探蝶逍遥記

テングチョウの産卵等(3月下旬)

 コツバメの姿を求めて東京都下の谷戸を訪ねてみました。いつもテリを張っている転石の上を探してみますが、姿が見えません。陽射しが弱いことが原因かとちょっぴり諦めムードに。その後少し陽射しが回復した時にウメの梢に黒い影がやって来ました。待望久しい個体でした。


++横位置画像をクリックすると拡大画像を見ることができます++
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D71K-34、ISO=400、F11-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時37分

 例によって、傾斜日光浴がてらテリを張っております。その後ウメの花で吸蜜を開始。
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D71K-34、ISO=400、F11-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時37分

 管理人は恥ずかしながらコツバメの吸蜜シーンはこれが初体験。嬉しいショットになりました。後翅のブルー縁毛幻光も何とか表現できました。ただもう少し接近戦で撮らないとストローの表現が難しく、吸蜜しているか否か不明確な絵になってしまいます。コツバメを待機している間、ルリタテハが産卵モードで林縁をウロチョロしています。これはラッキーと思いながら、接近して何とかパチリ。
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D7K-85VR、ISO=200、F7.1-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時46分

 サルトリイバラの新芽付近に産んでおりました。ただ腹端のピントが甘く反省。4月中にどこかでリベンジがてら撮り直しをしたいと思います。その後、この林縁にテングチョウ♀と思しき個体が出現。こちらも産卵モードでしたので、暫く粘ってみました。最初は裏面からのショット。
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D71K-34(X1.3クロップ+トリミング)、ISO=400、F11-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時13分

 ピクセル等倍では産卵管を差し込む状態が確認できます。しかし、この角度からだと腹端が見難いので、ほぼ翅を水平に見込む状態で連続写真を撮ってみました。
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D71K-34(X1.3クロップ+トリミング+画像合成)、ISO=400、F11-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時22分32秒~42秒

 (1)右端から2番目のエノキ新芽に産み付け、その右に位置する新芽に産もうとしますが、体のバランスが取れないので、(2)(3)方向転換し、(4)産卵しております。一連の産卵行動では、ヒメアカタテハで観察されたような前脚連打行動(Drumming)は殆ど見られません。その代わり、触覚をしきりに下げて新芽に当てるような行動が観察されます。触覚を下げる行動はシジミチョウの産卵時に良く見られるのですが、これと良く似ております。しかし、食樹を正しく探し当てる能力は極めて低いようで、エノキ以外への誤産卵、およびそれに類した行動が観察されましたので、ご紹介しておきましょう。最初はサルトリイバラへの産卵行動。
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D71K-34(X1.3クロップ)、ISO=400、F11-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時14分

 流石に腹端を曲げる行為はしませんでしたが、新芽の正体を前脚と触覚で確認しているように見えます。なお、ルリタテハの孵化殻と卵、合計3個も確認できます。お次はガマズミと思われる新芽への産卵。
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D71K-34(X1.3クロップ)、ISO=400、F11-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時23分

 ここでは完全に産卵管を新芽に差し込んでいます。それにしてもテングの腹端は体軸に対して120度位まで前方に曲り、せいぜい90度程度しか曲がらないタテハチョウ亜科とは様相が異なります。後でこの新芽をチェックしましたが、卵は確認できず。もっとも新芽に奥深く卵を挿入していることも考えられるので、偽産卵行動だったのか。誤産卵なのかは不明です。最後はあろうことか、イボタへの産卵行動。
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D71K-34(X1.3クロップ+トリミング)、ISO=400、F11-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時25分

 腹端を曲げかかっておりますが、結局産卵はしておりません。「オイオイ、お前さん、ウラゴじゃあるまいし、しっかり樹を確認してみぃ!」と思わず叫んでしまいました。どうも今回の行動を見る限りテングの母蝶は新芽と思しき物体に当たり構わず産み付けていく・・・そんな感じがします。前脚連打をきちんとやって、食草を正確に選別していたヒメアカタテハに比べるとかなりルーズな印象を受けます。やはりタテハチョウの中では進化が進まないまま現代まで生き伸びてきた「生きた化石」なのでしょうかね。
 なにはともあれ、この日はテングとルリタテハ2種の産卵シーンをゲットし、先日のモンキチョウと併せ既に3種をゲットしたことになり、幸先良いスタートになりました。

