探蝶逍遥記

年の瀬のご挨拶(2013年レビュー)

 保全協会の企画展が終わり、クリスマスも過ぎるともう新年の準備。一年って本当に速く過ぎ去るものだと思います。
 そこで、今シーズンをちょっと振り返ってみることにします。本年元旦の記事(外部リンクで、下記の如く「撮らぬ蝶の翅算用」をいたしました:

「・・・・昨シーズンあまり実現できなかった「産卵シーンに拘る」ことを一つの目標に掲げたいと思います。・・・(中略)・・・さてさて、どうなりますやら・・・。本年末に予定されている「懺悔」記事に乞うご期待下さい(爆)」

 で、お約束通り、その「懺悔」を含めて総括をいたしましょう。「産卵シーンを狙って撮る」ことを目的に意気込んでスタートさせた訳ですが、直ぐに困難に直面しました。一言で言えば、「♀の生態をあまりにも知らないこと」が原因。概ねフィールドでは♂が目立ちやすく、しかも管理人はなるべく早く帰宅したいこともあって午前中で撮影を切り上げてしまう行動パターンが多いのです。ところが♀の産卵時間帯は概ね正午過ぎにあり、各種の産卵時間帯を予測する撮影準備作業が必要になりました。いつも参考にしている保育社の「原色日本蝶類生態図鑑」はこれら準備にある程度役立ちましたが、全種について産卵時間帯が正確に記述されている訳ではありません。例えばアゲハチョウ科で正確な時間帯記述があるのは全21種(この図鑑出版時の分類基準)中、わずか7種に過ぎません。他科も同様で、撮影対象の近縁種から産卵時間帯を推測して食餌植物の周辺で張り込む作戦を取りました。更にブログ仲間を含めネット上で公開されている産卵画像を検索し、EXif情報から撮影時間を読み取って参考にさせて頂きました。結局、♀の行動パターンを読むために、赴いたフィールドで朝から夕方まで滞在せねばならず、普段の撮影とは比べものにならない集中力を必要とし、疲労度も増加しました。それでも予測した時間帯に食草付近に母蝶が出現し、産卵を始めた時は本当に達成感を味わうことができました。♀が「産気付く」のはどんなタイミングなのか?「陣痛」に相当する挙動はあるのか? 蝶を観察し始めてから、これほどまでに♀の行動をじっくり探ったことはありません。また種によっては疑似産卵行動が殆どのものがあり、ガッカリさせられたこともありました。種によって、産卵パターンは千差万別であると痛感した次第です。

 下記に今シーズン撮影に成功した産卵シーンをまとめておきます。合計、39種を撮影できました。各々の種名をクリックすると関連記事に飛びます。お暇な方はご確認下さい。なお、種名が黄色表示のものは管理人にとってはB級画像でして、撮り直しが必要、もしくは疑似産卵行動で産卵を確認できなかった種です。39種中、産卵行動初撮影は23種でした。やはり意図的に「産卵シーンに拘った」結果が出たように思います。

<アゲハチョウ科>:下記4種
(1)クロアゲハ
(2)ナガサキアゲハ
(3)ジャコウアゲハ
(4)アゲハ
<シロチョウ科>下記5種
(5)キタキチョウ
(6)モンキチョウ
(7)ツマキチョウ
(8)モンシロチョウ
(9)スジグロシロチョウ
<シジミチョウ科>下記8種
(10)ミドリシジミ
(11)ミヤマカラスシジミ
(12)ベニシジミ
(13)ヤマトシジミ
(14)ルリシジミ
(15)ヒメシジミ
(16)ミヤマシジミ
(17)ツバメシジミ
<タテハチョウ科>以下18種
(18)テングチョウ
(19)クモガタヒョウモン
(20)メスグロヒョウモン
(21)ウラギンヒョウモン
(22)ツマグロヒョウモン
(23)ミスジチョウ
(24)キタテハ
(25)ルリタテハ
(26)アカタテハ
(27)コムラサキ
(28)ゴマダラチョウ
(29)アカボシゴマダラ(外来種)
(30)キマダラモドキ
(31)ヒカゲチョウ
(32)サトキマダラヒカゲ
(33)ヤマキマダラヒカゲ
(34)ベニヒカゲ
(35)ヒメウラナミジャノメ
<セセリチョウ科>以下4種
(36)ダイミョウセセリ
(37)ギンイチモンジセセリ
(38)イチモンジセセリ
(39)ミヤマチャバネセセリ

 今シーズンは取敢えず拙宅近くで観察できる普通種を中心にトライしてみました。これら普通種で撮影できなかった種として、
①アオスジアゲハ、②ウラギンシジミ、③ウラナミシジミ、④ムラサキシジミ、⑤ムラサキツバメ、⑥キマダラセセリ
あたりが列挙できます。来シーズンは先ずはこれらの対象種、そして上記科別リストの黄色字着色種の再トライ、さらに今シーズン撮影できなかった普通種の残りについてトライしていきたいと思います。画像が全くないのも寂しいので、産卵シーン撮影に最も苦労し、思い出に残るキマダラモドキ疑似産卵行動の絵を貼っておきましょう。もちろん、本種は来シーズン再撮影必須種のメインターゲットでもあります。
f0090680_1649239.jpg
D71K-34(トリミング)、ISO=400、F11-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2013年9月21日、15時16分(撮影地:広島県某所)

 今年の記事はこれが〆となります。本年も拙い記事にお付き合い頂き、多くのコメントを頂きました。本当に有難うございました。それでは皆様、よいお年をお迎えください♪♪
by fanseab | 2013-12-29 16:54 | | Comments(2)
Commented by banyan10 at 2013-12-29 19:14
産卵の撮影は交尾に比べれば狙って撮影できますが、それでも難しい場合が多いですよね。
僕も少しは狙っていますが、ある程度撮れれば満足してしまいますし、長時間粘るケースは少ないので何年かかけて撮影できればいいというスタンスです。(笑)
このキマモも僕だったら十分に満足ですが、やはり卵はゲットしたいですね。
Commented by fanseab at 2013-12-29 21:04 x
BANYANさん、「狙って撮影する」場合、最大の障害が産卵時間帯情報の不足でした。やはり数多くフィールドに出かけて多くの蝶の♀の行動を良く観察していないとなかなか産卵に出会えないし、長時間粘る意味がなくなりますね。
アップしたキマモ画像は卵が確認できていれば、B級画像ではありません。疑似産卵行動を取る蝶がどれだけいるかも、これから撮影を続ければ徐々に判明していくと思います。
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