探蝶逍遥記

越中ギフ初体験(4月上旬)

 ギフチョウの季節。個人的にギフはやはり日本海側で撮影したい思いが強いですね。これまで越前(福井県)、越後(新潟県)での撮影経験があるので、必然的に間チャン地域の越中に注目せざるを得ません。折しもブログ仲間のkmkurobeさん(外部リンク)虫林さん(外部リンク)から、越中ギフの素晴らしいレポートを見せて頂き、居てもたってもいられなくなり、富山県に向かいました。現地ではフキノトウ、カタクリ、ショウジョウバカマ、スミレ・・・。既に春の花が咲き誇っていて、後はギフの出番を待つばかり。10時過ぎ、期待に応えてギフが出現。ピョンピョン跳ねるように飛ぶギフの姿を見ると、やはりこちらの心も小躍りします。朝方はそれほど長距離を飛ばずに直ぐに日光浴。

++横位置画像をクリックすると拡大画像を見ることができます++
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D71K-34、ISO=200、F9-1/400、-0.7EV、撮影時刻:10時14分

 ほぼ完品個体の♂に満足です。そのうち、体が温まってくると、延々と探♀飛翔状態に。カタクリの近傍で待機していても、なかなか吸蜜に来てくれません。それでも少ないチャンスを見つけて何とかゲット。
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D71K-34、ISO=200、F9-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時29分

 ほぼ満足できる仕上がり。しかも秘かに期待していた「赤上がり」の♂でした。お次は「ノーマル」な♂。
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D7K-85VR、ISO=200、F7.1-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:12時07分

 厳密に言えば、この個体も微かに「赤上がり」傾向にありますね。今シーズン、富山平野付近では既に3月下旬から♂が出現していて、その後少し寒の戻りがあったため、管理人が訪問したポイントではほぼ♂の最盛期。♀が出始めのようでした。探♀している♂を追跡中、枯葉の中にいきなりダイビング。「あれれっ」と思って、そうっと現場を覗くと、何と♀との交尾が完成しておりました。
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D7K-85VR、ISO=200、F10-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時22分

 一見、♀の全開翅画像のようですが、♂が裏返しで張り付いたような状態で合体しております。概ねギフの交尾シーンはフォトジェニックでない恰好で見つかります。管理人は「やらせ」は嫌いなので、このままの状態で暫く観察しておりますと、後から飛来した♂がちょっかいを出した刺激で交尾が解けてしまいました。この間、15分程度。果たして無事受精(含むスフラギス作成)が完了したのでしょうか? 雪国のギフは黄色味が強い傾向にありますが、特に♀は色が濃くて、黄色と言うよりは黄橙色に近いですね。とても綺麗な♀でした。

 別ポイントに移動して桜吸蜜シーンを狙おうと車内で撮影準備をしていると、フラフラと新鮮なギフが運転席に飛び込んで来ました。唖然としていると、すぐに運転席から飛び去り、管理人を導くように桜の方向へフワフワと飛んで行きます。「吸ってくれよ~!」と願掛けて見守っていると、思いが通じたのか、吸蜜スタートです!
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D71K-34、ISO=200、F5-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時25分

 何と言っても管理人初体験の桜吸蜜シーン。興奮してシャッター押しまくり状態でした。少し冷静になってから、どうも羽ばたきがぎこちないことに気が付き、その原因が右後翅の羽化不全にあることが判明。スフラギスも付いており、既に交尾済の♀でした。続いて青空バックで撮影。
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D71K-34、ISO=320、F8-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時28分

 このアングルからだと、右後翅の羽化不全はあまり目立ちません。それにしても残念だったのは左後翅尾状突起の欠損。桜吸蜜が撮れただけでもラッキーでしたが、撮れたら撮れたで欲が出るのが撮り屋の性(さが)。次回は是非、完品の桜吸蜜画像をものにしたいです。この♀、この後、スミレでもじっくりと吸蜜。
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D71K-34、ISO=320、F8-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時32分

