探蝶逍遥記

ギンイチモンジセセリの産卵(5月初旬)

 神奈川県下は、ゴールデンウイーク後半も好天に恵まれました。前回撮影に失敗したギンイチ産卵シーンをゲットすべく、二度多摩川縁に出撃しました。初日、この日も個体数が少なくやっとのことで♀を発見。どうやら産卵行動の途中の様子。しかし、直ぐに藪の中に入って、カラスノエンドウで吸蜜を開始。

++横位置画像をクリックすると拡大画像を見ることができます++
f0090680_23394355.jpg
D71K-34、ISO=400、F11-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時28分

 ちょっと角度が不満ですが、♀のカラスノエンドウ吸蜜シーンはこれが初撮影なので良しとしましょう。ところがこの後、急に雲量が増し、気温が低下すると、♀は活動をパタッと休止してしまいました。雲から薄日が差すと開翅して体温を温めますが、飛び立つ様子はありません。休止中の様子を広角で撮影してみました。
f0090680_2340288.jpg
GXR@5.1mm、ISO=100、F6.5-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:14時51分

 15時前になって、やや陽射しが回復し、一旦飛び立ってノイバラで吸蜜をしました。
f0090680_2340185.jpg
D71K-34、ISO=400、F11-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時40分

 茎被りの酷い絵ですが、ノイバラ吸蜜も初撮影なので、証拠画像としてアップしておきます。結局、この日は産卵する気配がないので16時前に撤収です。撤収前にススキ?の枝に掴まって警戒している野鳥を撮影。ヨシキリでしょうかヘムレンさんより「セッカ」とのご指摘を頂きました。ヘムレンさん、有難うございました。
f0090680_23404215.jpg
D71K-34(トリミング)、ISO=400、F11-1/800、-0.7EV、撮影時刻:15時45分

 両脚を目一杯拡げたポーズが面白いので思わず撮影してしまいました。
さて、帰宅してから、ブログ仲間のダンダラさんが32年前(1981年)に発表されたギンイチに関する生態報文を再読してみました。♀の産卵行動については、「晴天の日の正午前後が多い」と書かれています。してみると、初日は現場に到着するのが少し遅すぎたようです。その反省を生かし、2日目は現場に10時前に到着。しかし、♀の姿がありません。どうやら遠距離に移動したようで、諦めて他の個体を見つけることに。ところがギンイチの姿はどこにもありません。ようやく♀を見つけたと思ったら茂みに隠れて見失う始末。次に発見したのは♂でこれはパス。そうしてようやく3個体目を発見。今度は♀でこの個体を徹底追跡することにしました。しかし、丁度この頃、強い南風が吹き始め、♀は活動を止めて閉翅状態に。
f0090680_23414581.jpg
D71K-34、ISO=400、F10-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時53分

 快晴で気温が高くても風が強いと活動を休止することを知りました。数分後に風が止むと再度飛び立ち、産卵の気配。何とかそのシーンをゲット。
f0090680_2342535.jpg
D71K-34、ISO=400、F10-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時57分

 角度が悪く、左側に回り込んでもう一枚・・・、と思った瞬間に飛び立ってしまいました。産卵時間は2.5秒程度でしょうか?その後、情けないことに再度この個体を見失ってジ・エンド(^^; ガッカリです。ただ、運良く産卵位置を覚えていたので、マクロで卵の撮影ができました。
f0090680_23422578.jpg
D71K-85VR、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時25分

 産んだのはイネ科に間違いないですが、ちょっと同定できていません。85mmマクロでトリミングせずにこれだけ大きく写るのですから、ギンイチの図体と比較して相当デカい卵です。念のため自宅に持ち帰り拡大撮影しました。特に微構造がないので、stacked lens法ではなく、前玉外し系で撮影。
f0090680_23474542.jpg
D71K-1855改-42(上)/55mm(下):共にトリミング、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:15時57分(上)/16時04分(下)

 底面は長径1.06mm、短径0.91mmの略楕円形で、高さは0.84mm。精孔部に向かって尖ったような、「おむすび型」を呈しております。ゼフのように微構造がある訳ではないので、拡大撮影の妙味はありませんね。この卵は今後、飼育に供してみたいと思います。ギンイチの飼育は終齢幼虫からのステージでの経験はありますが、卵からのフルステージは初体験です。果たして首尾よく成功するでしょうか?
 春型ギンイチ産卵シーンについては、とりあえず、今回で打ち止め。もう少しまともな絵は第2・3化で頑張ってみたいと思います。なお、ツバメシジミの産卵シーンも撮影できたので、こちらもアップしときましょう。
f0090680_23443415.jpg
D71K-34(トリミング)、ISO=400、F11-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時39分

