探蝶逍遥記

台湾宜蘭縣遠征記(3)アサクラアゲハ

 お待たせいたしました。今回からようやく蝶が登場します。この遠征記では時系列ではなく、科別のご紹介方式を取ります。先ずはアゲハチョウ科。トップバッターは春先限定で飛ぶGraphium(亜属Pazala)の代表種、アサクラアゲハ(Graphium eurous asakurae)。実は本種はあまり期待していなかった蝶です。標高にもよりますが、概ね4月下旬~5月上旬が最盛期で、訪問した5月下旬頃は既に発生が終わっていると勝手に思い込んでいたのです。フトオアゲハ狙いで渓谷の底で粘って待機している際、ギフに似て跳ねるように飛ぶ本種を見つけて、大興奮いたしました。先ずは半逆光での吸水シーン。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
f0090680_21265740.jpg
D71K-34、ISO=400、F11-1/800、-0.7EV、撮影時刻:9時56分(5月30日)

 右隣はお馴染みのミカドアゲハ(Graphium doson postianus)。「オナガタイマイ」類の名に恥じぬ尾状突起の長さが特徴ですが、全般に汚損しており、右後翅尾状突起は途中で折れています。それでも薄緑色を帯びたベージュ色は本当に気品がある美しさですね。この後、吸水場所を替えた所で順光での撮影を期待したのですが、何とも難しい場所に入り込んで管理人を困らせました。
f0090680_21274048.jpg
D71K-34、ISO=200、F11-1/800、-1.0EV、撮影時刻:10時00分(5月30日)

 丁度V字谷の底に舞い降りた按配で、レンズを翅に平行に向けると体が泥に隠れてしまいます。ここで面白いことを発見。 このアゲハの脚の色にご注目あれ! 翅の地色と同じ淡い翡翠色をしているのです! アサクラアゲハのような佳蝶に相応しい隠れたお洒落と言えましょう。またパルピ(下唇鬚)や翅の付根部分には白い花粉が沢山付いています。恐らく吸水に訪れる前に白い花粉に塗れるように一生懸命に吸蜜していたのでしょう。今度は正面方向から狙ってみました。
f0090680_212837.jpg
D71K-34、ISO=200、F11-1/800、-1.0EV、撮影時刻:10時01分(5月30日)

 何ともややこしい位置で吸水している様子がご理解頂けると思います。脚を目一杯拡げて踏ん張って吸水している姿が微笑ましいですね。この後、飛翔を狙ってみたのですが、本種はどこかに飛び去って行きました。5日間の滞在中、アサクラを目撃・撮影できたのは5月30日のみで、大変ラッキーだったのかもしれません。この蝶を本格的に撮影するには、やはり5月初旬頃がベストなのでしょう。因みに春先限定で飛ぶもう一つの珍品、モクセイアゲハ(G.timur mullah chungianus)は観察できず。恐らく本種は更に早い季節に飛ぶのだと思います。なにはともあれ、出発前には殆ど期待していなかったアサクラアゲハに会えて、とても得をした気分になりました。<次回へ続く>
by fanseab | 2015-01-13 21:30 | | Comments(2)
Commented by khaoyai_m2 at 2015-01-14 20:42
こんにちは!
アサクラアゲハ、良いですね。
タイの北部に居るようなので、
今年の目標にしています。
去年行きましたが、天気が悪くて出逢えませんでした。
Commented by fanseab at 2015-01-14 23:26 x
カオヤイさん、そちらだと、2-3月頃でしょうかね。ドイ・インタノンあたりにいるのかな?
結構珍品のようですが、ご武運をお祈りしております。
名前
URL
画像認証
削除用パスワード