探蝶逍遥記

コジャノメの飼育メモ

 この夏の暑さは異常で、遠征する気力も萎えてしまうほどです。そんなこんなで拙ブログも長期夏休みを取らせて頂いておりました(^^;
 さて、再開最初の記事は本年5月末に採卵したコジャノメの飼育メモです。産卵関係記事こちら(外部リンク)。

 今回はチヂミザサ葉裏に付いていた2卵を飼育に供しました。全ステージ、与えた食草は全てチヂミザサです。因みにチヂミザサは拙宅の狭い庭の日陰に雑草として茂っているので、ホスト調達の苦労は全くなし。5月27日に孵化。孵化翌日の初齢幼虫です。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-85VR(トリミング+2コマ深度合成)、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月28日

 体長4.5mm。初齢の食痕も示します。
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D71K-85VR、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月28日

 葉の縁に平行に食い進んでいきます。31日に2齢へ。
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D71K-85VR(トリミング+上段3コマ/下段2コマ深度合成)、ISO=100、F13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:6月3日

 体長は10mm。全身緑色から一変してやや褐色を帯びた体色になりました。腹端から背線部に延びる赤褐色のラインが目立ちます。これは終齢まで保持されるコジャノメ幼虫の特徴です。Mycalesis属中齢幼虫で「腹端から背線部に赤褐色のラインが延びる」特徴を有するものとしては、
キレバヒトツメジャノメ:M.zonata(mucianus?)
コヒトツメジャノメ:M.sangaica
があり、一方、我が国の南西諸島に棲む
リュウキュウヒメジャノメ:M.madjicosa
はヒメジャノメ同様、赤褐色ラインは出現しません。
 さて、6月4日に3齢に到達。
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D71K-85VR(トリミング+上段3コマ/下段2コマ深度合成)、ISO=100、F13-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:6月7日

 体長15mm。全体の特徴は2齢と同じ。ただ、尾端突起が長くなり、やや遠目から眺めると、頭部と尾端が区別し難くなります。一種の擬態効果を狙っているのでしょうか? 6月9日に4齢へ。
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D71K-85VR(トリミング+2コマ深度合成)、ISO=100、F11-1/250、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:6月12日

 体長21mm。全体に褐色が優り、メタボ体型になってきました。また腹節を斜交する条紋が目立ちます。ここで同属のヒメジャノメ4齢幼虫と形状の比較をしておきましょう。
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ヒメジャノメは昨年10月撮影分

 4齢到達後の経過日数が各々異なるので、厳密な比較ができませんが、体型・体色は全く異なることが一目瞭然です。4齢幼虫の食痕も示します。
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D71K-85VR、ISO=200、F10-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:6月12日

 チヂミザサの葉軸をほぼ垂直に食い切る特徴があります。これは野外で亜終齢および終齢幼虫を探索する時の良きヒントになるものと思われます。6月14日に眠、翌15日に終齢(5齢)に到達しました。
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D71K-85VR(トリミング+上段3コマ/下段2コマ深度合成)、ISO=200、F13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:6月18日

 体長28mm。メタボ体型が保持され体色が完全に褐色に変化。全般にNeope属(キマダラヒカゲ)終齢幼虫を彷彿とさせる性状です。23日に前蛹へ。
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D71K-85VR(トリミング+3コマ深度合成)、ISO=100、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:6月23日

 体長14mm。面白いことに体色が褐色から淡緑色に変化しました。翌24日に蛹化。
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D71K-85VR(トリミング+左4コマ/右3コマ深度合成)、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:6月25日

 体長14mm。体色は淡緑色。腹部が明るく、4対の小斑点が目立ちます。ここで同属のヒメジャノメ蛹と形状差異を確認しておきましょう。
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ヒメジャノメは昨年10月撮影分

 形状差が明白で、幼虫同様、蛹もコジャノメは遥かにメタボ体型です。懸垂器の色が両者で異なるのも面白いですね。蛹化6日目の6月30日に翅部分が白化し始め、その後、前翅表眼状紋が確認できるようになりました。羽化前日の姿です。
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D71K-85VR(トリミング+3コマ深度合成)、ISO=100、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:7月2日

 そして7月3日、無事♂が羽化しました。
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D71K-85VR、ISO=100、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:7月3日

 いつも通り、羽化の瞬間には立ち会えずガッカリ(^^; 外縁から縁毛にかけての模様がとっても綺麗!
 さて、飼育した別個体は6月27日に蛹化。7月6日に♀が羽化しました。
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D71K-85VR、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:7月6日

 「一姫・二太郎・・・」ではなく、「一太郎・二姫」と産み分け?に成功し、満足しております。この際、♀羽化の瞬間は目撃できましたが、撮影できず、蛹殻から抜け出した後、翅を伸ばす経過を何とか観察できました。
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D71K-85VR、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:7月6日

 羽化後、5分でほぼ完全に翅が伸びております。羽化直後の瑞々しい表情は種を問わず、素晴らしい眺めだと思います。さて、偶々飼育した個体が♂♀だったので、蛹形状の比較もしておきましょう。
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 成虫同様、♂に比較して♀の腹部が大きいこと、更に翅形差(♀前翅の外縁が♂に比較してより丸みを帯びる点)も確認できます。最後に幼虫各ステージ頭部の変化をまとめてみました。
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 猫顔として一番可愛いのは3齢でしょうかね。終齢は鬚も白くなった老猫かな?全般に顔の地色が黒いので、ヒメジャノメに比較すると可愛さはイマイチかもしれません。ヒメジャノメ同様、飼育は全般に楽な部類だと思いました。
by fanseab | 2015-08-14 21:18 | | Comments(2)
Commented by Sippo5655 at 2015-08-15 22:05
しばらく更新がなかったので、心配しておりました~
本当、この夏の暑さは尋常ではなかったですよね。
コジャノメ!!
うわわ、この幼虫がこんなに成長して、
一体どの過程で、この目玉模様が作られるのでしょうか!?
驚きと感動でいっぱいですっ
Commented by fanseab at 2015-08-16 21:53 x
Sippo5655さん、ご心配をかけたようですみません。
ようやく暑さが和らいで一息ついております。
緑色の蛹の体内で、蛇の目パターンがどのように形成されるのか?
本当に不思議ですね。幼虫から蛹への変身も凄いですが、やはり
蛹から蝶への変身が最大の見ものだと思います。
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