【本体HPの更新】
 およそ7ヶ月振りに本体HP:東南アジアの蝶ファン倶楽部の更新をしました(3/27)。
今回は、「台湾の蝶」、「ボルネオの蝶(3)」を新設し、「香港の蝶」への追加、その他微修正を施しました。お暇な時にこちら(外部リンクを覗いて下さい。
by fanseab | 2013-04-01 21:58 | | Comments(12)
Commented by hemlenk at 2013-04-01 22:22
各産卵シーン、お見事です(=^・^=)
先日、ルリタテハの産卵に出会ったので散々ねらいましたが、とどまる時間が短く、結果も散々でしたぁ(笑)
テングの産卵ですかあ、見たことないです。ナイス!
コツバメ吸蜜、おめでとうございます。(=^・^=)
Commented by Garuda at 2013-04-02 01:52 x
昨年、イボタノキで羽化していたテングチョウが居てエノキはどこ?
と周りをキョロキョロ探した(見つからなかった)ことがあるのですが、まさか…?
Commented by mikatanukibaba at 2013-04-02 08:53
初めまして。ただ、ただ、蝶が好きで蝶に遊んでもらっている者です。以前より、拝見しておりましたが、身の程知らずにもブログを始めましたので、勝手にリンクさせていただきました。よろしくお願いいたします。
コツバメと梅の花、素敵です!!
石の上や枯葉の上にいるテングチョウとばかり会うことが多いので、産卵シーンを見せていただき感激です(^^)/

Commented by 22wn3288 at 2013-04-02 09:07 x
コツバメの吸蜜、テングチョウの産卵、いいですね。
テングチョウの裏面のショット 素敵です。
Commented by naoggio at 2013-04-02 12:29 x
ルリタテハの産卵は見たことがありますがテングチョウは初めて見ました。
天狗なのに鼻が利かない?テングチョウ、面白いですね。
でも意外と知られていない食性がある可能性も捨てきれません。
そう思って見ていたら Garud さんのコメント・・・
これは可能性ありかなと。
Commented by Sippo5655 at 2013-04-02 21:40
コツバメの吸蜜、可愛いですね!
私は吸蜜どころかこのチョウをまともに撮ったことがありません^^;
テングチョウのお母さん。。そうなんだ、、
なんか親近感湧いちゃいました^^
キアゲハも、似たところありません?
さなぎになるのも下手らしいですね^^;
Commented by fanseab at 2013-04-02 21:45 x
ヘムレンさん、魚心あれば水心・・・ではないですけど、「産卵シーンはどこかに転がっていないか?」と血眼になっていると、相手が目に入ってくるものです。この日は他にアカタテハ♀の産卵挙動を観察しましたが、こちらは食草が全く生えていないのか?産卵には至らず、母蝶もこちらもガッカリでした。コツバメは白系の花弁を好むようですね。一度定番のアセビ吸蜜を撮りたいです。
Commented by fanseab at 2013-04-02 21:49 x
Garudaさん、タテハチョウは基本的に蛹化時に食樹や食草を離れる傾向にあります。ですので、イボタで蛹化・羽化したとしても、イボタを食していたことの証明にはならないのです。地道にイボタに強制産卵させて、飼育し、幼虫が無事発育するかの検証が必要です。この時期、テングは未だ殆ど芽が吹いていないようなエノキを探して産卵しております。たぶん、そのイボタの近くにはエノキがあるはずなのですが。。。
Commented by fanseab at 2013-04-02 21:55 x
mikatanukibabaさん、こんばんは。
拙ブログへようこそ!!
<ただ・・・蝶に遊んでもらっている者です
そうですか。小生は「蝶に遊んでもらっている」と言うよりは、「蝶に弄(もてあそ)ばれている」と言うべきでしょうね。ハハハ。
この時期の正午頃、日当たりの良い林縁を落ち着きなく舞っているテングがいたら、恐らく♀で、産卵シーンの期待が持てます。♂と微妙に飛び方が異なるので見分けることができますよ!
リンクの件、有難うございます。ブログは「大人の絵日記」そのもので、更新頻度はともかく、長く続けることが大事だと思います。数年後、振り返ってみると楽しい思い出が蘇ってきます。
Commented by fanseab at 2013-04-02 21:59 x
22wn3288さん、いつもコメント恐れ入ります。
最近、コツバメを追跡するための動体視力が衰えたような気がして結構苦労しました(^^; ♂は吸蜜の最中も空中戦を仕掛けて行くので、結構撮影に苦労しますね。じっくり蜜を吸う♀で再トライしたいです。テングの産卵はどうしても頭上高い場所になるので、裏面から狙うケースが多いですね。
Commented by fanseab at 2013-04-02 22:01 x
naoggioさん、この時期はスプリングエフェメラルを追いかけ回すことに注力するので、どうしても越冬タテハ類の観察は後回しになりますね。今シーズン、産卵シーン撮影を主目的にしていなかったら、小生も恐らくテングには見向きもしなかったかもしれません。食性については飼育検証が一番ですが、なかなかそこまで手が回りませんね。
Commented by fanseab at 2013-04-02 22:07 x
Sippo5655さん、そうですか?コツバメと相性悪いのですか!確かにハエのようにすばしこくて見つけ難い蝶ですね。Sippoさんがどのようにコツバメを料理するのか?早く画面を見たいですね。八ヶ岳附近の高原ではゴールデンウイーク頃飛んでいるので、まだまだチャンスはありますよ。キアゲハの産卵モードはこれまでの体験では、結構律儀にセリ科に産んでいたような気がします。食草以外にも産み付けるとは初耳でした。
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