探蝶逍遥記

カラスアゲハの飼育メモ(前蛹まで)

 昨年実施した飼育シリーズ。今回はアキリデスの最普通種、カラスアゲハです。昨年7月下旬、キリシマミドリ探索で静岡県某所に出かけた際、コクサギから複数卵を見出すことができました。実は数年前に同じ場所でカラスアゲハの産卵シーンに出会っており、ここで母蝶の出現を期待しておったのですが、時間帯が悪かったのか現れず、既に産み付けられていた2卵をお持ちかえりしました。コクサギへの産卵状況とその拡大像です。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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GXR@5.1mm、ISO=200、F9.1-1/60、-0.7EV、内蔵ストロボ+LEDライト、撮影時刻:10時53分(2013年7月下旬):囲みの拡大像はD71K-1855改@55mm(トリミング+2コマ深度合成)、ISO=100、F11-1/320、-1.0EV、外部ストロボ+スレーブ1灯

 卵を見出した株には全体で5卵程産み付けられておりましたが、いずれも葉裏の縁近くへの産卵でした。また、コクサギに絡みついていたイケマの葉裏にも誤産卵しておりました。
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GXR@5.1mm、ISO=200、F6.5-1/50、-0.7EV、内蔵ストロボ+LEDライト、撮影時刻:10時49分(2013年7月下旬)

 産卵時に食草への前脚連打行動で、好みの食草か確認するのでしょうけど、コクサギ周辺なら、別種植物でもコクサギの葉と誤認して産んでしまうのですね。ただイケマは蔓状に絡まっているので、孵化した幼虫はちょっと歩き回ることで、無事コクサギに辿りつけることでしょう。持ち帰った卵は7/30に無事孵化しました(もう一卵は孵化せず)。初齢幼虫の姿です。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=100、F11-1/400、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:7月30日

 体長は3.5mm。クロアゲハやナガサキと異なり、緑色を帯びた灰褐色系で一目見て、これまでのアゲハとは異なる印象です。なお、食餌は孵化直後僅かにコクサギを齧りましたが、拙宅付近でコクサギを調達できる場所がないので、終齢までミカン類で飼育を行いました。8/2に2齢になりました。
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D71K-85VR(トリミング+下段のみ2コマ深度合成)、ISO=200、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:8月4日

 体長は7mm。体全体にテカリが出てきます。全般に緑色を帯びる特徴は初齢から踏襲されております。2齢時の食痕もご紹介しておきましょう。
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D71K-85VR、ISO=200、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:8月4日

 葉の縁から食し、中脈まで食べ尽くす前に別の葉へ移動して食い直すようです。8/6に3齢になりました。
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D71K-85VR(トリミング+2コマ深度合成)、ISO=200、F11-1/400、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:8月6日

 体長7mm。体の艶がなくなり、頭部と腹端を除き、腹節の棘皮も殆ど目立たなくなります。色調は2齢と類似した傾向。もちろん、赤褐色をしたクロアゲハ3齢幼虫とは明確に区別が可能です。8/10に4齢へ到達。
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D71K-85VR(トリミング+上段のみ2コマ深度合成)、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:8月12日

 体長13mm。後胸と第一腹節の巾が増大し、蛇の頭を思わせる形状になりました。この体型変化は他のPapilioと同じです。それと、地肌に細かい斑点が出現してきました。
 8/13に眠。翌14日に5齢になりましたが、色調・体型に変化はありません(画像未撮影)。通常よりも脱皮回数が一回多いタイプのようで、アゲハ類幼生期ではよくある現象だと思います。8/20に6齢(終齢:通常は5齢)になりました。
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D71K-85VR(トリミング+2コマ深度合成)、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:8月20日

 体長25mm。お馴染みのアゲハ類終齢幼虫の姿になりました。特徴は全身に散りばめられた小斑点。白がメインで、随所に淡いピンク色斑点も入り、複雑な模様です。幼虫の時点で、既にアキリデス成虫の特徴である螺鈿細工のような翅の質感を彷彿とさせてくれます。将に「栴檀は双葉より芳し」ですね。8/26に下痢便を出して蛹化準備に入り、翌27日に前蛹となりました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:8月27日

 体長24mm。用意したサンショウの枝から脱出してトイレの壁で前蛹となりました。しかし、ここでまた悲劇が起きました。翌8月28日、急に前蛹が黒化し、そのまま★様になってしまいました。ナガサキアゲハと同様、前蛹で力尽きてしまったのです。原因はクロアゲハの記事で議論したように食餌の残留農薬の影響とか、ウイルス罹患とか色々ありそうですが、特定はできません。少なくとも寄生原因でないことは確かです。綺麗な♀が羽化したらエエなぁ~等と楽しみにしておりましたが、またまたガッカリでした。近い将来、オナガアゲハの飼育も前提に、コクサギの苗でも育てて準備せなあかんかなと思っております。
by fanseab | 2014-02-14 22:12 | | Comments(2)
Commented by yoda-1 at 2014-02-14 22:56
これも残念だったですね。
しかし、幼虫画像が図鑑のように鮮明・緻密で素晴らしいです。
なかなか真似できませんです。
Commented by fanseab at 2014-02-15 10:00 x
yoda-1さん、できればコクサギで飼育すれば、幼虫に無用なストレスを与えることなく成長できたのでは?と後悔しております。農薬の影響はともかく、なるべくマイナス要因を避けて飼育することが大事だと痛感しました。飼育は面倒でそうそう繰り返しできないので、各ステージ共にベストの画像を心がけております。やはりコンデジで撮るよりは、デジ一で気合を入れて撮影した方が、結果的に満足できますね。
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