所と同一ポイント。次はタイワンアサギマダラ(Parantica swinhoei)♀の吸蜜シーン。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=640、F10-1/500、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月13日、12時09分

 林道脇は急傾斜の崖地でセンダングサまで前進できず、大幅にトリミングしてのご紹介。管理人は台湾に渡航する前、現地に行けば本種が普通に見られるだろうと推測しておりましたが、実態は逆で、意外と個体数が少なくて苦労します。一方、日本国内の高原に咲くヒヨドリバナにはアサギマダラ(P.sita)の大集団が観察できます。同様に台湾でも本種の集団吸蜜が観察できるポイントがあるのかもしれませんね。この時飛翔も撮影。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=640、F6.3-1/2500、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月13日、12時10分

 飛翔を撮ると、赤褐色の腹部が表現できて、ようやく「タイワンアサギマダラ」らしい絵になります。左前翅は一部切断されて捲れ上がっていて、そのせいか、飛翔はどこかぎこちないものでした。次は沖縄あたりでもポピュラーなツマムラサキマダラ(Euploea mulciber barsine)。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=400、F9-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月13日、9時34分

 ♂の吸水シーンですが、面白いのは翅を全開にしている点。通常川床や路上では閉翅状態で吸水するのが普通で、全開状態は初めて観察しました。崖地にへばり付くようにストローを出していて、バランスを取るため開翅していたのかもしれません。次は♀の産卵行動。カメラに向かってくるシーンですが、やや後ピンです(^^;
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=200、F9-1/320、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月13日、13時28分

 すごく暗い環境で、残念ながら産卵シーンは撮影できず。ルリマダラ類の2番目は知本温泉付近で最も個体数の多いホリシャルリマダラ(Euploea tulliolus koxinga)。♂の吸蜜シーンを2枚。
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D71K-34VR、ISO=1600、F9-1/500、-0.3EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月11日、13時55分
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=500、F11-1/640、+0.3EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月13日、11時56分

 1枚目は全開シーン。全開翅を撮るのはこれが初でしたが、撮影後、ISO設定を誤って1600まで上げていることに気が付きました。その結果、通常設定でも難しい前翅瑠璃色紋の表現がちょっとノッペリしてしまいました。ISOを下げて再度全開を狙うも思い通りに開いてくれずガッカリ(^^; 2枚目は閉翅。こちらは背景がちょっとゴチャゴチャし過ぎです。次は管理人初撮影の♀吸蜜シーン。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/500、-0.3EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月14日、8時28分

 ルリマダラ類は♂♀判定が結構難しいものです。ここでは前後のコマで撮影した飛翔シーン等から総合判断して♀としています。通常タテハチョウでは前翅外縁部の直線性は♂の方が直線的で、♀は丸みを帯びるものです。但し、Euploea属は逆で、♂の方が丸みを帯びる傾向にあります。↑でアップした♂♀吸蜜シーンを見比べると、前翅外縁部の直線性の微妙な差異がお分かり頂けると思います。最後は管理人初撮影のルリマダラ(Euploea sylvestor swinhoei)。
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D71K-34VR、ISO=400、F8-1/400、-0.3EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月13日、8時52分
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=200、F8-1/640、-0.3EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月13日、8時53分

 ♀の吸蜜シーンと飛翔シーンです。この子はサイズがホリシャより一回りデカいので、すぐに別種と気が付きました。それと比較的高所を飛ぶ傾向があって、なかなか射程に降りてきません。恐らく♂も飛んでいたと思いますが、撮影できませんでした。♂前翅表には二本の性標があって、一本しかないホリシャ♂と区別可能とされています。早いとこ♂も撮りたいものです。

 今回遠征で目撃・撮影したマダラチョウ亜科の種をまとめます。学名で亜種未記載のものは名義タイプ亜種。黄色着色種は管理人の初撮影種。赤色着色種は目撃のみ。
【マダラチョウ亜科】全7種
(1)ウスコモンマダラ(Tirumala limniace )
(2)タイワンアサギマダラ(Parantica swinhoei)
(3)リュウキュウアサギマダラ(Ideopsis similis)
(4)ツマムラサキマダラ(Euploea mulciber barsine)
(5)ホリシャルリマダラ(E. tulliolus koxinga)
(6)ルリマダラ(E. sylvestor swinhoei)
(7)オオゴマダラ(Idea leuconoe clara)

<次回へ続く>
by fanseab | 2015-11-29 23:40 | | Comments(4)
Commented by Sippo5655 at 2015-11-30 22:03
ホリシャルリマダラって、、
初めて知りました。
こんな子もいるんですね!
日本の昆虫館にこの子いましたっけ??

ツマムラサキマダラは某昆虫館から何らかの理由で
外に出て、外で吸蜜しているところに出くわしたことがありました^^;
そんな出会いでも、ドキドキしたものです。
それにしても出会った蝶を、出会うだけでも大変でしょうに
撮影はさらに大変でしょうに・・・
こうして、わかりやすく載せて下さって、ほんと凄いです!
Commented by fanseab at 2015-12-01 21:29 x
Sippo5655さん、ホリシャは日本の蝶園にはいないと思います。
食草管理・累代飼育ノウハウがツマムラサキマダラほど
明確になっていないのと、日本国内に確実に生息しているルリマダラ類として
教育的意味を込めて「外国の蝶」を飼育・展示しない方針もあるのでしょう。
でもその基準からするとカバタテハ辺りは土着しているか明確ではないし、
一般客から見て綺麗な蝶ではないので、本来は展示しなくても良いような気がします。
Commented by at 2015-12-29 16:39 x
ホリシャ(マサキ)はそもそも餌が日本にないので、飼育できないんですよね。
今回の(1)~(7)だと、ウスコモンとホリシャ以外は(飛んできてさえくれれば)日本でも飼育できます。
Commented by fanseab at 2015-12-29 20:35 x
中さん、いつも貴重なコメントを有難うございます。
確かにそうなのですね。クワ科で代用食になる植物が日本国内では
調達できないのであれば仕方ないのかな?
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