探蝶逍遥記

ボルネオ・グヌンムル公園遠征記(18)タテハチョウ科・モルフォチョウ亜科

 ワモン類も魅力的な種群ですが、なかなか出会うチャンスがありません。以前、期待して遠征したボルネオ・ポーリン温泉でもわずかにソンダイカコノハワモン(Discophora sondaica symphronia)に出会っただけ(外部リンクでした。ところがどっこい、今回は嬉しいことに全4種、いずれも未撮影種に出会うことができました。最初はグラキリスヒメワモン(Faunis glacilis glacilis)。雰囲気的に♂かな?                          
                                                                          ++横位置画像をクリックすると画像閲覧ページに飛び、拡大画像を見ることができます++
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D7K-34、ISO=640、F11-1/80、-1.0EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月12日、12時36分

 Faunis属に出会うのは香港でeumeus(外部リンク)に出会って以来でした。本種は同属中最少サイズとされていますが、表翅が目立つ橙色であることもあって、飛翔中はそれほど小さく感じられません。例によってムチャクチャ敏感で姿は見えども撮影できない・・・こんな状況が続いてイライラさせられました。シマジャノメと混棲していて、とにかく暗い林床が大好き。林床低くパタパタと10m位飛んでは下草に静止します。お次はキラタヒメワモン(Faunis kirata kirata)。
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D7K-10.5-X1.4TC(トリミング)、ISO=320、F9-1/500、-1.0EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月11日、10時32分

 アカエリトリバネアゲハの飛翔撮影中、林内から急に飛び出してきたところを慌てて撮影。ムチャトリミングしてのご紹介です。マクロで撮り直そうと思ってカメラを持ち替えたら、既に姿を消しておりました。図鑑によれば本種はglacilisよりも森林性が強く、個体数が少ないとのこと。こんな記述を読むと、余計マクロで撮れなかったことが悔やまれました。近縁種canensとは前翅裏面中央をよぎる暗色条が本種ではボンヤリすることで区別されます。3番目に登場するのは大型のワモン、アウレリウストガリバワモン(Zeuxidia aurelius euthycrite)です。
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D7K-34、ISO=500、F9-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月11日、11時15分

 遊歩道をよぎる小川の畔から、急にバサバサと羽音が聞こえる位の迫力で飛び立ちました。一瞬、どこに隠れたか見失いましたが、何とか発見し、慎重に回り込んで撮影。以前スラウェシで撮影したフィディップスコウモリワモン(Amathusia phidippus celebensis:外部リンク)と同サイズで量感タップリです。暗いジャングルを飛翔中に前翅が放つ、金属光沢のブルーは本当に魅力的で、「なるほど、ワモンチョウがモルフォチョウ亜科に属するのも当然だなぁ~」と納得させられてしまう蝶です。飛翔でしか、そのブルーを撮影できないはずですが、このワモンの飛翔を撮るには後何年ボルネオに通えば良いのかぁ~と溜息が出てしまいます。最後は翅形が丸みを帯びたクルギウスルリワモン(Thaumantis klugius lucipor)
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D7K-34(トリミング)、ISO=400、F10-1/400、-1.0EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月10日、9時37分

 もちろん、本種も初撮影。ご覧のように木製遊歩道の上で隣にトカゲを侍らせながら(笑)、吸汁しておりました。ただ間合いを詰めようと思うとすぐに飛び立って茂みに入り込んでしまいます。接近戦で撮るにはフルーツ系のトラップが必要なのでしょう。その後何回か出会っても、藪に逃げられることを繰り返して勝負になりません。それでもようやく茂みの中に潜む個体を撮影できました(葉被り必死の状況でピンポイントのフレーミングが必須でした)。
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D7K-34(トリミング)、ISO=640、F10-1/60、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月12日、12時52分

 白い粉を吹いたような独特な裏面で、後翅第2・6室に配された眼状紋も非常に個性的です。後翅肛角部周辺は、海面に漂うとされるマンボウの頭部を彷彿とさせる模様ですね。こちらも飛翔中、和名通り、深い瑠璃色をチラつかせながら飛ぶ姿はとても綺麗です。aureriusと比較すると林床低くを飛ぶので、粘ればこちらの飛翔撮影チャンスは多いように思います。ただ、林床に降りると裏面は完璧な保護色となるため、居場所を見失うこと必死で、飛び立たせてから飛翔を撮ろう・・・等の安易な作戦は通用しそうにありません。
<次回へ続く>
by fanseab | 2013-02-25 21:09 | | Comments(4)
Commented by chochoensis at 2013-02-27 14:41 x
fanseabさん、今回も素敵ですね・・・あきれたのが、クルギウスルリワモン・・・蝶の裏面の薄紫色もすばらしいですが、隣に居る=トカゲの仲間=・・・物凄く気になります・・・。蝶と比べるとそんなに大きくないようなので、可愛らしいですね・・・。
昔、タイ・ミャンマー国境付近の山中を歩いたのが懐かしいです。
Commented by fanseab at 2013-02-27 22:45 x
chochoensisさん、ボルネオも昆虫が多いのでこれを捕食する小動物もこれまた数多く、随所でこうした蝶と小動物のツーショットが見られます。トカゲも大小様々でまたいつかご紹介したいと思います。
Commented by OTTO at 2013-02-28 20:13 x
東南アジアにはワモンチョウの仲間が沢山いるようですね。
私は、台湾で3種(ワモン・トガリバワモン・エウメウス)を見ることが出来たのですが、ワモンチョウは別として、わりと地味で、棲息している場所も竹やぶや陰湿な日陰だったりで、日本で言えばジャノメ類の雰囲気でした。
モルフォもどちらかといえば、似た感じなんでしょうね。
Commented by fanseab at 2013-02-28 22:00 x
OTTOさん、ご指摘の通り、東南アジアはワモンの宝庫です。いずれも薄暗い環境にいて、無茶苦茶敏感なので、撮影を悩ます筆頭格でもあります。ですので逆に撮影意欲を掻き立てられる種群ですね。南米のモルフォを見たことはありませんが、恐らくはワモンと性質・行動の質はそっくりだと思います。
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