探蝶逍遥記

ヒメジャノメの産卵行動を探る(9月下旬)

 先にご紹介したヒカゲチョウと同時期に発生するヒメジャノメ第2化品の産卵行動も追跡してみました。同種の産卵シーンは2年前、撮影に成功(外部リンクしており、その時の画像を再掲載します。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D7K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/80、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:15時08分(2012年9月30日)

 腹端も写っておらず酷い葉被り。再撮影の必要性を強く意識しました。当時、ヒカゲチョウ産卵シーン撮影のついでに撮影できたので、今回も楽勝かと翅算用しておりましたが、実際はムチャ苦戦しまして、結局、再撮影は失敗に終わりました。
 当初、↑でご紹介した画像の撮影時刻が15時08分でしたので、14時から17時頃にかけて♀の挙動を追跡しました。その結果、産卵挙動を計4回目撃し、その時間は、下記の通りでした。
①14時10分頃
②15時頃
③15時30分
④15時58分
 このうち、①②はホスト探索行動の後、結局産卵未遂。③はイネ科以外への葉裏への誤産卵。④はホストであるイネ科草本(エノコログサもしくはオヒシバ)への正常産卵でした。これを見ると14時~16時頃に♀を見張っておればすぐに産卵シーンが観察可能なようにも思えますが、実態はそうではなく、殆どの時間帯は葉上で休止しております。
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D71K-85VR、ISO=500、F11-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:16時25分

 曇天時はこの時間帯でも全く活動は無く、晴天時においても葉陰で間欠開翅日光浴状態を取り、産卵シーンへの移行は相当長時間を要しています。待機に我慢できず、暫く別個体を追跡した後、先ほどの静止場所に戻ってみると飛び去っていることもありますので、なかなか産卵行動を観察するチャンスがないのです。しかも一旦、産卵モードに入っても地上スレスレの草間をせわしなく飛行するものの、食草性状の選好性は相当神経質で、なかなか産んでくれません。この間、活発に活動しているヒカゲチョウ♂に追跡される邪魔が入ることも多くイライラさせられます。同じ時間帯に産卵するヒカゲチョウが、比較的サッササッサと産んでいくのとは対照的です。また午前中、および16時を過ぎると再度完全休息モードに入ると思われます。
 それでも上記④の事例では産卵シーン撮影には失敗したものの、運よく卵を発見・撮影することができました。
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D71K-85VR、ISO=400、F11-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:16時53分

 地上スレスレにあるホストの葉裏に産み付けられておりました。卵の超拡大撮影は2年前にも実施しておりますが、その際は前玉外し系でお手軽に撮影しておりましたので、今回真面目にミラーレスシステムで再撮影してみました。
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GX7-P1442-P14R(トリミング+4コマ深度合成)、ISO=200、F16-1/250、内蔵ストロボ(トリガー信号のみ)+外部ストロボスレーブ2灯、撮影時刻:10時02分

 球体を上下から軽く押しつぶしたような形状で、直径1mm、高さ0.83mm。表面は多角形の網目模様で覆われています。急冷してヒビを意図的に入れたガラス茶碗のような風情がありますね。表面全体の網目模様をもう少し上手に表現する照明法の工夫が必要だったと反省しております。なお、今回撮影した卵はお持ち帰りし、飼育に供しております。無事幼虫越冬できると良いのですが。
 さて、♀を追跡する過程で裏面白帯が軽く乱れた斑紋異常個体に遭遇しました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=500、F11-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:16時22分

 漣が立つように白帯が乱れております。無理に和名を付ければ「サザナミシロオビヒメジャノメ」でしょうか? 意外にも苦戦した本種産卵シーン再撮影、来シーズンへどうやら持越しになりそうです。
by fanseab | 2014-10-02 23:28 | | Comments(4)
Commented by ダンダラ at 2014-10-03 19:35 x
見事なヒメジャノメの卵写真ですね。
表面にはこんな微細な模様があるのですね。
独自の境地を開きつつあるようで、同じ趣味を持つものとして応援したくなります。
Commented by yoda-1 at 2014-10-04 17:36
ヒメジャノメの卵は、ヒメウラナミジャノメに少し近い色合いなのですね。来季はその辺の観察機会があることを熱望しています。
孵化前の卵の接写も是非お願いします。
Commented by fanseab at 2014-10-05 10:36 x
ダンダラさん、コメント有難うございます。
表面がツルツル状態の卵は超拡大撮影でも結構
難易度が高いんですよ。ゼフやタテハチョウの複雑な表面構造美が面白くて超拡大撮影に嵌ってしまいました。
Commented by fanseab at 2014-10-05 10:39 x
yoda-1さん、仰る通り色合い、風合いはヒメウラナミジャノメに似ていますね。思った以上に産卵シーン撮影に苦労しました。産卵場面そのものはヒメウラナミジャノメの方が観察しやすいですね。ただ同種は草地の根際に潜り込むので、撮影は相当厳しいですね。
孵化前の接写は撮影を失念いたしました(^^;
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