 普段は2-3秒しか滞在しないスミレ吸蜜ですが、この時はじっくりと吸ってくれました。ただこんな時に限ってアングルの制約があり、絵作りを難しくしておりました。

 最後は飛翔シーンです。昨年は中速シャッター方式で臨みましたが、今回は高速シャッター方式に戻して撮影。最初は豪雪で圧せられた笹薮上を探♀飛翔する♂です。
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D71K-20(ノートリ)、ISO=640、F7.1-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時36分

 ノートリ、しかも置きピン位置にビシッと被写体が来てくれると嬉しいですね(^^)  次はカタクリ脇を通過するシーン。
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D71K-20(トリミング)、ISO=640、F8-1/3200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時07分

 こちらはやや前ピン(^^; 常々「ピンク色のカタクリ絨毯の上を舞い飛ぶギフ」をアウトプットイメージに作画しておりますが、中々思い通りにはいきません。概ねカタクリ群落は足場の悪い急斜面に多いので、飛翔を撮るため蝶を追い回すことができないからです。ラストは秘かに狙っていた「立山連峰をバックに飛ぶギフ」をイメージして撮った絵。
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D71K-20(トリミング)、ISO=640、F7.1-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時43分

 肝心のギフはピンボケ、そして画面下辺中央部、松の幹の右側に心眼で見て頂くと微かに「雪景色の立山連峰」の山並みがご覧になれます(爆)。まぁ、立山連峰背景の飛翔画像についてはよほどロケハンをしっかりしないと駄目な事がよく理解できました。ヒルトッピングして来る♂を尾根筋で狙う好ポイントはどこか?これから暫く地図と衛星画像を睨めっこする日が続きそうです。

 初めて訪れた越中のギフ。雪国の春を満喫すると共に、里山の美しさを再認識する旅でもありました。

 なお、今回の遠征に関してはkmkurobeさんより貴重なアドバイスを多々頂きました。厚く御礼申し上げます。
by fanseab | 2013-04-08 22:00 | | Comments(16)
Commented by kmkurobe at 2013-04-09 14:28 x
そりなりの成果があったようで良かったですね。
あのあたりの里山は本当にギフチョウの原風景のような気がします。
桜吸蜜の個体もかなりの赤上がりですね。
Commented by hemlenk at 2013-04-09 17:23
お見事です!カタクリギフ、決まってますねー(=^・^=)
このところの寒の戻りで長く楽しめそうな感じですね。
Commented by fanseab at 2013-04-09 21:47 x
kmkurobeさん、今回は色々とお世話になりました。天候が文句ないのに個体数が意外と少なく全般に苦労しましたが、何とか目論見の画像は確保できました。やはり桜吸蜜画像が嬉しかったですね。少し標高の高いポイントでも観察したくなりました。そう、♀は元来赤上がり傾向にあると思いますが、桜吸蜜の個体は結構なもんでしたね。
Commented by naoggio at 2013-04-09 21:47 x
富山県は遠いなあ。でもこんな赤上がり個体を見せつけられると是非にも訪れてみたくなります。きれいですねえ。
環境も抜群にいいみたいだし。
でもギフチョウについては、私にとっては見慣れた静岡、神奈川のタイプが一番ギフチョウらしく見えてしまいます。新潟や富山のギフチョウは別種のような気さえします。
↓のコウモリ雲、凄いですねえ。ビビリました。
Commented by fanseab at 2013-04-09 21:51 x
ヘムレンさん、今年は天候の読みが難しく、かなり無理して遠征した結果、何とか成果を得てホッとしております。カタクリギフは何回撮っても難しい撮影対象ですね。仰る通り、3月下旬の馬鹿陽気の後、感の戻りやら悪天候続きのため思った以上に♂発生もダラダラ状態になり、新鮮な♂を楽しむことができました。後は標高や斜面の向きを変えればまだこの先結構長く楽しめそうですよ。
Commented by fanseab at 2013-04-09 21:56 x
naoggioさん、確かに富山は遠いですね。ただギフの棲んでいる環境は抜群で、雪国の里山に根付いてきた蝶であることを実感できます。小生は最初にギフを撮影したのが長岡産で、その後、但馬、越前と撮り続けたので、雪國ギフが一番心に響いて来る感じです。
コウモリ軍団は静止画では何とも迫力が出ませんが、「凄い」の一言です。
Commented by 22wn3288 at 2013-04-10 09:03 x
越中のギフチョウはいいですね。
カタクリでの吸蜜、しかも赤上がりで素晴らしいシーンですね。
サクラとの組み合わせもいいですね。
Commented by katawara at 2013-04-10 11:29 x
越中のギフ、昨年初めて見に行ったんですが、数もそれなりで、バリエーションの多さにびっくりしました。
カタクリの吸蜜写真いいですね。新しいカメラと見事なライティングで気持ちの良い写真です。
昨年、私も雌を1回しか見てないんですが、その輝きを今度撮影するときは、どのように表現するか、考えています。
今週末、行けたらいいんですが、どうでしょう。
次の更新、楽しみにしています。

