探蝶逍遥記

和歌山のクロツバメシジミ(5月上旬)

 ゴールデンウイークの最終盤は久しぶりに和歌山県でクロツ探索。全部で5箇所のポイント(各々A,B,C.D,Eと表記)で確認を行いました。最初にAポイントへ。ここは数年前に新たに発生が確認された場所。ツメレンゲの状況はまあまあですが、成虫が飛んでおりません。ヤマトシジミも飛んでいないので、低温の影響でしょうか?未発生かどうかはイマイチ不明確です。次いでB,Cポイントへ。ここは古民家の屋根瓦に着生したツメレンゲが発生環境になっております。前日の雨の影響か、気温が低く、ここでも観察に失敗。古民家の屋根瓦も最新の瓦に葺き替えられたり、更地になったりで、環境は悪化していることは事実ですが、消滅したかはわかりません。次いでDポイントへ。ここは10年前に訪問した超有名ポイント。ツメレンゲの状態はさほど悪化しておりませんが、ここでも蝶影なし。4戦4敗だと流石に焦ってきます。願掛けをしながら最後のEポイントへ向かいます。お昼過ぎから気温がようやく上昇してきて期待が持てます。こちらの願いが通じたのか、やっと1頭の♀が登場。結局1時間以上みっちり探索して2♀を確認。ここも状況は厳しい感じ。しかもここは放蝶の疑いのある場所なので、少し複雑な気持ちで撮影を実施。先ずは開翅。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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GX7-Z60、ISO=400、F6.3-1/640、-0.7EV、撮影時刻:12時55分

 縁毛も揃った綺麗な個体です。少し接近して横向きで撮影。
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GX7-Z60、ISO=200、F6.3-1/320、-0.7EV、撮影時刻:12時58分

 遠目には完品に見えてもドアップにすると、小さな傷が目立つのが、クロツ撮影の難しさですね。続いて丁度満開になっていたタイトゴメの黄色い花をバックに撮影。
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GX7-Z60、ISO=400、F3.5-1/125、+0.3EV、撮影時刻:13時19分

 ズイコーマクロのボケ味を活かして、開放気味で狙ってみました。意図通りの絵が得られて満足しております。続いて産卵。
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GX7-Z60(トリミング)、ISO=400、F8-1/500、-0.7EV、撮影時刻:12時28分
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GX7-Z60(トリミング)、ISO=400、F7.1-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:12時37分

 崖地なので、頭上のツメレンゲ方向に腕を伸ばし、液晶画面を遠く眺めながらの厳しい撮影状況でした。急傾斜の環境だけにリスクを冒しての卵の確認・拡大撮影は中止。
 冒頭、「ここは放蝶の疑いあり」と述べましたが、同じ和歌山県産の移植なら、まぁ、許されるかもしれません。そこで、Eポイントから比較的距離の近いDポイントで、管理人が2004年に撮影した個体と裏面の斑点比較を行ってみました。
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 管理人はクロツの地域毎の斑紋特徴(広義の亜種、shojiiの地域個体群毎の変異)にそれほど詳しくはありませんが、この3個体を見る限り斑紋の特徴はまずまず一致していて、仮にEポイント撮影品が放蝶由来個体だとしても和歌山県内からの移植品の可能性が高いのかもしれません。

 海沿いの長閑な街並みを歩きながらのクロツ探索は、心を穏やかにしてくれました。
by fanseab | 2014-05-12 23:25 | | Comments(4)
Commented by Sippo5655 at 2014-05-13 22:38
この蝶も環境悪化で、減っているのでしょうか・・・
悲しいことですね。
ツメレンゲに産卵するシーン
なぜか、海中のサンゴのような
そんな風合いが滲み・・・
ほんわりとした郷愁に包まれました。
こうして撮影されたのも 想いと執念の結果ではないでしょうか。
Commented by naoggio at 2014-05-14 16:17 x
和歌山県のクロツ、だいぶ厳しい状況になってきたみたいですね。
5の1とは・・・
でも願掛けが功を奏して本当に良かったですね。
どの写真も春らしい感じが出ていて素敵です。
和歌山全体のクロツが危機的であるなら、近隣からの移植もやむなしでしょうか。
Commented by fanseab at 2014-05-14 22:38 x
Sippo5655さん、クロツは食草さえあれば、民家の小さな石垣でも累代発生可能な逞しい蝶です。ただ食草の存亡は人為的な要素で大いに変動するのが悩みでしょうか?海岸沿いの断崖絶壁あたりなら、問題ないのですが、道路沿いの崖地だとコンクリート補強されたりすると、一巻の終わりになります。
仰る通り、ツメレンゲの若葉は赤くて珊瑚を
連想させますね。
Commented by fanseab at 2014-05-14 22:43 x
naoggioさん、ちょっとご無沙汰しております。
和歌山県全体の存亡を語るには小生は知識も経験もありません。ただ、どこも一緒で、民家の屋根瓦に依存するケースは厳しい状況に違いはありません。
また、「このポイントにはいない」ことの不在証明は大変労力のかかる作業でして、丹念な探索をすれば勝率は1/5より高かったかもです。
瀬戸内海の島々では保護活動の一環としてツメレンゲを学校の庭に移植したり自然観察授業に組み入れてたりしておりますね。こうした活動も地域個体群をきちんと把握したものであれば歓迎されるべきでしょう。
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