探蝶逍遥記

ボルネオ・グヌンムル公園遠征記(20)セセリチョウ科

 ブログ仲間からは続々と新羽化成虫のレポートがなされております。このシリーズも急いで先に進行させなければ・・・。で、ようやくセセリチョウまで辿りつきました(^^;
 今回ご紹介するセセリ類は同定に苦慮するものが多く、間違いがあればご指摘願います。最初はアカオビセセリ(Koruthaialos rubecula rubecula)♂。                                       
                                                                     ++横位置画像をクリックすると画像閲覧ページに飛び、拡大画像を見ることができます++
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D90-34、ISO=400、F5.6-1/800、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2012年3月13日、9時58分

 前翅に「赤色の帯」が入ることに因む、分かりやすい和名の付け方です。同属種sinduとの区別は相当難しく、赤帯の出方からrubeculaとしましたが、自信ありません。パルピの形状や前翅裏面の性標(♂のみ有効)を見ないと断定はできないとされています。続いて♀と思しき個体の開翅と閉翅です。
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D90-34、ISO=400、F4-1/400、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2012年3月13日、9時48分
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D90-34、ISO=200、F11-1/80、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月13日、9時52分

 ジャングルの林縁環境がお好みで、陽だまりを求めてチラチラと赤班を輝かせながら飛ぶ姿が大変印象的なセセリです。日光浴する時間は短く、すぐに暗い林内に入り込んでしまいます。続いて前翅に同じ赤帯が入ったデザインのアルマツスショウガセセリ(Ancistroides armatus armatus)。
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D7K-34、ISO=200、F9-1/200、-0.3EV、撮影年月日・時刻:2012年3月11日、9時57分
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D7K-34、ISO=500、F10-1/80、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月11日、10時03分

 一枚目は♂開翅、二枚目は♀と思しき個体の閉翅です。後翅裏面はストロボ光でビロウド状の紫色幻光が出現したのにはビックリしました。セセリでこのような幻光を見たのはこれが初めてですね。お次は恐ろしく地味なフリゴハネナガセセリ(Psolos fuligo fuligo)。
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D7K-34(トリミング)、ISO=400、F9-1/400、-1.0EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月10日、9時41分

 全く無紋で茶褐色。国内のセセリで例えると、翅はホソバとギンイチの中間程度の細さですね。4種目はarmatusと同属のニグリタショウガセセリ(Ancistroides nigrita othonias)。
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D7K-34、ISO=200、F9-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月11日、9時28分
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D7K-34、ISO=200、F9-1/320、-1.0EV、撮影年月日・時刻:2012年3月11日、9時58分

 最初はバナナの花からの吸蜜シーン。バナナの茎が手前に邪魔して酷い絵ですが、このセセリの長大なストローが良く伺える画像です。二枚目は陽だまりでの開翅。このように一様な茶褐色系セセリは傷がすぐに目立ちます。ギンイチやクロツ撮影同様、完品探しはなかなか難しいものです。お次は遊歩道脇のショウガ科と思しき葉から見出したセセリの巣。
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GXR@5.1mm、ISO=200、F3.6-1/50、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月12日、10時03分

 巣の長さは15cmほど。慎重に中を空けると登場したのは巨大な幼虫。
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GXR@5.1mm、ISO=200、F3.6-1/25、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月12日、10時05分

 体長は約45mm。種同定はできていません。ボルネオにはショウガ食いセセリが沢山いますけど、さて何でしょうね? 最後は南九州~南西諸島でもお馴染みのクロボシセセリ(Suastus gremius)。
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GXR@5.1mm、ISO=200、F3.6-1/125、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月14日、7時06分

 但しこの画像はグヌンムルではなく、コタキナバルのドブ川の畔で偶然見つけました。同属のeveryxを除き、恐らくgremiusはボルネオ島本来の土着種ではなく、外来種なのだと思います。街中でもヤシ科があれば生きていける、本当に繁殖力の強いセセリなのでしょう。最後に今回、目撃・撮影できたセセリチョウ科全7種をリストアップしておきます。

<セセリチョウ科目撃・撮影種リスト(黄色字は目撃種)>
(1) キオビビロウドセセリ(Hasora schoenherr chuza)
(2) アカオビセセリ(Koruthaialos rubecula rubecula)
(3) フリゴハネナガセセリ(Psolos fuligo fuligo)
(4) ニグリタショウガセセリ(Ancistroides nigrita othonias)
(5) アルマツスショウガセセリ(Ancistroides armatus armatus)
(6) クロホシセセリ(Suastus gremius)
(7) 種不明のセセリ幼虫

 これにて19回に渡り連載してきたグヌンムル遠征記の蝶バージョンはおしまいです。今回遠征で目撃・撮影できた全71種を科別に再度まとめておきましょう。
<目撃・撮影種類数リスト(幼虫のみ観察種も含む)>
・アゲハチョウ科:11種(詳細リストはこちら
・シロチョウ科:7種(詳細リストはこちら
・シジミチョウ科:13種(詳細リストはこちら
・シジミタテハ科:2種(詳細リストはこちら)
・タテハチョウ科:31種(詳細リストはこちら)
・セセリチョウ科:7種(詳細リストは上記参照)

 滞在中、午後は殆ど雨にたたられた悪条件を勘案すれば、良い成果だったと思います。次回からは蝶以外の昆虫等のご紹介に移行します。ご期待下さい。
<次回へ続く>
by fanseab | 2013-03-07 22:50 | | Comments(4)
Commented by 22wn3288 at 2013-03-08 08:41 x
綺麗なセセリチョウが居るのですね。
流石熱帯という感じです。
沢山の珍しいチョウを見せて頂いて嬉しいです。
Commented by fanseab at 2013-03-08 22:57 x
22wn3288さん、前翅のみに橙色のアクセントがあるセセリは国内にはいないので、とてもインパクトがあります。また生息環境が暗いので、その橙色がとても強烈な印象を残しますね。
Commented by 6422j-nozomu2 at 2013-03-10 09:41
ボルネオでの1年前の撮影写真ですか。良いなあ海外。セセリの仲間は一般的に地味だけど、1枚目の子は凄く個性的ですね。
Commented by fanseab at 2013-03-10 20:33 x
ノゾピーさん、1年前の画像、そろそろカビが生えてしまうので慌てて掲載しております(^^; アカオビは画像で見る以上に現地で飛ぶ姿は個性的というか、インパクトがあります。
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