探蝶逍遥記

ボルネオ・グヌンムル公園遠征記(17)タテハチョウ科・ジャノメチョウ亜科

 豊富な種類を誇るジャノメ類はいつも期待して出かけていきます。今回も既撮影種の撮り直し、初撮影種含めまずまずの成果が出ました。最初はどこの遠征先でも出会うルリモンジャノメ(Elymnias hypermnestra nigrescens)の♀。                            
                                                                          ++画像をクリックすると別ページに飛び、拡大画像を見ることができます++
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D7K-34(トリミング)、ISO=400、F11-1/400、-1.0EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月11日、7時33分
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D7K-34、ISO=640、F11-1/250、-0.3EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月11日、7時35分

 朝方、公園本部脇にある食堂前の緑地に佇んでおりました。この手の普通種は各亜種画像の採集が重要です。今回のボルネオ産亜種nigrescensは初撮影。表翅は亜種名の由来通り「黒」味を帯びて、名義タイプ亜種♀に見られる橙色が全く出現しておりません。台湾で閉翅している本種にストロボを当てると半開翅する性質を発見したので、この時もこの方法をトライし、少し開翅してくれて助かりました。お次はムカシヒカゲ(Neorina lowii lowii)。
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D7K-34、ISO=200、F4-1/400、-0.3EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月10日、12時36分

 このヒカゲはポーリン温泉で初めて出会って(外部リンク)からお馴染みになりました。飛んでいる姿はモンキアゲハそっくりです。ただ、今回は破損品が多くてあまりレンズを向けることはありませんでした。そしてポーリン温泉でも出会ったオルセイスコジャノメ(Mycalesis orseis borneensis)。
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D7K-34、ISO=200、F9-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月11日、9時21分
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D7K-34、ISO=400、F13-1/50、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月13日、9時15分
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D90-10.5-X1.4TC、ISO=200、F13-1/30、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月11日、9時23分

 1枚目は♂閉翅。表翅に藍色の幻光が出現する綺麗なコジャノメです。この絵でも僅かに開いた外縁側にチョッピリその幻光が伺えます。2枚目は今回初撮影の♀。♀は表翅の幻光を発せず、後翅裏面基部側の暗色条が♂のように基部側に曲がらない特徴があって♂♀の区別が可能です。この暗色条紋の発現差は日本のコジャノメ(M.francisca)と全く同様で、Mycalesis属の多くで適用可能なルールのように思えます。3枚目は♂の広角画像。宿泊したロッジのすぐ前で下草に佇んでいる様子です。国産コジャノメ同様、相当暗い環境を好みます。Mycalesis続きで地色が橙色のアナピタコジャノメ(Mycalesis anapita fucentia)。
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D7K-34(トリミング)、ISO=400、F7.1-1/250、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月10日、15時55分
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D7K-34(トリミング)、ISO=400、F10-1/320、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月10日、10時54分

 anapitaは近縁種patianaと酷似していて裏面だけからは判定が難しいのですが、今回は開翅してくれたのでanapitaだと断定できました。見分け方は前翅第2室に出現する眼状紋が外縁部の黒い縁取りに覆われるか否か。覆われなければanapita、半分以上隠れればpatiana。今回は運よく♂(1枚目)♀(2枚目)を撮り分けることができました。♀はご覧のように♂に比較して地色が薄く、後翅外縁側の黒い縁取りが殆どありません。しかし、1枚目は完全に露出オーバーで大失敗作(^^; こいつも撮り直しリストに入ってしまいました。ただ夕方に開翅するチャンスがあることを知ったのは収穫でした。それに♂♀共に今回は地表スレスレを飛んでいて、森林を縫うように飛んでいたダナムバレーやポーリン温泉での姿と異なり、違和感を覚えました。最後は撮り直しをしてみたかった筆頭格のシマジャノメ(Ragadia makuta umbrata)。
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D7K-34、ISO=200、F4-1/500、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2012年3月12日、11時06分

 ストロボを使用するとピクッと反応して飛び立ってしまうので、仕方なくノンストロボでの撮影。しかし、相当暗い環境なので、元画像は超ローキー!RAW現像でガンマコントロール機能を使って何とか暗部を持ち上げてみました。銀塩だったら全く復活不可能なコマだったでしょう。デジタル画像のご利益を改めて感じた次第。この時は余裕がなかったのですけど、やはりこのジャノメが棲む暗い林床環境を広角で写し込んでみたいものです。これも次回遠征時の宿題事項のようです。
<次回へ続く>
by fanseab | 2013-02-22 22:06 | | Comments(10)
Commented by 22wn3288 at 2013-02-23 08:36 x
ジャノメの仲間もいい模様が素敵ですね。
藍色の幻光が素晴らしい。
綺麗なジャノメチョウか居るのですね。
Commented by himeoo27 at 2013-02-23 17:19
若い石鯛のような「シマジャノメ」は、
白と黒の縦筋模様が素敵ですね!
Commented by fanseab at 2013-02-23 21:04 x
22wn3288さん、東南アジアのジャノメ類はそれこそ無尽蔵に種類がいるのではないか?と思える位、豊富な品揃え?にビックリします。Mycalesis属等は裏面は殆ど日本産とそっくりですが、表翅が橙色だったり、藍色だったりバリエーションが豊富です。ただ表翅を写し込むには各種が開翅する時間帯に関して予備知識が必要になるため、遠征しても撮れないことが殆どです。
orseisの開翅撮影も目標の一つになりました。
Commented by fanseab at 2013-02-23 21:07 x
himeooさん、石鯛ですかぁ!なるほど斑紋を魚類に譬えるべき種類もいるかもしれませんね。
シマジャノメのようなパターンは類似種が日本にいないので、大変インパクトがあり、はるばる赤道に近い森までやってきたなぁとの感を強くさせるジャノメです。
Commented by ma23 at 2013-02-23 21:44 x
お久しぶりです!
シマジャノメはなかなか素敵ですね。これは横縞?縦縞?
続きも楽しみです!
Commented by ごま at 2013-02-23 21:54 x
こんなに魅力的な蝶がいるんですね。
目の前に現れたら、ドキドキ・ワクワクでしょうね。
凄いです。溜息がでます。
Commented by clossiana at 2013-02-24 12:00
アナビタコジャノって山形産のチョウアカにそっくりなんですね。
大きさがわかりませんが、もし日本のコジャンメと同じくらいだとすれば完全に間違いそうです。
それにしても、こういう色合いのコジャノメの仲間がいるとは。。
びっくりです。
Commented by fanseab at 2013-02-24 20:14 x
ma23さん、ちょっとご無沙汰です。
シマジャノメ素敵でしょ!縦縞ですね。シマウマ模様と言ったらいいですかね。このジャノメ、シダ植物を食う珍しい蝶です。シダを食べると縞馬模様になるかはわかりませんが・・・。
Commented by fanseab at 2013-02-24 20:15 x
ごまさん、色々と変わった蝶がいるでしょ。
やはり、図鑑でしか見たこと無い蝶が目の前に現れると国内外を問わず、ドキドキしてしまいますね。近いうちにどうぞ遠征なさってくださいませ。
Commented by fanseab at 2013-02-24 20:18 x
clossianaさん、チョウセンアカに擬えたのですね。確かにそんな発想もありかもしれません。国内ではベニヒカゲ類を除き、表翅が橙色を帯びるジャノメはいませんからね。
この子はコジャノメとヒメウラナミジャノメの中間程度のサイズですが、飛翔スピードはコジャノメよりも遥かに速いです。
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