探蝶逍遥記

ミドリヒョウモンの産卵行動など(10月中旬)

 前回オオウラギンスジヒョウモン産卵シーン撮影の絶好のチャンスを逸し、悔しい思いをしました。この時期、母蝶は恐らく里山の谷戸を転々と漂流しながら産んでいくはずで、同一ポイントを再訪しても再会できる確率は限りなくゼロに近いでしょう。それでもダメ元で横浜市内の里山公園を再度彷徨ってみました。予想通り、オオウラギンスジは坊主。現地到着した10時半過ぎから盛んに産卵していたのはツマグロヒョウモンの♀。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34VR、ISO=200、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時17分

 この日は午前中から快晴・無風のコンディションで、多数のツマグロ♀が膨大な数の卵を産み付けておりました。個体数が多いのでこんなシーンも。
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D71K-34VR、ISO=200、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時13分

 ジョロウグモも生きるのに必死。獲物には事欠かない様子でした。前回確認できなかったミドリ、メスグロ♀もこの日は姿を現しました。但し両種共にツマグロよりは活動開始時刻が遅く、ミドリ♀は11時過ぎになってようやく樹上から舞い降り、地上で開翅日光浴しておりました。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時09分

 ミドリヒョウモンの産卵がスタートしたのは12時20分過ぎ。これが産卵木の全景。
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TG4@7.3mm、ISO=100、F11-1/40、-1.0EV、撮影時刻:12時30分

 幹直径25cm程度のコナラで、南向きの陽当たりの良い場所にあります。母蝶はコナラの根元付近に舞い降り、根元から徐々に樹肌を伝い樹皮への産卵を繰り返し、高さ70cmほどまで到達すると、一旦幹から離れ、再度低い位置に舞い降りて産卵を継続していきます。
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D71K-34VR、ISO=200、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時24分
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D71K-34VR、ISO=200、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時26分

 産卵行動を観察していると、次の2パターンがあることに気が付きます。
(A)腹端を樹肌に付けるが、直ぐに飛び立つ「産卵場所吟味行動」。
(B)腹端を樹肌に2-3秒間付けて静止する「産卵行動」。

 ↑にアップした2画像は共に行動パターン(B)を撮影したもの。産卵終了後、行動(B)に相当する全コマをモニター確認し、樹肌模様と睨めっこしながら、産まれたはずの部位を特定し、卵を探索しますが、全く発見できません。これにはガッカリでした。
 以前、メスグロヒョウモンの産卵シーン撮影でも同様の経験があり、行動(B)でも実際には卵を産んでいない「空打ち」を確認しております。正確に統計を取っていませんが、メスグロの場合、100発中90%以上は「空打ち」であることを確認しています。ミドリの場合、どの程度の「空打ち」があるのか?もう少し調査が必要です。  
 今回の観察ではミドリ♀が、コナラの樹肌にある空洞部(小さな樹洞)に好んで産み付けているような気がしました。卵に直射日光が当たる部位を意図的に回避しているようにも思えます。
 母蝶は数分間連続して産卵行動を取った後、開翅日光浴、もしくはアザミで長時間吸蜜しておりました。
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D71K-34VR、ISO=200、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時27分
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D71K-34VR、ISO=200、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時28分

 アザミでの吸蜜時間は30分にも及び、その後、母蝶は先ほどのコナラには戻らず姿を消しました。産卵行動後の休息時間をツマグロと比較してみると、ミドリのほうが遥かに長時間取っておりました。
 なお、ミドリ♀がアザミ吸蜜しているすぐ隣ではメスグロ♀も吸蜜しておりましたが、メスグロは結局14時頃まで産卵挙動を全く示さず、ガッカリでした。最高の産卵日和と思われた天候にも拘らず、産卵行動のトリガーが入らないのは何故だろうと疑問に思いながら現地を後にしました。
by fanseab | 2015-10-14 23:13 | | Comments(2)
Commented by banyan10 at 2015-10-15 10:05
僕が何度か撮影している場所では高い確率でオオウラギンスジの産卵が観察できるので、良い場所が見つかれば特定の場所で撮影できると思います。埼玉まで来るなら情報は提供できます。(^^;
僕の場合は卵を探すのが得意でないので、実際に産卵していても見つからないことが多いかと思っていますが、メスグロでそれだけ確率が低いと見つけるのは難しいですね。
Commented by fanseab at 2015-10-16 21:39 x
BANYANさん、良い場所らしいですね。確かに埼玉まで足を延ばすか迷うところです(笑)
メスグロの場合、樹木の相当高い場所(5m以上)まで登って産卵していくので、
記事中に書いた確率はあくまで観察可能な目線の高さまででの統計です。でも、
偽産卵が多いことは事実です。ミドリはよくコケ類に産むようですが、コケなら
黄色の卵が良く目立って探索が楽なように思います。
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