探蝶逍遥記

台湾台東縣遠征記(3)アゲハチョウ科その1

 先ずはアゲハチョウ科。今回はGraphium属には殆ど成果なし。アオスジ以外はコモンタイマイとミカドを各々1回目撃しただけ。発生の谷間だったのかもしれません。その代りPapilio属にはそれなりの成果が出ました。最初は知本森林遊樂區で撮影したシロオビアゲハ(Papilio polytes)♂。

+++画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34VR、ISO=100、F11-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月12日・7時57分

 吸蜜源はキョウチクトウ属でしょうか。それなりに長時間吸蜜しておりましたが、やや露出不足気味で出来はイマイチですね。シロオビアゲハのような普通種は意外と完品に出会うチャンスがありません。偶に撮ろうと身構えると必ずボロ個体が登場します。今回は綺麗な個体でチャンスだったのに・・・。次はクロアゲハ(P.protenor)♂。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=500、F11-1/500、-0.3EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月13日・12時20分

 こちらは温泉近くの林道で撮影。お昼時の吸水タイムにやって来た個体です。右前翅内縁が捲られたような羽化不全状態。連射していたら丁度ポンピングの瞬間を捉えることができました。尾端から出ている水滴を確認しやすいよう少しトリミングしております。3番目に登場するのはシロオビモンキアゲハ(P.nephelus chaonulus)。今回は比較的多数の個体に恵まれたこともあり、遠征中成果の上がった種の一つになりました。最初は♂の吸水場面。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=500、F10-1/320、-0.3EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月14日・12時42分

 羽化直に近い鮮度で、これもポンピングの瞬間を捉えることが出来ました。シロオビモンキの最大の特徴は後翅裏面外縁部弦月紋が黄色いこと。モンキ(P.helenus)は通常赤色です。この画像を撮影後、前翅に散りばめられている金色鱗粉の美しさにハッとさせられました。特に前翅中室内を走る複数の金色条線には溜息が出てしまいます。Achillides亜属が示す螺鈿細工のような金青緑色鱗粉もゴージャスな装いで魅惑的ですが、シロオビモンキの金色鱗粉も甲乙付けがたい美しさだと思います。この金色鱗粉をより明確に表現するため上方から見込んだ絵も撮りました。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=500、F10-1/320、-0.3EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月14日・12時46分

 この金色鱗粉はモンキアゲハにもあるのですけど、これまで国内でモンキアゲハとじっくり向き合っていなかったので、その存在に気が付いておりませんでした。吸水シーンを広角でも撮影。
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GX7-Z12、ISO=200、F14-1/50、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月14日・12時57分

 左奥で吸水しているのはタイワンルリモンアゲハ(P.hermosanus)です(※1)。次いで飛翔。
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GX7-Z12、ISO=500、F4-1/2500、撮影月日・時刻:5月14日・13時01分

 今回はノンストロボで、40コマ/秒の高速連射で撮影。この手法は手軽ですけど、ストロボ未使用のため、なんかノッペリとした絵になってしまいますね。最後は求愛飛翔。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=640、F4-1/4000、-0.3EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月14日・11時58分
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=640、F4-1/4000、-0.3EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月14日・11時58分

 最初は♂(1コマ目中央下)が先導し、これに♀(同中央上)が追随するパターン。1コマ目の後、♀が♂を追い越し、今度は♂(2コマ目中央下)が♀(同上)を追跡していきます。結局1分弱求愛飛翔が続きましたが、愛は成就せず。毎度お馴染みのパターンです。
<次回へ続く>

※1従来はP.parisの亜種扱いでしたが、ここでは宇野氏の総説(※2)を参考に台湾固有の独立種として扱います。
※2 宇野彰, 2013. 1986年以降に発表された台湾産蝶類に係わる文献目録および追加された新知見(1), やどりが239:33-41.
by fanseab | 2015-10-23 23:02 | | Comments(2)
Commented by Sippo5655 at 2015-10-24 21:01
思わず自分の撮影したモンキアゲハと、見比べてしまいました^^;
色違いなんですね。
金粉、、本当に美しいですね!
こちらもモンキアゲハの画像をいろいろと見てみました。
後翅裏側にはたしかにありました!
モンキアゲハはほとんど吸蜜ばかり撮っているのと
じっとしていないので、ここまでクリアに表現できている写真がありません;_;
Commented by fanseab at 2015-10-25 21:46 x
Sippo5655さん、モンキは♂の吸水シーン以外は動きが激しいので、
なかなか鱗粉の美しさを把握する画像を撮るのが難しいですね。
黒系アゲハ後翅裏面の弦月紋はやはり赤色がいいですね。
シロオビモンキの黄色紋はなんとなくインパクトに欠けるのですよ。
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