 ツバメシジミは産卵態勢に入ってから産卵に至るまでの時間が長いので、ギンイチに比較すると遥かに撮影が楽ですね。なおアカツメクサへの産卵シーンはこれが初撮影(以前、シロツメクサへの産卵シーンを撮影済)です。
by fanseab | 2013-05-06 23:50 | | Comments(14)
Commented by naoggio at 2013-05-07 00:15 x
ギンイチ産卵シーンゲットおめでとうございます。
fanseabさんのブログを拝見しているとついつい卵の微細構造を期待してしまいますが、これは本当につるりとしていますね。
これはこれでまた面白いですが。
ヨシキリの画像最高です !
Commented by 22wn3288 at 2013-05-07 09:34 x
ギンイチの卵の撮影 お見事です。
良く産卵場所が分かりますね。
経験の違いでしょうか。
種類により卵の姿、形が違うのが良く分かります。
Commented by ダンダラ at 2013-05-07 15:54 x
いきなり私の名前が出てきたのでびっくりしました。
今となっては赤面ものの邦文ですが、この時は集中して5年ほど観察しましたので、いろいろな生態を知ることが出来ました。
ギンイチの産卵は時間が短いので結構難しいですよね。
Commented by ヘムレン at 2013-05-07 19:46 x
ギンイチの産卵!ナイスです。
まだ、見たことがありません(^^;)
小鳥は、多分セッカかと思われます(^^)可愛すぎ!!
Commented by fanseab at 2013-05-07 21:47 x
naoggioさん、個人的には産卵シーンゲットとは未だ言えないですね。しかし、食草に止まった瞬間にフレーミングと合焦をせねばならないので、俊敏なGraphium属アゲハの吸蜜シーン撮影と同程度の難易度があります。おまけにこの時期、オギやススキの枯茎が追跡の邪魔になるんですよ。セセリ卵の拡大画像は今回初めて撮りました。中には面白い微構造があるかもしれないので、今後暇を見て撮影予定です。
Commented by fanseab at 2013-05-07 21:50 x
22wn3288さん、コメント有難うございます。
産卵した画像をカメラのモニター上で確認し、記憶を頼りに探しました。このやり方でも見つけきれない場合が多く、今回は卵を発見できてラッキーでした。とにかく、この卵はデカくて目立ちます。
Commented by fanseab at 2013-05-07 21:52 x
ダンダラさん、いきなり貴殿の論文を引用してすみません。ギンイチの生態に関しては困った時に必ず確認する意味で「バイブル」として活用させて頂いております。報文にあるように、♀の活動パターンは大変読み難くで困ります。産卵はもうちょっとましな画像に何とかトライしてみる予定です。
Commented by fanseab at 2013-05-07 21:55 x
ヘムレンさん、今シーズンの注力目標として「産卵」に拘っているので、普段は真剣に撮らなかった産卵シーンを頑張ってみました。セセリの産卵って結構きまぐれな感じがして、読みにくいですね。ギンイチやヨタヨタ飛ぶ割には藪に紛れやすくて困ります。野鳥はセッカですか?修正しておきます。有難うございました。
Commented by himeoo27 at 2013-05-08 08:56
セセリチョウの卵はお饅頭のようで拡大すると
「美味しそう」ですね!少し大きいので写しやす
いのが嬉しいです。
Commented by fanseab at 2013-05-08 21:54 x
himeooさん、そう、セセリの卵は饅頭そのものですね。確か茶色の卵もあって、これなんかは、皮に黒砂糖が入った茶饅頭の様相を呈していますね。
<少し大きいので・・・
いやいやムチャクチャでかく感じましたよ!
Commented by kmkurobe at 2013-05-09 20:15
このセッカの写真。ユーモラスで本当にすばらしい一枚ですね。
感動いたしました。
Commented by Sippo5655 at 2013-05-10 21:36
ギンイチモンジセセリの産卵、、
やはり、いろいろと知識や経験がないと、見れないものなのですね・・・
あ、そういえば私、ギンイチの♀って見たことあったっけ!?(汗)
私も、もっとチョウチョの行動を勉強しなきゃ!
ギンイチ飼育されるのですね。
羽化まで見れると良いですね!
Commented by fanseab at 2013-05-10 23:05 x
kmkurobeさん、セッカは葦原等を生息拠点にする関係上、このような止まり方ができるように脚の長さが長く進化したような気がします。スズメ等と比較すると異様に長いですもんね。
Commented by fanseab at 2013-05-10 23:08 x
Sippo5655さん、今年取り組んでいる「産卵シーン」は将に経験と知識が物を言うジャンルだと思います。小生も乏しい知識だけでは不足するので、♀の行動をなるべく長く観察していこうと思っております。ギンイチの♀は産卵・吸蜜以外は殆ど飛ばないし、普段飛んでもすぐに止まりますから行動で♀と区別できますよ。
ギンイチの飼育、上手く行けばいいのですが・・・。
名前
URL
画像認証
削除用パスワード