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探蝶逍遥記

ツマグロヒョウモンの産卵(9月下旬)

 メスグロの産卵を狙って林縁で待機している最中、ツマグロヒョウモン♀が明るい林縁に舞い降り、産卵をスタート! 取敢えずメスグロ狙いは封印してツマグロに集中しました。

++横位置画像をクリックすると拡大画像を見ることができます++
ツマグロヒョウモンの産卵(9月下旬)_f0090680_21354260.jpg
D71K-34(トリミング)、ISO=500、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時11分

 ツマグロはウラギン同様、地面をウロチョロしながら草叢にある、枯葉・枯茎等に卵を産み付けていきます。当然葉被りになる場面が多く、一発必中で撮影するのは困難。そこで飛翔写真撮影と同じくバシャバシャ連射して、好みのコマを拾い上げる作戦で行かねばなりません。そうやって撮影した一コマ。
ツマグロヒョウモンの産卵(9月下旬)_f0090680_2136125.jpg
D71K-34、ISO=500、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時18分

 途中から85mmマクロに切り替えて撮影を続行。嬉しいことに♀は産卵をドンドン継続していきます。お次は陽射しに恵まれた場所での産卵。
ツマグロヒョウモンの産卵(9月下旬)_f0090680_21362559.jpg
D7K-85VR(トリミング)、ISO=500、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時27分

 産卵の継続を見計らって、一旦撮影を中断し、↑のコマの産卵箇所を捜索。直ぐに卵が見つかりました。細い枯茎に産み付けられております。
ツマグロヒョウモンの産卵(9月下旬)_f0090680_21364214.jpg
D7K-85VR(トリミング)、ISO=500、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時27分

 メスグロよりは明るい淡黄色。観察を続けていると、一見乱雑に産み付けているようで、やはりスミレの存在を確認しながら産んでいるケースが多いです。こちらはスミレの株直近で産んでいる事例。
ツマグロヒョウモンの産卵(9月下旬)_f0090680_2137581.jpg
D7K-85VR、ISO=500、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時31分

 そこまでスミレを認識しているなら、何故直接スミレに産まないのか、不思議ですね。次はスゲ類の葉に産み付けた事例です。ここでもスゲの周囲にはスミレが沢山生えています。
ツマグロヒョウモンの産卵(9月下旬)_f0090680_21371853.jpg
D7K-85VR(トリミング)、ISO=500、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時37分

 産卵環境です。
ツマグロヒョウモンの産卵(9月下旬)_f0090680_21373351.jpg
D7K-85VR、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時39分(撮影は産卵の翌日実施)

 これを超拡大撮影しようとトライしている最中、葉と葉が擦れ合った拍子に卵が葉からどこかに飛び去ってしまいました(^^; ガックリですが、まぁ、ツマグロ産卵はもう少しチャンスがあるでしょうから、その時、超拡大にチャレンジします。その代わり、枯枝に産んだ事例をトリミングしてご紹介します。
ツマグロヒョウモンの産卵(9月下旬)_f0090680_21374529.jpg
D7K-85VR(トリミング)、ISO=500、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時41分

 形態はメスグロに比較すると、横隆起は殆どなく縦隆起が目立ち、ウラギンに比較的類似しています。色はウラギンよりも明るく鮮やかなので、同じ枯枝に産まれていてもウラギンよりも発見しやすいですね。メスグロの産卵探索ついでにツマグロ産卵もゲットできてラッキーでした。ウラギン、メスグロ、ツマグロ、いずれも正午前後に産卵時間帯があり、気温が一番上昇する時間帯と一致しております。恐らくミドリヒョウモンも同様な時間帯で産卵すると推測しており、次なる探索を楽しみにしております。
by fanseab | 2013-10-06 21:40 | | Comments(6)
Commented by yoda-1 at 2013-10-06 21:46
確かにツマグロも適当な場所に産みつけることがあるのですね。
勉強になりました。
昨日はお疲れ様でした。
Commented by fanseab at 2013-10-06 22:57 x
yoda-1さん、土曜日はお疲れ様でした。
ウラギンとツマグロを比較すると、明らかにツマグロの母蝶はスミレを意識していることが読み取れます。もちろん、ウラギンもある程度、スミレの生える環境を意識して産んでいるのでしょうが、かなりアバウトな場所に産み付けます。それでもどこでもいいかと言うとそうではないらしく、産卵行動を途中で頻繁に中止することから、「お気に入りの場所」があるらしいのです。そこを人間から見ると「雑然と産み付けている」ようにしか見えないのだと思います。
Commented by kenken at 2013-10-07 22:37 x
ここのところのヒョウモン類の産卵生態写真シリーズ、素晴らしい出来栄えですね。なるほど、気温の上がる正午前後が産卵タイム、うなずけます。
ツマグロ以外は、スミレの存在に捉われずに産卵場所を選んでいるというのは、私も同感です。
Commented by fanseab at 2013-10-08 22:15 x
kenkenさん、ヒョウモン類の静止や開翅シーン撮影ならことさら秋口に撮る必然性はないのですが、♀の産卵は時期的に限定されるため、皆さんが暇になった頃、忙しくなったりします。種類によらず産卵ピーク時間帯が正午前後にあるのが多いですね。
ツマグロのスミレ認識機能はきっちりしていると思います。
Commented by ダンダラ at 2013-10-09 14:09 x
確かにツマグロの雌はスミレを意識していますね。
ツマグロは冬も幼虫がスミレ類を摂食するので当然といえば当然な気がしますが。
下草の雑然とした中に産むので、なかなかすっきりした写真は難しいですが、チャンスを逃さず撮影するのは流石です。
Commented by fanseab at 2013-10-09 22:28 x
ダンダラさん、観察していると、先ず母蝶はスミレの生息密度の多い場所に舞い降りて、そこでウロチョロ地面を歩き回るように思います。別途記事にしたいと思っておりますが、ヒメアカタテハ同様、前脚連打行動でスミレの在処を確かめており、その後、その周辺の地面スレスレに産んでいくようです。
腹端、複眼、翅いずれも葉被りにならない画像撮影は仰るように大変困難ですね。
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