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探蝶逍遥記

初めてのミラーレス

 管理人も最近、寄る年波?の影響か、首から下げるデジ一の重さが気になり始めております。主力機種としてワーキングディスタンスが長くて便利な300mmレンズを多用し、かつ、手振れ防止のためストロボを多用するため、一眼ボディ+レンズ+外部ストロボを装着した合計重量は2.5kgにもなります。首や肩が凝って当然ですね。国内はもとより海外遠征では、航空機内に持ち込む重量制限の関係からも、この重さ(容量)は悩みの種でした。
 解決手段として小さくて軽いミラーレス導入を当然考えていたのですが、様々な機種に目移りして導入を見送ってきました。ところが最近、身近なブログ仲間の方も相次いでミラーレス、特にマイクロフォーサーズ(以下MFT)機を導入される方が増え、記事で拝見するMFT撮影画像の画質も素晴らしいので、管理人も重量苦から逃れるため、この度、パナソニック社製MFT、GX7を導入いたしました。中望遠マクロを装着した状態で、現在の主力機D7100とサイズの比較をしてみました。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
初めてのミラーレス_f0090680_22274771.jpg
TG-2で撮影

 ミラーボックスが無い分、本当にボディが薄く、コンデジの感覚で持ち運びできます。

(1)GX7購入の理由
 現在、ブログ仲間の多くの方がオリンパス製OM-D E-M1を使用されています。防塵防滴仕様でかつ5軸手振れ補正は大変魅力的です。しかし、OM-Dシリーズ発売当初から家電量販店頭でカメラを手にした時、グリップに違和感を覚えました。右手にしっとりと馴染まないのです。理由は簡単で銀塩時代のOMシリーズのデザインに固執しており、右手グリップ部分が多角形状のため、右手から滑り落ちるような不安感が拭えないのです。左手部分の感触も同様で、構えた時の安定感に欠けるものでした。一方、パナソニック社のGHシリーズは発売当初から、手に馴染むグリップ形状で好感を持てましたが、いかんせん、デジ一とさほど変わらない容量のため、またボディ内手振れ補正機構がないこともあって、これも購入を見送ってきました。ところが昨年9月に登場したGX7は何より右手グリップがしっくり来るし、電子ビューファインダー(以下EVFと略)もアングル変更可能、更には待望のボディ内手振れ補正機構もついたので、即購入としました。更には近い将来使用予定のフルハイビジョン動画記録においても60fps(毎秒60フレームでの記録可能)の仕様も魅力的でした。

(2)GX7の使用感
 まだフィールド投入後、一ケ月が経過しただけですが、使用感を述べてみたいと思います。
①解像感
 一言で言えば、現在メイン機種にしているAPS-Cデジ一よりは劣り、MFTをメイン機種に据えることはできません。現状ではあくまで「サブ機種」的扱いです。最初に神奈川でギフを撮影した際、パソコン上でRAW画像を見た時は結構綺麗だな?と思いました。しかしピクセル等倍レベルまで拡大すると、精細度に差があることがわかりガッカリしました。もちろん、ブログ等のWeb上で公開する程度の画像サイズであれば有意差が出ないでしょう。公表されているセンサー仕様から割り出したGX-7のセンサー面積当たり画素数は70386画素/mm2。一方、現在管理人の主力機としているD7100は64378画素/mm2。数値から見れば、GX7がより精細度に勝る画像を叩き出すはずですが、そうではありません。ローパスフィルター有無も含め、解像度の優劣支配因子は複雑なのですね。また、これまで使用してきたリコー社コンデジ:GX-Rと比較すると解像度は圧倒的にGX7の勝ちです。
②ティルト機構付EVF
 地面スレスレにボディを置いての撮影に威力を発揮することを期待しております。ただ広角レンズでEVFを垂直に立ててトライしたところ、順光条件では管理人の頭の影が撮影対象に被ってしまうので、望遠マクロ用として有用と思われます。広角撮影では、EVF同様ティルト可能な液晶モニターを活用すべきなのでしょう。また、フィールドで無理な態勢を強いられることの多い、卵の超拡大撮影時にEVFのティルト機構が役に立つものと期待しております。一つ問題なのは、折角のティルト機構が外部ストロボを装着すると死んでしまうこと。下図をご覧下さい。
初めてのミラーレス_f0090680_22281199.jpg
TG-2で撮影

 EVF、外部ストロボ装着用ホットシュー、それに内蔵ストロボはご覧のようにほぼ隙間が無いほど高密度実装がされております。この影響で、外部ストロボを装着すると、同ストロボのロック用ネジが干渉してEVFを可動できません。EVFティルト状態でのストロボ光照射は、内蔵ストロボの使用が前提になります。試しに卵の接写で複数回内蔵ストロボをトライしたのですが、電池の消耗が著しく実用的ではありませんでした。裏ワザとして、内蔵ストロボを発光させず、トリガー用信号(赤外光)のみ発光させて、外部ストロボをスレーブ発光させるしか手はなさそうです。GX7のボディを僅か5mm拡大すれば、EVFとホットシューの間隔が拡がり、外部ストロボとEVFの干渉は避けられたはずです。GX7の設計開発者は恐らく外部ストロボの使用経験の無い方だったのでしょうね。
③連射機能
 フォーカルプレーンシャッター使用時はたかだか5コマ/秒で、D7100の6コマ/秒にも劣ります。しかし、ミラーレス機の特徴である、電子シャッターを使用すると、事情は一変します。何と最大40コマ/秒での連射が可能です(画質はJPEG、持続時間は2秒に制限される)。メカシャッターでの連射音はよく「バシャバシャ・・・」と比喩されますが、40コマ/秒撮影時はボディが「ガーッ」と唸り声を上げるイメージです。新潟で60mmマクロレンズを用いて40コマ/秒連射した時のギフチョウの飛翔画像例です。
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GX7-Z60、ISO=400、F2.8-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:10時53分(4月中旬)

