探蝶逍遥記

アサマシジミの産卵行動を探る(7月上旬)

 巷で「ブルー三兄弟」と言われるPlebejus属3種、ヒメ、ミヤマ、アサマシジミについて一昨年より越冬卵の撮影等に注力してきました。昨年はヒメ(外部リンクミヤマ(外部リンクの母蝶を追跡し、産卵シーン撮影に何とか成功。
 そこで、今年は残るアサマについてトライすることにしました。今回は例年観察を行っているナンテンハギ食いの山梨県産ではなく、エビラフジ食いの長野県産でチャレンジしてみることにしました。ヒメとミヤマの産卵時間帯の実績を踏まえ、現地には13時に到着し、15時40分頃まで粘ってみました。しかし、結論から言えば産卵シーンに出会えずガッカリでした。このポイントはヒメとアサマが混棲しているため、♀を先ず識別した上でエビラフジに執着する個体を追跡してきました。最初に追跡したのはエビラフジで吸蜜していた個体(下記画像上の個体)。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-85VR、ISO=500、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時14分

 吸蜜が終わるとフワリと飛んでエビラフジやその他の葉上で開翅休息します。
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D71K-85VR、ISO=400、F11-1/400、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時38分

 いつ産卵行動のトリガーがかかるのか?全く読めないまま時間が過ぎていきました。もちろん、この個体のみ監視していたのでは効率が悪いので、全部で3-4個体ほど監視対象に含めましたが、いずれも吸蜜に熱心で当てが外れました(^^; この日は蒸し暑く産卵には最適と思われたのですが、時間帯が少し違う(例えば午前11時頃にピークがある?)のか、雲量が少な目の日を選ぶのか?今後の検討課題です。

 ♀の産卵行動追跡の合間にエビラフジの茎をチェックし、卵の確認をしました。先ず直ぐに地上高さ13cmほどにある2卵を発見。
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TG2@18mm-gy8、ISO=800、F18-1/100、内蔵ストロボ、撮影時刻:14時02分

 すぐ脇の株からは根際に4卵産み付けられておりました。
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TG2@18mm、ISO=1600、F14-1/100、内蔵ストロボ、撮影時刻:14時44分

 更にエビラフジの株周辺のスギ枯葉上にも数卵産み付けられておりました。
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TG2@18mm、ISO=1250、F14-1/100、内蔵ストロボ、撮影時刻:14時44分

 ホストとは直接関係のない枯葉等に産み付ける習性はヒメやミヤマに共通するのですね。これらの卵を確認したエビラフジの株は林道脇の陽射しの良い環境にあり、アサマ母蝶にとって大変好ましい場所だったらしく、この株周辺だけで15卵ほど卵を確認できました。一番最初にご紹介した茎上2卵の一つを先ずはTG2で超拡大撮影。
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TG2@18mm、ISO=800、F14-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:13時59分

 オリンパスから最近発売されたLEDライトガイド「LG-1」を改造し、内蔵ストロボの光も回るようにしてみました。これまでは自作ディフューザーで光拡散を実施しておりましたが、やはりリングライト状に光を回すと、自然光照明に近いエエ感じに仕上がりました。次いで、ミラーレスでの超拡大システムでの撮影。
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GX7-P1442@42mm-P14R(トリミング+2コマ深度合成)、ISO=800、F14-1/200、内蔵ストロボ+LEDライト、撮影時刻:14時31~36分

 現地でスレーブストロボが故障した影響で、照明が不自然になったのと、相変わらず深度合成が不調で仕上がりは悪いです(^^; 卵直径0.83mm、高さ0.33mm。小枝の分岐に産み付けられた卵も撮りました。
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GX7-P1442@42mm-P14R(トリミング+3コマ深度合成)、ISO=800、F14-1/200、内蔵ストロボ+LEDライト、撮影時刻:14時31~36分

 やはり産卵後時間経過の少ない卵の表面構造は大変綺麗です。しかし、できれば産卵直後の翡翠色を呈した卵を撮りたいものです。今回は♀産卵をメインにしたため、♂を楽しむには時期がもちろん遅かったのですが、ヒメシジミと吸蜜に集う♂(左端の個体)も参考までにご紹介しておきましょう。
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D71K-85VR、ISO=500、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時15分

 ブルー部分の拡がりはさほどではない個体ですね。ヒメとの体格差が良くわかる画像になりました。また、このポイントに腐るほど群れていたヒメシジミ♀については、ヨモギの枯葉に産卵する場面に出会いました。
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D71K-85VR、ISO=400、F10-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時27分

 但し疑似産卵行動だったようで、卵は確認できませんでした。なお、このポイントでキバネセセリ♀との嬉しい出会いもありました。
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D71K-85VR、ISO=400、F11-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時24分

 キバネの♀についてはこれまでまともな画像がなかったので思わずニンマリしてしまいました。アサマの産卵については高標高地でまだチャンスがあるかもしれませんが、基本、来シーズンの課題にしたいと思います。アサマの発生時期は梅雨と重なり、♀産卵シーンのような場面を狙うには大変難しい対象であると再認識しました。次回はこのポイントを訪れる直前に観察したヒメシロチョウの産卵シーンについてご紹介したいと思います。
※今回の遠征ではいつもお世話になっているkさんより多くのアドバイスを頂きました。改めて御礼申し上げます。
by fanseab | 2014-07-08 23:39 | | Comments(6)
Commented by clossiana at 2014-07-09 08:01
ヒメシジミとの混生地で先ずアサマの♀を見極めて、それを追跡するってところがプロっぽいですね。さすがです。産卵シーンは残念でしたが、それでも卵を見事に撮られていて、これもさすがです。
ヒメシジミと同じ花での♂の吸蜜シーンもすごいなと思いました。
Commented by kmkurobe at 2014-07-09 17:26 x
お疲れ様でした。
数年前蒸し暑い朝方に同地で産卵を撮影したことがありました。
Commented by Sippo5655 at 2014-07-09 21:56
同じアサマシジミでも産地によって食草が異なるのですね・・・
卵の美しさ、本当素晴らしいですね!
やはり、和菓子にしたい♪
産卵するおかあさんの、必死のお顔にぐっときちゃいました。
Commented by fanseab at 2014-07-09 21:59 x
clossianaさん、従来観察していた山梨はヒメとの混棲地ではないので、今回はえらく苦労したと言うか、混乱いたしました。卵探索はすでにナンテンハギで越冬卵探索経験があったので、ヤマ勘が働き、容易に発見できました。ゼフ越冬卵と同じで、経験が物を言う世界みたいですね。ヒメと呉越同舟の吸蜜シーンは混棲地ならではの光景だと思います。
Commented by fanseab at 2014-07-09 22:01 x
kmkurobeさん、色々とお世話になりました。
確か、2年前だったか貴ブログで産卵シーンを拝見したと思います。朝方に産卵ですか?できれば正確な時間帯をご教示頂ければと思います。
Commented by fanseab at 2014-07-09 22:05 x
Sippo5655さん、アサマの食草って、どこにでもありそうで、意外と分布は限られていますね。それがこのシジミを絶滅危惧種に追いやっている面があります。成虫も綺麗ですが、食草の花弁はいずれも紫色がとっても綺麗で、食草の花弁で吸蜜するシーンは絵になるものです。ブルー3兄弟の卵は拡大すると本当に綺麗ですね。
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