探蝶逍遥記

2014年度キリシマ探索

 今から7年前の関西在住時、鈴鹿山脈で初めてキリシマミドリシジミを観察して以来、このシジミの虜になってしまいました。♀の産卵シーン撮影については、昨年夏、鈴鹿で♀が群居する好ポイントを見出し、ある程度尻尾を掴む段階(外部リンク)まで追い込みましたが、産卵現場に出会えず、リベンジマッチの季節がやって参りました。結論から先に述べると今年も産卵シーン撮影は惨敗。以下、その奮戦記です。

 先ずは7月下旬、蝶友より、静岡県の新規ポイントをご教示頂き、その状況確認をしてきました。合計3ポイントを巡りましたが、この時は悪天候で♂のテリ張り飛翔も確認できず、結局叩きだしで1♂1♀を確認するのみでした。この日は毎年通っているマイポイントも訪問。いつも必ず♀が飛び出すご神木を5株ほど叩くも、坊主。昨年とは状況が全く異なり不作の予感が・・・。更に♂がテリ張りをするアカガシ大木を見てガックリ。何と向かって左側、株上部が消失し樹相が激変しておりました。察するに、本年2月8日~9日に関東地方を襲った豪雪の影響で、雪の重みに耐えきれず、メインの枝が裂けて落下したものと思われます。そのポイントへ行く道中、同じようにゴッソリ枝が裂かれているアカガシを数株目撃しました。大雪の影響はともかく、静岡ポイントでの個体数が例年より少ないと判断し、産卵シーン撮影は鈴鹿に賭けることにしました。

 さて、昨年の経験から、鈴鹿での産卵シーン撮影には少し時期を早めたお盆の時期を選択。直前に襲った台風11号の影響が心配されました。花崗岩質の山塊である鈴鹿山脈は豪雨で土砂崩れが発生しやすく、林道へのアクセスが寸断されることがしばしば発生します。現地に行くまでは不安でしたけれど、何とか昨年のポイントまでは無事到着。一泊二日の日程初日は生憎の悪天候。午前中の雨がようやく上がった正午頃に現地で調査開始。しかし、昨年10X20mの一角に♀が群居していたポイントに、全く♀の姿がありません。その奥地にあるアカガシ高木を叩き出すも、ここには♂も♀も全く姿なし。飛び出したのはヤンマ類とクロヒカゲのみ。アカガシの休眠芽の状況は昨年とそれほど変化無く、試しに20個ほどの休眠芽をチェックするも越冬卵が付いておりません。どうやら鈴鹿も不作の年であることを悟りました。翌日は少し天気が回復して、午前10時から産卵タイムの正午前後まで粘るも、結局♀の姿はなし。休眠芽チェックをこの日は根性入れて100個ほどチェックしましたが、坊主。隔年毎に盛衰が激しいとされるキリシマの個体数変動を今回、改めて再認識する結果となりました。
 なお、2日目は高木を飛翔する3♂を確認できました。画像がないのも寂しいので、例によってムチャクチャトリミングした♂画像を貼っておきましょう。

+++画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34(トリミング)、ISO=800、F5.6-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:10時44分
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D71K-34(トリミング)、ISO=1250、F4-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:10時45分
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D71K-34(トリミング)、ISO=1250、F4-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:10時47分

 最初はテリ張りしている♂と思いましたが、ピクセル等倍に拡大してみると、黄色いストローを出してアカガシ葉上を舐めております。恐らくキジラミの分泌物等を吸汁しているのでしょう。ご覧のように徐々に開翅し、全開しても同じように舐めております。3枚目の画像では微かに黄色いストローが伸びていることを確認できます。この個体は直ぐ近くで2♂の空中戦が仕掛けられた時、平然と葉上に残っておりました。当初余生をのんびり楽しむ「御隠居老人」かと思っておりましたが、どうやら吸汁に夢中で相手のことなど眼中になかったようです。その後、このテリポイントすぐ下の葉上に別個体の♂が止まりました。
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D71K-34(トリミング)、ISO=1250、F4-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:11時04分

 こちらはストローが伸びておらず、通常のテリ張り監視活動と思われます。なお撤収直前に小さなアカガシ株を覗きこむと、1頭のシジミが葉から葉へ縫うように飛んでおります。どうせムラサキシジミだろうと思って、チェックすると何と!結構鮮度の良いキリシマの♂。2m程の至近距離で撮影する絶好のチャンスでしたが、無情にもこの時カメラはリュックの中(^^; 慌てて取り出しレンズを向けた時には♂の姿は消えておりました。概ね撮影の準備をしていない時に絶好のシャッターチャンスが訪れるものです。撤収時の最後までカメラを肌身離さず準備しておくことが大事ですね。
 結局、今年もキリシマ産卵シーン撮影は叶いませんでした。もちろん難易度が高いほどチャレンジ魂が湧いてきます。また来夏、リベンジを期したいと思います。

 なお、今回の鈴鹿探索で嬉しい副産物がありました。これについては別途ご紹介いたしましょう。
by fanseab | 2014-08-16 20:38 | | Comments(4)
Commented by Sippo5655 at 2014-08-16 21:43
リベンジ叶わず・・・
本当に残念でしたね・・
でも、挑む行動力すごい。
きっと、想いは天高く、通じていることでしょう。
この夏はとにかく天候不安定の連続で、
こんな夏・・・今まであったっけ?という感触です
暑さとかより、湿度がめちゃくちゃ高い><
Commented by himeoo27 at 2014-08-17 07:57
まだ見ぬあの独特の模様を持つ
「キリシマミドリシジミ雌」の産卵行動
撮影、ロマンを掻き立てられます。
達成出来ると良いですね!
Commented by fanseab at 2014-08-17 21:49 x
Sippo5655さん、激励コメント有難うございます。
やはり同じ産卵シーン撮影でもモンシロチョウや
アゲハチョウとは異なり難易度が別次元に高いです。
年一回発生の蝶は全て難しいですが、樹木に
産み付ける種は総じて難易度が高いですね。
そう、天候も重要な要素で、人間様と異なり、蝶が
好む湿度や温度をよく理解できていないのも
撮影を難しくしている点です。
Commented by fanseab at 2014-08-17 21:51 x
himeooさん、仰る通り、キリシマ♀裏面の模様は
魅力的です。産卵行動を写す前提として母蝶を
見つけなければならないのですが、今回は母蝶の
姿すら見いだせず、ガッカリでした。これに懲りずに
挑戦を続けたいと思います。
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