 飛翔画像の常として、画面に入る確率は低いのですが、一旦、画面内に入ればしめたもの。連続して10枚以上はOKコマが得られることも多いのです。ただ、トリミングも必須ですので、画質の劣化はD7100よりも深刻です。ミヤマセセリの飛翔シーンで比較例をご覧下さい。
初めてのミラーレス_f0090680_22285918.jpg
GX7-20(トリミング)、ISO=800、F3.5-1/4000、撮影時刻:10時25分(4月中旬)
初めてのミラーレス_f0090680_222967.jpg
D71K-20(トリミング)、ISO=640、F4.5-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時47分(4月中旬)

 20mmレンズは(ニコンF/G-MFT)変換アダプターを装着してGX7に取り付けております。ピクセル等倍で確認すると、明らかにミヤマの解像度はD7100が優っております。MFTで過酷なトリミングをすれば画像は酷いものになりますので、トリミング量が少なくなるよう工夫すれば、かなりの戦力になると期待できます。因みに同じ電子シャッターでの連射機能を他社品と比較してみました。
パナソニック GX7 40コマ/秒
++++++++++++++++++
カシオ社   EX-10   30  〃
ニコン社   1V2/V3   60 〃
オリンパス社 OM-D   電子シャッターでの連射機能無し?

 1V2(V3)には負けておりますが、パスト連射で有名なカシオの最新機種:30コマ/秒より優っております。この機能を用い、シャッターを押してから2秒以内に蝶を飛び立たせれば、パスト連射と同じ画像が撮れる筈です。実際の検証例をご紹介します。ジャコウアゲハ♂とベニシジミ♂の事例です。
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GX7-P14、ISO=640、F4-1/4000、撮影時刻:14時36分(4月下旬)
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GX7-P14、ISO=640、F4-1/4000、撮影時刻:14時58分(4月下旬)

 パスト連射機能目的だけのコンデジとしてカシオを買う気がしなかったので、GX7の連射機能を知って、少し得をした気分でした(^^)

④ホワイトバランス
 一つ感心したのがホワイトバランスです。ニコンは伝統的に癖のある発色をします。RAWで撮影しても黄緑色のカブリが出るので、RAW現像の際、必ず色温度を低温度側にシフトする作業が必要でした。ところがGX7の発色は大変自然で、RAW撮って出しのJPEG画像でそのまま使えるのは大変有難い点です。
⑤電池の持ち
 正直、持ちは悪いです。特に内蔵ストロボを頻繁に使用するとあっという間に電池レベルが下がって焦ります。ただ最低レベル(レベル1)に到達してから意外と持つ感じですが、サブ電池は2-3個準備せねばならないと覚悟しました。EVFや液晶の消費電力がバカにならないのでしょうね。

 以上ざっと、使用感を述べてみました。今後、GX7を使いこなしていく過程で、色々とレポートしていきたいと思います。
by fanseab | 2014-05-02 22:36 | 機材 | Comments(6)
Commented by 22wn3288 at 2014-05-03 08:54
GX7の使用経験 大変参考になりました。
タイムラグは感じられませんでしょうか。
サブとしてE-M5を使ってみていますが、気になるように思いましたのでお伺いいたします。
Commented by fanseab at 2014-05-03 21:14 x
22wn3288さん、「タイムラグ」とは電子ビューファインダーの件でしょうか?そうだとすると、光学ファインダーとの比較では、当然ある程度ラグタイムがありますが、さほど不便に感じるものではありません。こんなもんだろうなという感じです。E-M5との比較については、使用比較したことがないので、コメントできかねます。
Commented by Sippo5655 at 2014-05-05 20:28
重たい機材を持って歩くのは本当に大変ですよね。
軽くて、良いカメラが見つかって良かったですね!
私は機材のことはさっぱりなので、
なんともコメントできなくてすみません(*_ _)
でも、少しずつでもお勉強しなければ><
Commented by ダンダラ at 2014-05-08 16:35 x
新しいカメラの導入おめでとうございます。
シーズン真っ盛りですから、撮影自体も楽しいでしょうね。
秒40コマで2秒はすごいですね。
1V2の場合はjpeg+RAWでもjpegのみでも1秒程度ではないかと思います。
バスト連射機能ですが、おっしゃる通りなのですが、蝶が自然に飛び立ったときと、脅かして飛び立ったときとでは、ちょっと違う感じになります。
飛び立たせたときにはいかにも驚いたという感じが出ることが多いです。
なので、バスト連射を使うときには、なるべく自然に飛び立つまで待つようにしていますが、結構辛抱がいります。
Commented by fanseab at 2014-05-08 20:35 x
Sippo5655さん、戦果がある時は機材が重くても何とも感じないですが、目的対象が撮れないと急に首筋に重さを感じたりします(笑) 軽さと性能のバランスがほどほど良い機材が開発されてきて何よりでした。
Commented by fanseab at 2014-05-08 20:39 x
ダンダラさん、ご指摘の通り、高速連射を使用し、パスト連射的に蝶を驚かして飛び立たせるやり方は邪道だと思っております。コツバメとか、表翅を撮るのにどうしようもないケースに限定されるべきですね。
それと、まだまだ解像度的に問題があるので、通常のAPS一眼による飛翔撮影も手放すことはできません。
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