Commented by Sippo5655 at 2013-04-10 21:48
なんか、赤い色がすごく鮮明に目に飛び込んできました!
素敵なひとときを過ごされたようで、何よりでしたね!
カタクリに、桜に・・・(*´∀`*)
なんか、私までドキドキしてきちゃいました~♪
赤い部分にも、いろいろあるんだ。。
Commented by fanseab at 2013-04-10 22:18 x
22wn3288さん、越中は気軽に遠征するにはちょっと距離がありますが、行っただけの価値がある場所ですね。遠くの立山連峰とか雪山を見ながらのギフ探索がいいもんです。
赤上がりの個体は本当に綺麗でしたよ!
Commented by fanseab at 2013-04-10 22:22 x
katawaraさん、コメント有難うございます。
貴殿は昨年のご経験があるので、次回遠征ではどんなシーンを撮るか?色々と悩まれるのでしょうね。今週末は予報だと北陸方面は土曜日がちょっと不安定ですが、日曜日は好天のようです。一番発生の早いポイントでは♀産卵シーン撮影も期待できそうです。次回は少し余裕を持って、広角画像が撮れたらと思います。
Commented by fanseab at 2013-04-10 22:24 x
Sippo5655さん、ギフの色調のバリエーションは地域毎に色々ですが、赤色部分はやはりアクセントとして重要ですね。赤上がり品、特に桜で吸蜜してくれた個体ですと、赤紋の面積が凄く拡がっていて豪華絢爛と言った風情です。
Commented by 虫林 at 2013-04-11 17:52 x
素晴らしいギフチョウの画像です。
とくにカタクリでの吸蜜はなかなかこれほどの作品にお目に
かかることができません。遠路足を運んだだけの成果がし
っかりとありましたね。素晴らしいです。サクラでの吸蜜は今
年のテーマにしていますが、週末の天気が悪いので、指を
くわえているだけです。
Commented by fanseab at 2013-04-11 21:42 x
虫林さん、新潟と違い、神奈川からだと越中はやはり遠いですね。ただ頑張って遠征した甲斐があって、色々と楽しむことができました。
カタクリ吸蜜シーンは定番ですけど、なかなか奥が深いですね。桜吸蜜は長年の懸案事項でしたが、長時間吸蜜してくれた♀に助かりました。桜は下から見上げるアングルになるので、露出も構図も難しく、カタクリ以上に撮影難易度が高いと感じました。ただ、吸蜜に来るタイミングとか良くわからないので、これからも苦労しそうです。
Commented by dragonbutter at 2013-04-11 23:14
越中ギフ、いいですね。
妻の実家が富山なので時々行くのですが、お盆と正月ばかりです。
いずれギフの時期に週末+1休くらいで行ってみたいものです。
Commented by fanseab at 2013-04-12 23:08 x
dragonbutterさん、毎シーズン、春先のギフ探索は興奮しますね。同じギフチョウですけど、地域毎に微妙に斑紋も違うし、何故か行動パターンも違うような気がします。
富山に拠点があるのは羨ましいです。何せ関東からは直線距離以上に遠く感じます。ですから2泊位はしてゆっくりと探索したいものです。
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