探蝶逍遥記

ヒメアカタテハの身体検査

 先日、ヒメアカの飼育が完了した際、おとなしくしていることを幸いに羽化直個体の各パーツを拡大撮影してみました。最初は頭部。全ての画像は11月26日に撮影。
                                                                              ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D7K-1855改@55mm(トリミング+4コマ深度合成処理)、ISO=100、F29-1/250、-1.0EV、外部ストロボ

 フサフサした毛並だけに着目すると、まるで犬か猫の毛並を見ているような。思わずなでなでしたくなります(^^) それに複眼基部にある鱗状の毛も面白い形状をしております。更に何より注目すべきは複眼上に生えている毛です。ここだけ拡大したのが次の画像。
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D7K-1855改@48mm(トリミング+3コマ深度合成処理)、ISO=100、F29-1/200、-1.0EV、外部ストロボ

 複眼は個眼から構成されておりますが、複眼上の毛は相当な密度で生えていることがわかります。蝶の複眼上毛は科・種により様々で、例えばシジミチョウ科では、ルリシジミやウラギンシジミは有毛、一方、キマダラルリツバメやムラサキシジミは無毛とされています。緑系ゼフも確か有毛で、ゼフの拡大像を撮影する時、どうも複眼にピンが来ないような経験をしたことがあります。これも複眼上の毛が災いして、ビシッとピントが合焦していない感覚になるからだと思います。複眼上毛の機能は単純に考えて複眼を機械的に保護するためでしょうか? ゴミが直接付着すれば複眼に擦過傷が入って、視力が大幅に減少しそうです。また降雨や結露した際、細かな毛があれば撥水して複眼上に水滴が直接付着するのを防止することが可能です。でも無毛の種類ではどうやって、上記リスク回避をしているのでしょうね。お次は触角。
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D7K-1855改@55mm(トリミング)、ISO=100、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ

 驚いたことにアンテナ上にも鱗粉があります。それも白、黒、ブルーと結構賑やかな配色です。先端には鱗粉がありません。次はお馴染みの鱗粉。
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D7K-1855改@55mm(トリミング)、ISO=100、F29-1/50、-1.0EV、外部ストロボ

 後翅裏面第2室にある眼状紋の拡大像です。ここだけ見れば孔雀の羽そっくりで本家本元のクジャクチョウも真っ青になる出来栄えです(^^) それにしても混沌とした蛹の体内からこんな複雑な鱗粉構造が出来上がるとは、本当に信じられないですね。最後は管理人が殊の外拘る縁毛です。
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D7K-1855改@55mm(トリミング)、ISO=100、F29-1/50、-1.0EV、外部ストロボ

 縁毛も鱗粉の1バージョンであることがこの画像からよく理解できます。ヒメアカは白い縁毛がお洒落ですが、超拡大した縁毛の姿もこれまた魅力的です。
by fanseab | 2012-12-06 22:09 | | Comments(10)
Commented by 22wn3288 at 2012-12-07 08:58 x
蝶の体を細かく詳しく見たのは初めてです。
自然の妙に驚かされます。
素晴らしい色彩もありますね。
びっくりの世界でした。
有難うございました。
Commented by OTTO at 2012-12-07 21:21 x
ドひゃー!!!すんごい精密画像!
素晴らしいです。
普通種といえ、こんな細部にわたって見せられると、自然が生み出した生き物の奥深さ、精密さ、その造形の神秘に打たれますね。
触覚に鱗粉があるのもびっくりですが、目の拡大画像の複眼の周り(下方)にあるのも鱗粉でしょうか。
Commented by himeoo27 at 2012-12-07 22:10
生きた蝶の接写が大好きな私には垂涎ものの画像
の連続です。
いやあ~面白いですね!
Commented by fanseab at 2012-12-07 22:54 x
22wn3288さん、蝶の身体検査を楽しんでみました。
他にもシジミチョウとか尾状突起の構造とか、羽化直品で
確かめてみると面白い点が色々とありそうです。
Commented by fanseab at 2012-12-07 22:57 x
OTTOさん、ちょっとレンズで遊んでみました。
複眼に生えている毛は以前から興味がありましたので、
飼育を実施した後で確かめてみることにしたいと思います。
そもそも鱗粉も毛も同じ細胞から分化したのでしょうから、複眼の下方にある鱗状の毛も鱗粉と言ってもいいのではないでしょうか。
Commented by fanseab at 2012-12-07 22:58 x
himeooさん、野外でこのような絵の撮影はちょっと無理なので、
飼育での羽化直個体でトライしてみました。
色々な部位に聴診器代わりにレンズを向けてみるのも面白いです。
Commented by Sippo5655 at 2012-12-07 23:05
複眼に、毛・・・
それなりの理由があってのことだと思いますが
アゲハなんかには、無いですよね・・
ほんと不思議・・・この子に聞いてみたいくらいです。
触覚にも、あるんですか~!
おそらくどんな小さな部位にも、それなりの
歴史が隠されているのでしょうね。
そもそも、あのイモムシ?が蝶になる、ということ
それ自体が、本当にミステリアス!
心臓が背中にあって、血が逆流するって、、
あああとこの複眼の周りの、白いの
魚のウロコみたい^^
Commented by midori at 2012-12-08 16:14 x
生き物に生えている毛というのは、その部分を守るためですよね。だから、大事なところに多く生えている。ということは、蝶のように飛び出した目は、やはり守らなければならないんですね。凄い超マクロ感動しました。
Commented by fanseab at 2012-12-08 21:26 x
Sippo5655さん、いつもコメント有難うございます。
アゲハの漆黒の複眼、無表情な感じでよく考えると不気味ですね。
アゲハは毛がないみたいですが、理由があるのでしょうね。
複眼の下は確かに魚の鱗のように分厚い感触があります。
Commented by fanseab at 2012-12-08 21:38 x
midoriさん、ご無沙汰しております。
新宿御苑での写真展での貴殿の作品も素晴らしかったですね。
我々人間には瞼があって、睡眠時に閉じることで眼球を保護していますけど、蝶は保護カバーがないことに改めて気が付かされました。複眼に生えている毛は人間でいえば睫毛と同じ役割かもしれませんね。
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