探蝶逍遥記

台湾宜蘭縣遠征記(4)ミカド&アオスジアゲハ

 渓谷に吸水にやって来るアゲハ類の中で最も個体数が多かったのがミカドアゲハ(Graphium doson postianus)でした。先ずはその吸水集団。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34、ISO=200、F11-1/800、-1.0EV、撮影時刻:10時09分(5月30日)
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D71K-34(トリミング)、ISO=400、F11-1/800、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時30分(5月31日)

 1枚目が画面内で15頭、2枚目で同じく19頭集まっております。最大で30頭位集まりますが、撮影のちょっとした刺激で直ぐに集団が散ってしまいますので、大集団のボリューム感を表現するのは意外と難しいものです。特に超広角での撮影は厳しく、渓谷を背景に写す作戦はことごとく失敗に終わりました(^^; 2枚の画像共に、アオスジアゲハ(G.sarpedon connectens)が混じっており、1枚目は左端にコモンマダラ(Tirumala septentrionis)が入り込んでおります。3種共に黒褐色地にブルーの斑紋を持つ共通点を有しており、類似斑紋の蝶同士が集合・吸水する行動は興味深いですね。
 このような吸水集団が形成されると、1頭を丁寧に写すことがついつい疎かになります。後から振り返ると、ミカドを個別に写した画像があまりにも少ないことに愕然としました。そんな中から一枚をアップしましょう。
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D71K-34(トリミング)、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時27分(5月29日)

 シャッタースピードを意図的に遅くして、前翅にブレを与え、動感を表現してみました。お次は飛翔。一番楽なのが、吸水集団撮影中に飛び上がる個体を捉える方法。
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D71K-34(トリミング)、ISO=500、F8-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:8時40分(6月1日)

 安直ですので、撮影していてもあまり面白みがありません。次はオーソドックスに高速飛行中の個体を置きピンで捉える方法。
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D71K-34(トリミング)、ISO=500、F8-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:8時35分(6月1日)
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D71K-34(トリミング)、ISO=500、F8-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:8時35分(6月1日)

 一枚目は今回撮影した飛翔画像の中では一番のお気に入り。浮遊感とスピード感が最も出てくれました。2枚目は渓流の玉ボケを背景に狙った絵。ほぼ狙い通りに作画できましたが、肝心のミカドがピンボケでした(^^; 超広角飛翔にもチャレンジ。しかし、極めて歩留り悪く、見られるのはこの1コマだけ。
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GX7-10.5(トリミング)、ISO=640、F4相当-1/3200、撮影時刻:9時04分(5月30日)

 毎度お決まりの「ジャスピン画像画面端の法則」に嵌っております(^^;
 次いで日本でもお馴染みのGraphium、アオスジアゲハ。個体数は全般にミカドより少なかったですね。先ずは単独画像を丁寧に撮影。
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D71K-34、ISO=800、F11-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:11時29分(5月29日)

 日本国内本土産(ssp. nipponum)に比較して青緑色が鮮やかで、とてもカラフルに感じますね。河原で朝方から観察していると、早くから集団を形成するのはミカドで、やや時間差を置いて遅れてからアオスジが集団を形成していく感じです。もちろん、両者が混ざる混群集団も観察できますが、概ね、両者の吸水集団は時間差で棲み分けしているようにも思えます。アオスジの飛翔も狙ってみました。ここでも渓流スレスレを飛ぶアウトプットイメージを意図するのですけど、中々思い通りには行きません。
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D71K-34(トリミング)、ISO=640、F10-1/4000、-1.0EV、撮影時刻:7時31分(6月1日)
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D71K-34(トリミング)、ISO=640、F8-1/4000、-1.0EV、撮影時刻:7時35分(6月1日)

 1枚目は画面右端に水流があり、もうちょい遅いタイミングでジャスピンになれば・・・と思うコマ。2枚目は地面スレスレに飛ぶ雰囲気は出せましたが、残念ながら後ろ向き。まぁ、アオスジの躍動感は出せたかな。

 参考までにミカドアゲハの吸水集団を超広角で撮影した動画をご覧下さい。動画を拙ブログにアップするのは初体験。ハイビジョンモードで撮影しておりますので、youtube視聴の際は、できれば画質レベルを「720p HD」もしくは最高画質「1080p HD」に設定してご覧下さい(※本記事最下段参照)。


 動画撮影に不慣れなもので、大変見苦しい点はご容赦下さい。ある一定距離以上接近すると完璧に集団が散ってしまうので、これが限界でした。なお、コモンマダラも1頭登場します。渓流の音に混じって、日本のハルゼミに似た賑やかな蝉の声も入り込んでおります。

 実はアオスジ、ミカド以外のGraphiumとして最も期待したのが、有尾のタイワンタイマイ(G.cloanthus kuge)。しかし、全く登場せず、いささかガッカリしました。またコモンタイマイ(G.agamemnon )の姿も確認できませんでした。タイワンタイマイ、コモンタイマイも多化性のGraphium故、発生時期がミカドやアオスジと微妙に異なっていたのかもしれません。見方を変えれば、ミカドは発生(第1化?)のピークだったように思います。<次回へ続く>

※youtube画面右下の歯車マークをクリックして、画質を選択。光回線以外だとダウンロードにちょっと時間がかかるかもしれません。
by fanseab | 2015-01-16 22:40 | | Comments(2)
Commented by himeoo27 at 2015-01-17 17:17
ミカドアゲハ&アオスジアゲハの集団吸水
素晴らしいですね!
まず未撮のミカドアゲハを写してみたいで
す。
Commented by fanseab at 2015-01-17 20:28 x
himeooさん、ミカドの集団吸水は日本だと、八重山群島にまで足を延ばさないと観察できないかもしれませんね。他の蝶があまり来てくれなかったこともあって、「仕方なく」ミカドやアオスジを撮っていたのが実態です。それでも集団がパーッと飛び散る様子は何度見ても迫力ありましたよ。
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