探蝶逍遥記

アオスジアゲハの飼育記録

 ジャコウと平行して、国内に棲むGraphium属普通種も飼育してみました。先ずはクスノキ新芽に産み付けられた卵と孵化前日の卵の拡大像です。

++横位置画像をクリックすると拡大画像を見ることができます++
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D7K-85VR、ISO=400、F11-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月13日、[拡大像] D71K-1855改@40mm(トリミング+2コマ深度合成)、ISO=100、F11-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:5月14日

 卵の拡大像では孵化する初齢幼虫の毛(Yの字型棘毛)が透けて見えております。5月15日に孵化し、直ぐに卵殻を食べ始めました。
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D71K-1855改@40mm(トリミング+2コマ深度合成)、ISO=100、F11-1/320、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:5月15日

 この時点での体長は2.9mm。全身毛むくじゃらの幼虫です。孵化後食樹からの摂食が進むとふっくらとした体形に変化します。孵化後2日後の初齢幼虫です。
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D71K-1855改@28mm(トリミング+2コマ深度合成)、ISO=100、F11-1/320、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:5月17日

 体長は4.8mm。5月18日に2齢。
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D71K-1855改@18mm(トリミング)、ISO=100、F11-1/125、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:5月19日

 体長は7.1mm。前・中・後胸部に黒色の突起を残し、腹節にあった棘毛は第10腹節を除き、全て消失しております。この頃は葉裏生活者で、クスノキ若葉の赤褐色に類似した体色です。5月21日前後に3齢になった模様(撮影は失念)で、25日に眠に入り、26日~27日に4齢になりました。なお3齢から葉表生活に変わっています。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=100、F11-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月29日

 体長は24mm。後胸部にある一対の突起を結ぶ細い黄色線が出現。体が太くなったため胸部の突起も相対的に目立たなくなります。5月31日に眠に入り、翌6月1日に終齢(5齢)に到達。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:6月2日

 体長は37mm。胸部にあった突起は完全に消失。後胸部の突起は小さな眼状紋に変化しております。終齢幼虫は順調に発育し、6月9日に前蛹になりました。
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D71K-85VR、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:6月2日

 体長は32mmに縮小。頭部をクスノキの葉柄側に向けています。これはアオスジの特徴で、同属のミカドは反対に尾端を葉柄側に向けるのが普通。翌10日、無事蛹化しました。
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D71K-85VR、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:6月10日

 体長は33mm。葉表に相当量の吐糸がされていることがわかります。通常ですと、ほぼ10日~2週間後の6月末頃には羽化する筈でしたが、現時点でも未だ羽化しておりません。死蛹でもないので、どうやら休眠蛹になったようです。アオスジにしろ、ミカドにせよ幼生期の日長長短で非休眠と休眠蛹に分かれるとされています。意図した訳ではありませんが、管理人の飼育条件が短日条件に相当したのでしょう。休眠時間は個体差があるようで、ひょっとすると来年の5月までこのまま眠っているかもしれませんし、あるいは9-10月頃羽化するかもしれません。今回久しぶりにアオスジの飼育を実施して、Graphium属蛹の休眠性について改めて考えさせられる機会となりました。
by fanseab | 2013-08-13 21:31 | | Comments(2)
Commented by Sippo5655 at 2013-08-15 22:42
アオスジはこんな卵と、そして幼虫なのですか!
初齢から徹して透明感がいっぱいなんですね。
成虫のエメラルドグリーンが、ここから産まれるんだ・・・
なんか感動です☆
休眠蛹なる言葉も初めて知りました。
やはり日照って、大事な要素になるんですね。
最近庭ではハチの姿が見えなくなって
ミカンとユズの両方で生き残った幼虫が大きくなってます!
全部アゲハみたいです。
卵もいっぱいあるから、これから楽しみです。
Commented by fanseab at 2013-08-16 20:39 x
Sippo5655さん、初齢孵化したてはどんなアゲハチョウでも棘棘しい印象ですね。ただ少し摂食すると、種独自の姿に変化します。頭でっかちのアオスジの姿は初齢の後期からスタートしていますね。
飼育をしていると、自然状態と違って色々と不具合やら不測の事態が発生します。逆に飼育をすることで、どんな条件がチョウにとって問題なのかを知ることができて面白いですね。
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