探蝶逍遥記

卵の超拡大撮影:軽量化作戦

 ミラーレス機活用応用編の第1報です。ゼフの越冬卵等、蝶の卵は超拡大すると、その微構造の美しさに感動を覚えるものです。そこで、拡大像の解像度を向上させるため、これまで技法の改良を進め、既に関連記事(外部リンクで手法の詳細をご紹介しました。
 しかし、唯一の欠点は装備が重く、かさばることでした。冬場のゼフ越冬卵専用撮影はともかく、夏場の撮影行で通常の撮影機材に加え、超拡大撮影システムを持参することは現実的ではありません。そこで早速、GX7を活用した超拡大システムの軽量化検討を進め、一定の成果が出ましたので、ご紹介します。

 管理人が使用している超拡大撮影システムは「スタッキング法」と称し、マスターレンズ(焦点距離:A)の先端に広角レンズ(同:B)を逆付けし、逆付け広角レンズで拡大した空中像をマスターレンズで再拡大するものです。この時、必ず、A>Bでなければなりません。A/Bの比率を増せば、拡大率が増加しますが、極端に増加すると最終像が暗くなり過ぎ、合焦が困難になります。そこで、適当なA/B比になるレンズ系の組合せが重要になります。さらに、最終像のイメージサークル(有効結像直径)がカメラの結像センサーサイズとほぼ同等になることが望まれます。これらスタッキング法にベストな組み合わせはボディ、レンズ毎に試行錯誤で探索せねばなりません。管理人は家電量販店で、様々なレンズを物色し、手持ちで逆付け撮影テストを繰り返しながら、最適組合せを探っていきました。その結果、以下の組合せを当面のベストシステムとしました。

<従来の組合せ>
D7100-ニッコール85mm F3.5VR-シグマ24mmF1.8逆付け
<ミラーレス用改良組合せ>
GX7-ルミックス14-42mmF3.5-5.6 MEGAOIS-ルミックス14mmF2.5逆付け
※通常、マスターレンズは望遠端の42mmで使用します。そこで、この組合せを拙ブログ上では、
「GX7-P1442@42mm-P14R」と略記することにします。
両組合せのサイズ比較です。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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 ミラーレス導入によるサイズ縮小効果は一目瞭然で、システム重量も2095g→815gと圧倒的に軽量化できました。最終像拡大率は両システムで異なっており、従来組合せの方が拡大率は高くなっております。そこで実際に多摩川の土手で、スイバの茎に産まれているベニシジミの卵を撮影・比較してみました。
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上段:D71K-85VR-24R(トリミング+4コマ深度合成)、ISO=200、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:15時31分(4月下旬)、下段:GX7-P1442@42mm-P14R(トリミング+4コマ深度合成)、ISO=200、F20-1/250、内蔵ストロボ+LED、撮影時刻:15時24分(4月下旬)

 両システムでの拡大率が異なるため、最終的な拡大率が一定になるよう、トリミングして比較しております。ピクセル等倍で確認すると、やはり拡大率の高い従来システムがやや優りますが、新システムでも実用上は合格レベルの像質だと結論しました。なによりコンデジよりやや重い程度の重量・サイズなので、通常機材と同居させてもそれほど邪魔にならない点が有難いです。ただ一点、問題を挙げるとGX7のマニュアルモード撮影においてボディ側の露出補正ができない欠点があります。 外光およびストロボ光双方の調光が不可欠な超拡大撮影ではマニュアルモードでの撮影が必須です。 GX7では悲しいかな、露出補正機能は「P(プログラム)」、「A(絞り優先)」「S(シャッター優先)」に限定されてしまいます。やはり総合家電メーカー開発のカメラはカメラ専業メーカー開発品に比較して痒い所に手が届かないもどかしさを感じますね。何とかファームウエアの更新で「M」モードでも露出補正が使用可能になるようお願いしたいものです。今回の組合せも暫定的なもので、より良い組合せを随時検討していきたいと思っております。

 さて、卵の拡大撮影では、産卵環境を写し取るための道具も必要で、従来はこの目的にリコーのコンデジ:GXRを使用して参りました。しかしセンサーの設計年度も古く、高感度特性も酷いので、新たにオリンパスのTough TG-2を導入いたしました。このコンデジも多くのブログ仲間の方が使用されており、卵撮影に威力を発揮していますので購入に踏み切りました。消費税が上がる前の3月末に駆け込み購入しようとして焦りました。何と、メーカーで製造中止→在庫ゼロとのこと。何とか「○azon様」にすがり、ポチッとやって、残っていた在庫品を確保したのでございます(^^; そこでTG-2での撮影結果を新超拡大システムと比較して示します。
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上段:GX7-P1442@42mm-P14R(トリミング+4コマ深度合成)、ISO=200、F20-1/250、内蔵ストロボ+LED、撮影時刻:15時24分(4月下旬) 下段:TG2@18mm(トリミング)、ISO=200、F4.9-1/640、LED、撮影時刻:15時20分(4月下旬)

 さすがにTG2では1次拡大率が小さいのでここまで拡大すると像の破綻は明白ですが、簡便なコンデジとしては素晴らしい性能だと思いました。まぁ、ここまで拡大するよりは、先ほど述べたように産卵環境を写し込むための道具として割り切って使っていこうと思っております。なお、最近、オリンパスからTG-2の後継機種、TG-3発売のニュース(今月12日発売予定)が飛び込んできました。こちらは深度合成機能まで織り込んだ優れもののようです。海野さんのアドバイスも取り入れた共同開発的製品なので、その実用性能が気になります。
by fanseab | 2014-06-03 20:51 | 機材 | Comments(4)
Commented by Sippo5655 at 2014-06-04 21:42
ひゃあ、、まるでどこかの惑星のようですね!!
これ図鑑にしてくださ~い☆
Commented by fanseab at 2014-06-04 23:58 x
Sippo5655さん、卵の拡大像は、色々な事物に見立てるのも一興ですね。お菓子だったり、概ね人工物にそっくりなものも多いです。ベニシジミの卵の表面凹凸は比較的大き目なので、虫眼鏡でも良く見えますし、100mmマクロレンズでも何とか構造が確認できます。
Commented by ごま at 2014-07-05 11:54 x
こんにちは。
卵写真の鮮明さ、驚くばかりです(^_^;)
近ごろ随分卵の写真をとってますが、これを見てしまってために悩みが増えました。
Commented by fanseab at 2014-07-05 21:28 x
ごまさん、機材ネタにコメント頂き有難うございます。
最近は概ねコンデジのTG2で卵を撮影しますが、
「気合を入れて」撮りたい場合のみ、このシステムを使います。特にシジミチョウ類はコンデジだとどうしてもディテール表現が乏しいので、煩わしさを忍んでこのシステムを使うことにしております。
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