探蝶逍遥記

ホシミスジの産卵(9月中旬)

 今年7月、信州のコヒョウモンモドキ探索の過程でホシミスジ交尾などを撮影しておりましたが、産卵シーンは課題として残っておりました。9月に入ってから撮影できるポイントも限定されてきますので、拙宅から車で30分ほどにある東京都のポイントを訪問しました。ここは2009年に初めて発生が確認されており、管理人も昨年冷やかしで訪れてみたのですが、坊主でして、今回がリベンジマッチとなります。なお、当地のホシミスジは亜種setoensis(※)とされ、ホストのユキヤナギ(Spiraea thunbergii)の植栽に伴い導入された移入種とされております。
 Neptis属の産卵行動は基本午前中ですので、現地には10時着。ユキヤナギ群落を探りますが、影も形もありません。それでは蛹殻はどうだろう?・・・と株の根際を探すも、これまた坊主。時期的には第3化が発生しているはずなのに、時期を外してしまったのだろうかと不安になりました。そこで、ちょっと諦めムードで別の場所を探索すると、コミスジよりはやや大き目のNeptisを発見。待望のホシミスジ♀でした。しかも丁度産卵行動の真っ最中だったので、慌ててカメラをセット!最初は前脚連打行動中の画像。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34(トリミング)、ISO=500、F11-1/640、-0.7EV、撮影時刻:10時37分40秒

 産卵していたのはユキヤナギではなく、同じツモツケ属のシジミバナ(S. prunifolia)でした。矢印#1が母蝶の前脚、矢印#2がこの後、産んだ葉です。次に産卵の瞬間。
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D71K-34、ISO=500、F11-1/640、-0.7EV、撮影時刻:10時37分48秒

 翅を全開して産卵するのはNeptis属に共通するスタイルです。産卵を数回すると、おきまりの全開翅日光浴です。
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D71K-34、ISO=100、F11-1/640、-0.7EV、撮影時刻:10時44分

 腹端と卵の同時写し込みを画策するも、地上高20cm程度の低い株の葉裏に産み付けるので、そんな理想的な絵を撮らせてくれません。↑は日当たりの良い単独株への産卵ですが、株が集中している場所では木蔭の茂みがお気に入りのようで、撮影に一苦労。
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D71K-34、ISO=500、F11-1/320、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:11時00分

 このアングルからだと腹端が曲がっているので、何とか産卵シーンと確認できますが、単なる開翅日光浴と似た格好なので、シャッタータイミングを計るのが難しいのです。それでは横方向から狙うぞ・・・と思っても、葉被りで、これまた上手く行きません。おまけにこの日は外部ストロボを自宅に置き忘れて来る失態をやらかし、撮影条件が限定されて四苦八苦(^^; 何とか横向きでゲットしたのが、次のショット。
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D71K-34、ISO=500、F11-1/320、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:11時05分

 この場面でもこれ以上カメラアングルを低くできない状況でした。それでも産卵→日光浴→産卵→日光浴・・・と連続的に産卵行動を繰り返すのでシャッターチャンスそのものは比較的多くて助かりました。再度単独株で腹端が写るアングルでチャレンジ。
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D71K-34、ISO=500、F11-1/640、-0.7EV、撮影時刻:11時09分

 これは産卵直前のシーンで、この後、葉が気に入らなかったのか?産卵はしてくれず、腹端と卵の同時写し込みには失敗しました。↑のようにシジミバナのほぼ先端部にある葉に産み付ける傾向があり、目撃した事例では全て葉裏に産卵しており、葉表産卵はありませんでした。産卵状況です。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/320、-1.0EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:12時11分

 2卵を自宅にお持ち帰りし、卵の拡大像は自宅で撮影。
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GX7-P1442-P14R(トリミング+上段4コマ/下段5コマ深度合成)、ISO=200、F16-1/250、内蔵ストロボ(トリガー信号のみ)+外部ストロボスレーブ2灯、撮影時刻:21時24分

 最大直径0.86mm、高さ0.99mm。形状全体の雰囲気は色づく前のイチゴを連想させます。タテハチョウ亜科のような縦条隆起は無く、表面全体に6角形の網目構造があり、網目の中が凹んだ形状。網目の交点から伸びる毛状突起が目立ちます。コミスジなど他のNeptis属卵との詳細比較は来シーズン以降の課題です。

※福田晴男,2012.日本産ホシミスジの現状と課題Ⅱ.やどりが(233):16-34
 福田氏によれば、本ポイントのホシミスジは「瀬戸内亜種・近畿低地型」に分類される。
by fanseab | 2014-09-18 21:25 | | Comments(2)
Commented by clossiana at 2014-09-19 16:45
先日ですがこの種が年1化の場所で若齢幼虫探しをしたのですが全く見つけられませんでした。そこではシモツケを食べているのですが辺りがシモツケだらけだったことが苦戦の理由の一つでした。やはり産卵シーンを目撃しないと難しいと思いました。
又葉表に産卵するのだと思い込んでいましたが葉裏にも産卵するのですね。勉強になりました。
Commented by fanseab at 2014-09-19 21:32 x
clossianaさん、幼虫探索は仰る通り、ゴマンとある食草から食痕目当てに探すので、骨が折れますね。やはり越冬巣を見つけて、越冬後直ぐに撮影するのが楽でしょう。シモツケはどうか知りませんが、恐らくユキヤナギでも葉裏に産卵する個体が多いのかもしれないと思っております。葉の面積が小さいので、バランスを取るため、葉裏に腹端を付ける方を好むのではないか?と。もちろん確認が必要です。
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