探蝶逍遥記

キマダラセセリの産卵行動を探る(6月下旬)

 管理人の拙宅近くを流れる多摩川はセセリ類が豊富です。キマダラセセリもこの流域に棲む普通種ですが、産卵場面の観察は意外と手強いのです。昨年、第2化発生時期(8月中~下旬)に♀を真面目に追跡してみました。以下、昨年夏の観察結果です。
文献(※)によれば、産卵時間帯は「午前11時30分~午後2時」と記載されております。
※福田晴夫他、1984.原色日本蝶類生態図鑑(Ⅳ).保育社、大阪.
 この図鑑の記載内容全てを信用することはできないので、念のため午前9時~夕方5時頃まで一日中♀を追いかけてみました。その結果、図鑑の記載通り、正午前後にそれらしき行動に出ることが判明しました。先ず、アズマネザサの群落表面を舐めるように飛び、時々群落内に潜り込む個体を目撃。残念ながら産卵したかどうかは確認できず。二回目は比較的明るい環境でイネ科への産卵を目撃するも、草叢の陰で、産卵場所が特定できずこれも撮影に失敗。
 そして今年。リベンジするためには第1化から追跡が必要と考え、正午前から多摩川縁をウロチョロしてみました。キマダラセセリは多摩川中流域に広く分布するセセリですが、生息場所は相当局地的です。今回調査した20mX400mのエリアでキマダラが確認できるのは僅か10X50mの一角。そのポイントの生息環境です。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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TG2@4.5mm、ISO=200、F2.8-1/1600、撮影時刻:12時04分

 段丘上にアズマネザサが生い茂った北向きの一角で、ヒメジョオンの群落があります。ヒメジョオンの周辺は特に個体密度が高く、常時10頭ほどの個体がここで観察できます。吸蜜源はそのヒメジョオンおよびこの画像では確認できませんが、丈の低いアカツメクサとなっていて、クズおよびアズマネザサ葉上が主たる休息場所です。この個体密集ポイントで♀が産卵行動をスタートさせるタイミングを待ちました。しかし、正午前後で確かにこの場を離れる個体を目撃するのですが、物凄いスピードで飛び立つこともあって行先を特定できません。逆に言えば、どうやら休息場所=産卵場所ではないことに気が付きました。そこで↑の画像の左奥方向へ移動して探索していると、怪しげな1頭の♀を発見。アズマネザサの上を飛んだ後、エノコログサと思われるイネ科に産卵しました。産卵時刻は12時40分。残念なことに、この時オートフォーカスが迷って産卵現場の撮影はできずガックリ。確か、葉先に頭部を向けたスタイルで、腹端を葉先に向ける、イチモンジセセリやミヤマチャバネセセリとは挙動が異なっておりました。産卵状況です。
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GX7-Z60、ISO=400、F10-1/320、内蔵ストロボ、撮影時刻:13時28分

 裏面の端部に産んでおり、色はほぼ白色。産卵環境もアップしておきましょう。
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TG2@4.5mm、ISO=400、F8-1/320、撮影時刻:10時38分

 黄色丸印が産んだエノコログサの位置。地上高約40cm。昨年の経験と併せてみると、日当たりの良い場所で草叢の低い位置に産みつける傾向があるように思います。結局延べ2日間♀を追跡したものの産卵行動を目撃したのは一回のみ。相当な難物です。イチモンジセセリのように、産卵モードに入ると連続的に当たり構わず産んでいくスタイルとは異なり、産卵→休止(吸蜜)→産卵のサイクルが確認し難いのです。
 産卵当日は卵の拡大撮影をしていなかったので、後日、再トライ。先ずは魚露目で産卵環境を撮影。
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TG2@18mm-gy8、ISO=800、F6.3-1/800、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時41分

 次いで拡大像。
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GX7-P1442@42mm-P14R(トリミング+2コマ深度合成)、ISO=800、F14-1/200、内蔵ストロボ(トリガー信号のみ)+スレーブ1灯+LEDライト、撮影時刻:10時55分

 直径0.92mm、高さ0.65mmのおまんじゅう型。表面に極僅かな凹凸が観察できます。色が変化して既に胚形成が始まっています。ですので産卵直後の拡大撮影を再トライしなければなりません。

 まだ第1化母蝶産卵シーン撮影のチャンスはあると思うので、もう少し粘るつもりです。それが駄目なら第2化でまたチャレンジしたいと思います。
by fanseab | 2014-06-30 22:37 | | Comments(0)
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