探蝶逍遥記

台湾宜蘭縣遠征記(12)ドクチョウ亜科

 最初は初撮影のホソチョウ(Acraea issoria formosana)。5月28日は正午過ぎからガスがかかってきて小雨が降り始めました。少し標高を上げてポイントを探索するも本降りとなり、仕方なく下る途中、雨が小休止したので、林道脇の傾斜地に駐車して様子を伺っていると、フワフワと飛ぶ褐色の蝶がおりました。これが初対面のホソチョウでした。まるでマダラチョウのように中々止まらず、イライラしながら少し前方を見ると何と交尾ペアが止まっておりました。

+++縦位置画像はクリックで拡大されます+++
f0090680_2158175.jpg
D71K-34、ISO=200、F10-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時29分(5月28日)

 左が♂だと思います。♀はどうやっても頭部が葉陰になってしまうので、これが精一杯の構図です。♀のすぐ隣に結構派手な模様の蛹殻があって、羽化直に♂に襲われたのでしょう。このペアの近くを探索すると蛹(および蛹殻)を数頭発見できました。
f0090680_21582127.jpg
D71K-34(トリミング)、ISO=400、F11-1/160、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時31分(5月28日)

 翅部分が橙色を帯びており、どうやら羽化が近い個体と思われましたので、この子をお持ちかえりすることにしました。日本に棲むドクチョウ亜科の代表はヒョウモン類ですけど、ホソチョウの蛹形状はヒョウモン類蛹とは似ても似つかぬ風体で、むしろタテハチョウ亜科のMelitaea属の蛹に類似している点が興味深い点です。
 蛹は車内に放置しておいたのですが、翌朝には既に車内で羽化しており、羽化シーンは目撃できず。仕方なく車外へ移動させて記念撮影。♀でした。
f0090680_21584236.jpg
GX7-Z60、ISO=400、F10-1/30、-1.0EV、撮影時刻:8時14分(5月29日)
f0090680_21585069.jpg
GX7-Z60、ISO=500、F8-1/60、-1.0EV、撮影時刻:8時18分(5月29日)

 こうして見ると、本当に和名通り、翅が細長いですね。それと腹部は無毛でParnassiusのようにでっぷりと太っております。首には赤い襟巻がある独特の風貌。ホソチョウは東南アジアに広く分布しておりますが、分布が局地的なこともあって、管理人はこれまで出会うチャンスがありませんでした。もっとも本種は正直食指が動く風貌ではないので、敢えて必死に探して撮ろうとは思わなかったことも事実です。元来アフリカで大繁栄を遂げている仲間でして、同大陸のホソチョウ族は200種以上が記録されております。サバンナのような高温乾燥地域を好み、多量の降雨がある熱帯雨林地帯は避ける傾向にあるため、東南アジアではArcaea属はわずか4種しかおりません。♂♀判定が難しい種ですが、次回は♂の撮影が宿題となります。
 お次はお馴染みのタイワンキマダラ(Cupha erymanthis)。
f0090680_2159324.jpg
D71K-34(トリミング)、ISO=500、F10-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時24分(5月30日)

 普通種ですが、今回遠征ではこの時限り。海老トラップにやって来た♂個体です。「台湾」を和名に冠した画像コレクションが一つ増加したのは嬉しいのですが、後ろ向きで酷い絵です。実はこの子の隣に結構珍品が吸汁しており、そちらの撮影に本腰を入れたので、タイワンキマダラ画像はやっつけ仕事になってしまった・・・とでも言い訳をしておきましょう(^^; <次回へ続く>
by fanseab | 2015-02-12 23:08 | | Comments(2)
Commented by otto-N at 2015-02-13 20:02 x
ホソチョウは観光で行ったアフリカとマレーシアで遭遇しましたが、見かけはまるで小型のマダラチョウでした。
分類的にはヒョウモン類に近いのが意外ですが(幼虫の形態によって分類されたとありました)、チョウトンボに似たあの独特の飛び方はヒョウモンの原型と思われないこともありません。
ホソチョウは確かに食指が動く風貌ではありませんね。
ところで、D71K-34の「34」とは、300ミリ、F4の略称でしょうか。一度、お聞きしようと思っていました。
Commented by fanseab at 2015-02-13 21:05 x
otto-Nさん、アフリカはホソチョウの天国ですから、嫌でも目撃されるのでしょうね。でも真面目に撮影し始めたら、恐らく同定に難儀することでしょう。なにせ、200種以上いるのですからね。
「34」はご明察の通りです。本ブログおよび本体HPの機材表記は全て略称表記しており、略称詳細は本体HP「東南アジアの蝶ファン倶楽部」の『はじめに』にある機材説明詳細をご覧下さい。
名前
URL
画像認証
削除用パスワード