探蝶逍遥記

クヌギの樹肌に潜む幼虫達:続編(5月下旬)

【ご注意】今回の記事にも沢山の毛虫・イモムシ画像が登場します。この手の画像がお嫌いな方は絶対に記事を読まないで下さい。仮に当該画像閲覧で読者の方が食欲不振や体調不良に陥ったとしても管理人は一切責任を負いませんので悪しからず(笑)

 前回の山梨探索から一週間経過。ウラミスジ幼虫がそろそろ蛹になっているはずなので、それを主目的に再出撃です。先ず現場に急行して縦溝を見てみると・・・・。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-85VR、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時56分

 アララ、蛻の殻(矢印先が前回観察時の静止位置)! 近くを隈なく捜索するも発見できません。蛹化場所として相応しくないと判断したのか、クヌギから離れて枯葉にでも潜って蛹化したのでしょう。確実視していた蛹画像が撮れずにガックリです。これは越冬卵を採卵して飼育してみなければなりませんね。同じクヌギをフト見上げるとタテハの前蛹がぶら下がっておりました。
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D71K-85VR、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時49分

 ヒオドシチョウの前蛹でした。ヒオドシは丁度一斉に前蛹の時期を迎えたらしく多くの箇所で前蛹を観察することができました。こちらは針葉樹の枝にぶら下がった個体。
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D71K-34、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時03分

 赤い腹脚が印象的です。この個体が群居していたエノキはこの枝から約7mほど離れた場所にあり、10m程度の距離は彷徨い歩いて蛹化場所を決定するのでしょう。別のクヌギにはテングチョウの蛹が垂下しておりました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時13分

 このクヌギの少なくとも半径5m以内にはエノキの株が全くなく、テング老熟幼虫も結構歩くケースが多いようです。エノキに垂蛹になった場合は保護色になる蛹の色彩も、クヌギの樹肌に付くと目立って仕方ないですね。
 ウラミスジの蛹撮影が叶わなかったので、悪あがきで再度、クロミドリ幼虫の探索も実施。しかし、既に時遅しなのか、今回も坊主でした。殆どの終齢幼虫は既に前蛹か、蛹化してしまったと納得することにしました。で、今回もじっくりクヌギの樹皮を観察したため、前回同様、多くの鱗翅類幼虫を見出しました。前回ご紹介しなかったイモムシ・毛虫を総ざらいご紹介しましょう。なお、クヌギの縦溝に潜む幼虫が多いため、画像は必然的に縦構図になってしまいます。なので、一部画像を回転させて掲載しておりますので、ご了解下さい。
 最初はマダラマルハヒロズコガ(Gaphara conspersa)。
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TG2@13.5mm(トリミング)、ISO=800、F13-1/80、内蔵ストロボ、撮影時刻:12時24分

 瓢箪型をした物体は実は幼虫の「隠れ蓑」でして、幼虫はこの中に隠れております。以前、キマダラルリツバメの母蝶が産卵木としそうな桜古木の樹皮に本種の「隠れ蓑」を見出したことがあります。蟻の幼虫などを捕食するようです。お次はシラホシコヤガ(Enispa bimaculata)。
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TG2@18mm、ISO=800、F14-1/100、内蔵ストロボ、撮影時刻:12時39分
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TG2@15.4mm、ISO=800、F13-1/80、内蔵ストロボ、撮影時刻:12時40分

 地衣類を身にまとっているため、動くまでは全くその存在に気が付きません。以前から一度観察してみたかった擬態の名手だったので、目の前で苔が動いた時は感激いたしました。二枚目の画像をボンヤリ見ていてもどこに幼虫がいるか分かりませんよね!
 三番バッターはオビカレハ(Malacosoma neustrium)。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F3.8-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:13時46分

 この子の色調はかなり個体変異があるようです。4番バッターは小生も一番嫌いなタイプ(^^;
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D71K-85VR、ISO=400、F11-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:13時50分

 マイマイガ(Lymatria dispar)です。中胸~第4腹節背面にある瘤隆起がブルーでして、瘤が全て赤色になると、やや珍品のオオヤママイマイ(L.lucescens)なのだそうです。でも珍品と言われても、この種の手合いはちっとも見たくはありません(^^) 
 5-6番手は同定できない2種。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/320、外部ストロボ、撮影時刻:13時39分
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/200、外部ストロボ、撮影時刻:13時40分

 5番手はカレハガの仲間のような気もします。いずれもかなり特徴的な色彩をしておりますが、検索には掛りませんでした。どなたかご存知ないでしょうか?
 最後は幼虫ではなく、甲虫。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時01分

 アカハネムシの一種(Pseudopyrochoroa sp.)。有毒のベニボタルに擬態している甲虫で、普通種の割には生態が解明されていないとされております。
 今回もじっくりクヌギと睨めっこしたお蔭で色々な蟲達に出会うことができました。偶にはこんな撮影行も面白いと感じた次第。
by fanseab | 2014-05-26 22:45 | | Comments(6)
Commented by MatsuHimeji at 2014-05-27 20:06
シラホシコヤガの幼虫の擬態、すばらしいですね!
地衣類の着いた樹木は街中でも見かけますが、
見ていても見えてないってことが大いにありそうです。
この蛾は自然豊かな山梨の奥などに出撃しなくても、
人里の神社とかでも見つけられるチャンスはあるでしょうか?
Commented by fanseab at 2014-05-27 21:31 x
Matsuhimejiさん、本当は地衣類のド真ん中にいる姿を撮影したかったのですよ。動き方は尺取り虫と一緒の独特なものなんで、一旦動き出せば、すぐに存在がバレバレになってしまいます。擬態の素晴らしい昆虫は何もボルネオまで足を伸ばさすとも観察できることを痛感させられました。残念ながら最後の質問事項には蛾屋さんでないと答えられませんが、一度トライされたら如何でしょうか?
Commented at 2014-05-29 22:16
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by banyan10 at 2014-05-30 21:13
ウラミスジ残念でしたね。そのまま蛹化すると思いましたが、思い通りにはいきませんね。
週末にクロミの前蛹が蛹化しているのを見に行こうと思っていますが、少し不安になってきました。(^^;
シラホシコヤガはすごいですね。
Commented by fanseab at 2014-05-30 22:31 x
鍵コメさん、小生も普段はスルーして撮影もしない仲間達を真面目にリストアップしました。同じクヌギを餌にする蛾の幼虫が如何に多数存在するか思い知らされたのでした。
Commented by fanseab at 2014-05-30 22:41 x
BANYANさん、いくら何でも前蛹になった後は動かないでしょうね。無くなるリスクはせいぜいサシガメなどの吸血?昆虫にやられる位かな?クロミは苔そのものに擬態していると言うよりは、苔のある周辺環境全体を真似ている感じですね。その一方、シラホシコヤガは直球勝負のスタイルと言えます。
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