探蝶逍遥記

ボルネオ・グヌンムル公園遠征記(3)アゲハチョウ科その2:Papilio属

 アカエリの次は国内でもお馴染みのPapilio属です。本属で一番期待したのは、カルナルリモンアゲハ(P. karna carnatus)。Achillidesの逸品を是非ファインダー内に収めたいと探しておりましたが、ついに出会えずじまいでした。時期は合っているはずなのにガッカリ。次回以降ボルネオ遠征での課題となりました。結局、ボルネオでも極当たり前に分布する普通種が並ぶことになります。今回ご紹介するのはいずれも♂個体。最初はモンキアゲハ(P. helenus enganius)。                                 
    ++画像はクリックで拡大されます++
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D7K-34、ISO=400、F7.1-1/320、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月10日、16時13分

 
 ヒギリ(Clerodentrum sp.)の赤い花から吸蜜している場面。ヒギリはクサギと同属ですので、熱帯アジアでもPapilioが集うのは当たり前かもしれません。これまで海外でのモンキは吸水場面しか撮影できていなかったので、これはこれで嬉しい画像となりました。お次はシロオビモンキアゲハ(別名:タイワンモンキアゲハ、P. nephelus albolineatus)。
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D7K-34(トリミング)、ISO=640、F4-1/1250、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月10日、16時40分

 同じくヒギリからの吸蜜です。ヒギリはコウモリの集団群飛で有名なDeer Cave入口に設置された「コウモリ観察所(Bat observatory)」の周辺に多く、↑の2枚共にここでの撮影。2枚目は激しいスコールが少し止んできた時、休憩所から狙ったもので、運よく未だ激しかった雨脚が写ってくれました。シロオビモンキは吸水場面も目撃。
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D7K-34、ISO=400、F8-1/100、-0.3EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月11日、11時54分

 遊歩道上で吸水しております。逆光に前翅をよぎる白班が綺麗です。遊歩道には蛇行する溝が切られており、排水と滑り止め防止目的のためでしょう。ただ降水量が半端ではないので、溝には苔が密集し、少なくとも滑り止めの機能は消失しているように思われました。逆に苔が生えて保水量が向上し、アゲハ類の吸水には好都合になっているようです。   
 最後はお馴染みのナガサキアゲハ(P. memnon memnon)。
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D7K-34、ISO=400、F11-1/250、-1.0EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月12日、10時34分

 遊歩道脇に設けられている木製手摺の支柱にやって来た個体。実はこの支柱の上にこっそりと動物性トラップのブラチャン(Belachan)を仕掛けておいたのです。目的はフタオ類(PolyuraもしくはCharaxes属)の吸引。ただ今回は外道(ナガサキやEuremaには失礼!)しか引っかかりませんでした。次回もアゲハチョウ科の続きです。
<次回に続く>
by fanseab | 2012-12-23 17:40 | | Comments(10)
Commented by OTTO at 2012-12-23 18:09 x
写真の名手、fanseabさんの撮影になる美しいカルナルリモンアゲハの画像を是非拝見してみたかったですが、ちょっと残念でした。
自然の生き物相手の場合は、遠路はるばる出かけてもなかなか思うようにならないのが悔しいところですね。
でも、普通種とはいえ、アゲハ類の飛翔や吸蜜などの画像は何度見ても心躍るものがあります。
シロオビモンキはタイワンモンキと同じ種類に含むというのが最近の見方だそうですが、台湾産と違って白い紋がでかいですね。
日本人にとっては見慣れないアゲハで、とてもかっこいい蝶ですよね。この蝶もボルネオでは普通種なんでしょうか。
Commented by fanseab at 2012-12-24 10:54 x
OTTOさん、どこの遠征先でもアキリデスの煌めきはカメラマン
の写欲を満たすので真っ先に探してしまいます。カルナは幻と
なりました。シロオビモンキはモンキ同様ボルネオでは普通に
見られます。ちょっと目には両者を見分けられないことが多いですが。
Commented by thecla at 2012-12-24 15:15 x
ヒギリの赤い花とシロオビモンキアゲハの大きな白紋が映えて素敵です。
↓のアカエリも目の毒画像がてんこ盛りです。
Commented by Sippo5655 at 2012-12-24 21:43
白い帯のモンキアゲハ・・・!
なんか、不思議感覚です^^
この赤いお花は、クサギと同族・・・たしかにそんな形状ですね。
クサギより情熱的な色合いで、とてもお似合いですね!
Commented by fanseab at 2012-12-24 23:18 x
theclaさん、ヒギリの花は熱帯アジアのシンボリックな鮮やかさで、黒系アゲハとの組み合わせがとても映えます。国内の秋口に出会う彼岸花と黒系アゲハとの組み合わせに通じるものですね。アカエリは写真の出来映えはともかく、十分堪能できました。
Commented by fanseab at 2012-12-24 23:26 x
Sippo5655さん、ヒギリはよく熱帯アジアのリゾートホテルの植栽として利用されています。灼熱の熱帯、抜けるような青い空にお似合いの花です。シロオビモンキは前羽にも白帯がある分、羽ばたき時に、賑やかな印象を受けます。
Commented by naoggio at 2012-12-25 07:32 x
シロオビモンキ、きれいですね。
殊にスコールの中のショットは熱帯らしくていいです。
白帯くっきりなので台湾のタイワンモンキとは印象が全然違いますね。別種扱いだったのも頷けます。
Commented by fanseab at 2012-12-25 20:53 x
naoggioさん、シロオビモンキはシンプルなデザインですが、
綺麗なアゲハです。背景に雨を意識して写し込むのは国内では
何度かトライしておりますが、海外では初めてでした。
レンズがずぶ濡れ状態になるのを避けて屋内から撮影している
ので、意外と余裕がありました。ご指摘のように台湾の本種は
通常モンキとさほど印象が変わりませんが、前翅に白班が載ると
全く別物の雰囲気になります。
Commented by himeoo27 at 2012-12-26 21:13
最後のナガサキアゲハは、関東平野に生息している
ものと比較すると翅の模様が少し違うように感じます。
亜種なのかな?
Commented by fanseab at 2012-12-26 21:30 x
himeooさん、ご指摘の通り、ボルネオ産亜種は国内産亜種、
thunbergiiとは後翅の斑紋が大きく異なります。表翅には淡い
ブルーの鱗粉が多数散りばめられ、後翅外縁側には黒班が目立ち、オオゴマダラ等への微かな擬態を示す兆候が出てきます。
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