探蝶逍遥記

ルリタテハの飼育記録

【お断り】この記事には生々しい「毛虫」画像満載です。毛虫を見たくない方はパスして下さいネ!誤って画像を見て、気分を悪くされても管理人は責任を持てませんので、悪しからず。
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 3月下旬に神奈川県下でルリタテハの産卵現場を確認しました。その際、サルトリイバラから1卵を採卵し、飼育をしてみました。ルリタテハは大昔に飼育した記憶が微かにありますが、実質初めてかもしれません。最初は産卵されていた状況です。

++横位置画像をクリックすると拡大画像を見ることができます++
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GXR@5.1mm、ISO=200、F9.1-1/45、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影月日:3月28日

 2卵見えておりますが、いずれも産卵日は不明です。自宅に持ち帰り、超拡大撮影を実施しました。
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D71K-85VR-24R(トリミング+上段2コマ/下段4コマ深度合成処理)、ISO=200、F29-1/320(400)、-0.7EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:3月31日

 樽型で精孔部が少し凹んだ形状。直径は1mm、高さ0.96mm。アカタテハやヒメアカと近似した形状ですね。孵化日は正確には不明ですが、恐らく4月5日だと思います。サルトリイバラの新芽に静止する初齢幼虫です。
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D71K-1855@35mm(トリミング+2コマ深度合成処理)、ISO=100、F13-1/400、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:4月7日

 ルリタテハの幼虫は後述するように葉裏でCの字型に体を丸めて静止しておりますが、初齢段階でもこの習性が見てとれます。「三つ子の魂、何とやら」ですね。幼虫の左側に新芽を齧った食痕が確認できます。4月8日に眠に入り、10日に2齢になりました。
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D71K-1855@35mm(トリミング+3コマ深度合成処理)、ISO=100、F13-1/400、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:4月10日

 体色は初齢と良く似ておりますが、飴色の地色に淡黄色の斑紋が入るようになります。4月13日に眠に入り、15日に3齢になりました。眠、静止時はいつもこのようにCの字もしくはJの字型です。
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D71K-1855@24mm(トリミング+3コマ深度合成処理)、ISO=100、F13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:4月15日

 体色は黒味を増し、棘皮も黒く立派になります。4月17日に眠。翌18日に4齢になりました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F13-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:4月19日

 色調は3齢とさほど変わりません。摂食している時は、このように体を伸ばしておりまして、撮影時に刺激を与えると、急にCの字型に丸まって静止します。4月24日に眠に入り、翌25日に5齢(終齢)になりました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F13-1/200、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:4月28日

 棘皮は黒から淡黄色に、地色の淡黄色が橙色に変化し、見るからにおどろおどろしい姿に変身です。蝶屋の皆さんでも、この姿にはちょっと引いてしまうものがあるかもしれません。5月4日に前蛹になりました。翌日、前蛹画像を撮影しようと機材を準備し、「さて撮影しようか」と食草を覗くと前蛹の姿がありません。おかしいなと思い、もう一度覗くと既に蛹になっていたのでした。一瞬の隙に蛹化してしまったのでした。あ~ぁ、これは大失敗。フルステージ飼育で大事な画像を撮り忘れてしまいました。いつか機会を見て、野外で終齢幼虫を採幼し、前蛹の撮り直しをせねばなりません。その代り、蛹化直後のフニャフニャな姿を撮影いたしましした。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:5月5日

 この段階ではまだ終齢幼虫の面影(橙と黒の虎班模様)が残っています。それでも2日後には本来の姿になりました。
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D71K-85VR(トリミング+左4コマ/右3コマ深度合成処理)、ISO=200、F11-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月7日

 レフレクターは比較的小さく、数も少ないため地味な印象で全体の色調が成虫裏面そっくりな点も面白いですね。5月16日に黒化が始まり、17日に無事羽化しました。残念ながら羽化の瞬間には立ち会えず。
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D71K-85VR、ISO=200、F11-1/160、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月17日

 屋外に出して太陽光を浴びさせたら開翅もしてくれました。
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D71K-85VR、ISO=200、F11-1/160、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月17日

 ルリタテハの性別判定は難しいですが、前後翅外縁の尖り具合が少ないことを考慮して♀でしょうかね?どんな種類であれ卵からのフルステージ飼育をやり遂げると達成感があります。羽化直後の瑞々しい姿はいつも惚れ惚れしてしまいますね。

 なお、今回の飼育にはサルトリイバラを用いました。多摩丘陵から調達してきましたが、水揚げが悪いのにビックリしました。一度水差しをした株を室内の窓際に置き忘れたら、あっという間に枯れてしまいました。サルトリイバラが薄暗い林床に生える植物であることを再認識させられた次第です。
by fanseab | 2013-06-02 21:28 | | Comments(8)
Commented by Sippo5655 at 2013-06-02 21:50
こんなに透明感があるのですね・・・
そのあと、こんなトゲトゲに変身して
あのルリタテハになるなんて♪
凄い変わりようですね!
初齢幼虫さん・・なんだかアニメのキャラクターみたいです^^
我が家ではアゲハの幼虫が今さなぎになって
羽化を待っています(^-^*)
Commented by hemlenk at 2013-06-02 21:58
フルステージを追いかけるのは、飼育でもなかなか大変だと思います。(=^・^=)
前蛹は惜しかったですね。うまくリベンジできるといいですね。
終齢は迫力満点ですね(=^・^=)触ると痛いのでしょうか。
Commented by clossiana at 2013-06-03 11:53
今年、↑の写真と同じように、この蝶の若齢幼虫が摂食時以外はいつもCの字状で葉裏にたたずんでいることに気付きました。これにどんな意味があるのか図鑑などで調べてみたのですが「Cの字」への言及はあるものの、その意味にまでは踏み込んでいませんでした。fanseabさんは何か思い当たることがありますか?
Commented by naoggio at 2013-06-03 14:17 x
フルステージを克明に記録されていて素晴らしいですね。
とても真似できません。
3〜4令では模様は黄色いんですね。知りませんでした。
確かに卵からの飼育で羽化した時には達成感があるでしょうね。
Commented by fanseab at 2013-06-03 22:54 x
Sippo5655さん、初齢幼虫は種類によらず、ゼリー細工のような透明感がありますね。ルリタテハの場合は棘の大きさ、色合いが齢を重ねるごとに変化する様子が見物でした。
アゲハ、無事羽化するといいですね!
Commented by fanseab at 2013-06-03 22:56 x
ヘムレンさん、この時期、実は5種類ほど飼育中だったので、継時記録観察・撮影するのに骨が折れました。終齢幼虫の棘は何か目の粗いスポンジを触っているような感触ですが、何度も触れたくはありません(^^)
Commented by fanseab at 2013-06-03 23:00 x
clossianaさん、小生の考えを述べますと、芋虫や毛虫が伸びた状態でいると野鳥等が「食べられる幼虫類」と認識しやすく、逆に丸まったり、妙な姿勢を取ることにより外敵に違和感を与え、これが外敵防御に有利な効果をもたらしているように思います。特に棘のあるタテハ幼虫ではCの字型になることにより棘の面積をことさら密に見せ、異様感をより増大しているように思います。鳥がそう思うかはわかりませんが・・・。
Commented by fanseab at 2013-06-03 23:02 x
naoggioさん、フルステージの飼育記録を画像付で撮るのは結構しんどい作業です。まぁ、何回も同じ種類で実施できる暇もないので、確実に記録しておこうという方針でやっております。
羽化した時の達成感は何よりにも代えがたいものがあります。
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