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探蝶逍遥記

初夏に発生するCatocala (5月中旬)

 管理人は某鱗翅学会にも所属しておりますが、基本的に蝶を嗜好しており、蛾は種類が多すぎて敬遠気味のスタンスです。ただスズメガ、アオシャク、キシタバの仲間は時々レンズを向けております。今回はそのキシタバの話題。キシタバ類はその属名「カトカラ(Catocala)」として親しまれており、もちろん蛾屋さんの中でもファンが多い種群です。管理人もそれほど知識は持ち合わせておりませんが、その昔、山梨・韮崎で夜間オオクワガタ探索をした際、ヘッドランプに照らされた樹液に集う、ベニシタバ(C. electa)の美しさに見惚れたことがあります。今回、近所の里山公園をお散歩撮影していた時、ふと、コナラの枝先を見ると、蛾の羽化シーンに出会いました。調べてみると、アサマキシタバ(C.streckeri)。カトカラとしては一番早く発生する種のようです。羽化シーンの連続カットです。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
初夏に発生するCatocala (5月中旬)_f0090680_22213297.jpg
D71K-34(トリミング)、ISO=400、F11-1/250~320、-0.7/-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時47分~12時08分

 蝶と同じく、翅の伸びるスピードは速いです。僅か15分ほどで完全に翅が伸びきりました。↑の(c)時点は蝶と同じ閉翅ポーズを取っておりましたが、すぐに(d)のような表翅を屋根型に開く蛾独特のスタイルに変化しました。キシタバの特徴は後翅表に出ますが、その特徴は(c)からも良く伺えます。大型セセリを彷彿とさせる姿は格好エエと思います。ダンダラ模様の縁毛も、自称「縁毛フェチ」の管理人を痺れさせてくれますね。さて、羽化がほぼ完了した場面を魚露目でも撮影。
初夏に発生するCatocala (5月中旬)_f0090680_22214265.jpg
TG2@18mm-gy8、ISO=800、F18-1/100、内蔵ストロボ、撮影時刻:12時07分

 羽化個体頭部のやや上にコナラの葉を粗末に綴った繭があり、その中に黒い蛹殻が隠れておりました。また周囲のコナラの葉には特徴的な幼虫の食痕が残っております。
 蝶・蛾を問わず、飼育以外で羽化途中の場面に出会うことはそう多くはありません。とてもラッキーだと思い、今回きちんと撮影をしてみました。
by fanseab | 2014-05-24 22:22 | | Comments(2)
Commented by 6422j-nozomu2 at 2014-05-25 07:52
蛾の羽化シーンに出会われましたか。ラッキーですね。私も、蛾は種類が多すぎるのと、地味な種類が多いので、深みにははまりませんが、大型美麗種は大好きです。それとフユシャクと。
掲載された蛾はなかなか美麗ですね。この仲間は後翅表にビックリするほど綺麗な武器を隠し持っていますね。
Commented by fanseab at 2014-05-25 22:38 x
ノゾピーさん、蛾の話題にコメント頂き恐れ入ります。
そう、大型美麗種もいいですね。海外だとそんな
タイプに惹かれてしまいます。
仰る通り、カトカラの魅力は前翅の地味っぽさと対照的な後翅表の鮮やかさ、そのコントラストの妙でしょうね。
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