探蝶逍遥記

ミヤマセセリ(3月末)

 ここ数日、関東地方は20℃を越える春の陽気で桜が一気に開花しました。最近あまり真面目に撮影していないミヤマセセリに出会うため、東京都の某公園を訪問しました。ここは昨年秋、メスグロヒョウモン産卵撮影で初めて訪れ、雑木林の環境からミヤマセセリが多産するだろうとの感触を得ておりました。現地9時30分着。10時過ぎ早速1頭が林道に飛び出しましたが、後が続きません。公園内を一回り廻った後、先ほどのポイントに戻ると2頭がテリ張り争いをしている様子なので、ここに陣取って撮影してみました。最初は♂の全開シーン。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34、ISO=200、F10-1/500、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時50分

 縁毛が完璧に揃った完品です。当日羽化した個体かもしれません。気温が高いためか、全開後、少し翅を閉じ気味にします。
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D71K-34、ISO=200、F10-1/500、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時53分

 ミヤマはなかなか翅裏を見せてくれませんから、この時とばかり、裏面を狙ってみました。暫く観察していると、どうやら♂の探♀飛翔ルートは100mX100m程度のエリアを網羅していて、やや規則的な蝶道に沿って周回飛行を繰り返しています。雑木林の下草から少し飛び出たブッシュを時々舐めるように飛翔します。恐らく羽化直♀が止まっている確率が高いのでしょう。各個体は個別の占有エリアを有しているようですが、周回の途中、両者が出会うと一瞬、激しいバトルがあります。ただ卍は直ぐに解け、元通りの飛行を続けていきます。吸蜜はこの探♀行動の途中に行われるものの、予測不可能なので、狙って撮影するのも難しいですね。この日は結局、スミレに来たこの画像がやっとでした。
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D71K-34、ISO=200、F10-1/500、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時05分

 周回飛行の途中に開翅休憩する場所はどうやらお好みの場所があるようで、林道脇のネザサ類の頂点に好んで止まっておりました。
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D71K-20、ISO=500、F8-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:11時55分

 飛翔にもトライしました。実はミヤマセセリの飛翔には苦い思い出があります。忘れもしません、4年前の3月でした。ミヤマ飛翔撮影の最中、転倒した拍子に右掌を直径5mmの枯れ枝が貫通(外部リンクし、破傷風予防処置も含め全治1ヶ月の治療を必要としました。それ以来、ミヤマの飛翔は封印していたのですけど、今回、細心の注意を払って撮影にトライしてみました。最初は2頭の絡み。
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D71K-20(トリミング)、ISO=500、F8-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時38分(以下撮影時刻以外は全て同一撮影条件)
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撮影時刻:11時38分

 2頭が卍状態になる際は飛翔スピードが緩むので、絶好のチャンス。しかし卍の持続時間はせいぜい3秒程度なので、意外とゲットできません。一枚目はピン甘ですが、何とか2頭がフレーム内に収まりました。2枚目は奇跡的にジャスピンだけど、1頭が半分フレームアウト(^^; 両コマの撮影間隔はわずか0.4秒です。お次はこの日撮影した中では一番背景が綺麗に抜けたショット。
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撮影時刻:11時59分

 次は石垣を背景にしたショット。翅を打ち下ろした瞬間を捉えております。
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撮影時刻:12時02分

 地面スレスレに飛行していた♂が石垣にぶつかると方向転換をするため、少しスピードが緩むので、視界に捉えやすいのです。ただ、クロツならともかくミヤマセセリ飛翔の背景としてはちょっと違和感がありますかね。次は早春の雑木林の雰囲気が一番出た絵。
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撮影時刻:12時15分

 最後は奇跡的に満開のスミレ群落の上を飛行する個体を捉えることができたショット。
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撮影時刻:12時19分

 ミヤマセセリは黒くて敏捷、かつ不規則に飛ぶので、置きピン位置に対象を保持し続けるのが大変難しい蝶です。今回置きピン位置をモンキチョウを撮る場合より5cm程遠く設定しましたが、それでもミヤマは置きピン位置より先に逃げてしまいます。従って狙うレンズ焦点距離も20mmではなく、35-40mm(フィルム換算52-60mm)あたりが楽に撮れる範囲のような気がしました。まぁ、何はともあれ、怪我なくミヤマ飛翔撮影を終えることができて何よりで、ホッと胸を撫で下ろしたのでした。
by fanseab | 2014-03-29 22:32 | | Comments(8)
Commented by 22wn3288 at 2014-03-30 10:58
ミヤマセセリの飛翔写真 お見事です。
スミレの花とのシーンもいいですね。
翅裏の撮影はやはり難しい方ですか。
お蔵の中に半開翅はあったようで見直します。
Commented by ダンダラ at 2014-03-30 15:59 x
ミヤマセセリの飛翔は難しいですね。
こちらではコツバメの飛翔に適した場所があったのでチャレンジしましたが、ミヤマセセリの飛翔も文中にあるようにコースが不規則で、こちらの動きでコースを変えるので難しいです。
機会があればチャレンジしようと思っているのですが、地元の発生地がつぶれてしまったのか今年は姿を見ることができません。
Commented by otto-N at 2014-03-30 17:42 x
地を這うようにして飛ぶミヤマセセリは、撮れそうもありません。
なかなか走って追いかけることができる場所自体が少ないと思います。
レンズの焦点距離が長いと、フレームアウトばかりになってしまう気がします。
それより、接近すること自体が難関ですね。
Commented by fanseab at 2014-03-30 20:29 x
22wn3288さん、ミヤマセセリの飛翔は文中に書いた事故以来、足場がよほど安定した発生地でない限りトライする気がしません。ただ、今回撮影したポイントも林道上に木の切り株の残りとかあって、転ばない保証はないので、あまり深追いはしませんでした。
何とか見られるコマが撮れてホッとしました。
ミヤマは半開翅はしてくれるのですが、完全閉翅のチャンスが非常に少ないですね。
Commented by fanseab at 2014-03-30 20:32 x
ダンダラさん、小生関西在住時には、舗装道路の横にあるブッシュ上をミヤマが飛んでくれるポイントがあって、ここは比較的定まった飛翔コースなので、比較的楽に撮れました。ただ、神奈川県の近場ポイントはどうしても傾斜地なので、深追いできません。
この日はコツバメも狙ったのですが、こちらは坊主でした。
Commented by fanseab at 2014-03-30 20:35 x
otto-Nさん、最近貴殿の撮られた素晴らしい飛翔画像を拝見すると、ミヤマセセリもきちんと射程に入るのではないかと思いますよ。レンズの焦点距離はなかなか難しい問題ですが、ダンダラさんがコメントされているように、ある程度、ミヤマと距離を置くことによって、飛翔コースを安定させる効果を期待して、少し長めのレンズで撮ることも必要かな?と考えたのです。実際に効果があるかはわかりませんけど。
Commented by hemlenk at 2014-03-30 21:53
ミヤマセセリの飛翔、さすがです。
一定しないセセリの飛翔は、上手く撮れた試しがありません(^_^;)
転ばない程度で練習しないといけませんね(^_^;)
Commented by fanseab at 2014-03-30 22:56 x
hemlenさん、コメント有り難うございます。一定の高度を緩やかに飛翔するギンイチと違って、ミヤマは本当に厄介な対象ですね。ハイ、小生の二の舞にならぬよう、くれぐれもご自愛下さい!
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