探蝶逍遥記

ヒメアカタテハの飼育記録

 サトキマ、ツバメシジミと併行して首題タテハの飼育も行ってきましたので、結果をまとめてご紹介しておきましょう。本種は以前にも一度飼育経験があるので少しお気楽にできました。10月15日にヨモギの葉上から採卵(産卵日は不明)、10月18日に孵化しました。初齢幼虫は管理人の怠慢で未撮影。食痕だけご紹介します。食草はヨモギ。                                                                                                        ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D7K-1855改@18mm、ISO=100、F22-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:10月22日

 これは葉の表側。この時期は基本「舐め食い」です。葉の裏側も示します。
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D7K-1855改@18mm、ISO=100、F22-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:10月22日

 吐糸して巣を造り、糞塗れ状態で暮らしております。左下に見えているのが2齢幼虫。その拡大像です。
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D7K-1855改@52mm(トリミング)、ISO=100、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:10月22日(孵化後4日目)

 体長は3.5mm。頭部は光沢のある漆黒色で無紋。頭部に銀縁眼鏡状(2つのリング)パターンが見えておりますが、これはリングストロボを使用したことによるものです。リングストロボはお手軽に無影照明ができますが、光沢のある対象に対しては注意が必要な好例とも言えましょう。金属光沢のあるコガネムシ等にリングストロボを使うと雰囲気ぶち壊しの絵になったりします。さて、10月27日頃、3齢になったと推定されます。これは30日の画像。
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D7K-1855改@18mm(トリミング)、ISO=100、F22-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:10月30日(孵化後12日目)

 体長は8.5mmほど。背面に並ぶ3対の突起の色が黄白色から淡い橙色に変化しています。
ご覧の通り、この時期には葉縁から食い切るように食痕も変化しております。この後、ちょっと観察を怠けており、あっという間に背面パターンも変化して終齢(5齢?)になったようです。
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D7K-85VR(トリミング+画像合成)、ISO=400、F13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:11月5日(孵化後18日目)

 体長は24mm。同じタテハチョウ亜科でもキタテハやルリタテハの終齢幼虫は棘皮も派手目で「ケバい」外観を示し、蝶屋と言えども触るのに躊躇しますが、ヒメアカはかなり地味ですね。これなら普通に摘まむこともできそうです(^^) 終齢段階での摂食量は半端ではなく、与えたヨモギもあっという間に食い尽くしていきます。そして11月11日に前蛹になりました。
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D7K-85VR、ISO=200、F13-1/125、外部ストロボ、撮影月日:11月12日(孵化後25日目)

 与えたヨモギの茎に懸垂しました。13日に無事蛹化。
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D7K-85VR(トリミング、右側のみ3コマ深度合成)、ISO=200、F13-1/100、外部ストロボ、撮影月日:11月13日(孵化後26日目)

 体長は21mm。この絵は蛹化した日に撮影しており、明確に表現できておりませんが、数日経過すると、蛹全体が鈍い金色光沢を呈してきました。背面のレフレクター(金属光沢のある突起)も目立たず、上品で風格ある蛹だと思います。蛹化後13日目になって翅面が色づき始め、11月28日には羽化寸前となりました。
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D7K-85VR(トリミング+3コマ深度合成)、ISO=200、F14-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:11月28日(孵化後41日目)

 この画像を撮影した後、ちょっと所用で席を外したのが敗因。戻ってみると、あちゃー! 既に羽化しておりました。どうやら♂のようです。
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D7K-85VR(トリミング)、ISO=200、F14-1/80、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:11月28日(孵化後41日目)

 「インターバル撮影の準備をしておけばよかった」と思っても後の祭り。羽化の瞬間を捉えるのは種を問わず難易度が高いです(^^: 翌朝,羽化個体を屋外に放し、無事飼育を終えることができました。なお、屋外で今回飼育に用いた卵とほぼ同時期に孵化した個体は現状まだ3-4齢で推移しているようです。
by fanseab | 2012-12-02 11:38 | | Comments(6)
Commented by naoggio at 2012-12-02 15:32 x
素晴らしい記録ですね。感心致しました。
羽化直前の蛹、凄いです !
羽化シーンは残念でした。まさかfanseabさんが席を外すのを待っていた訳ではないでしょね(笑)。
Commented by himeoo27 at 2012-12-02 18:01
羽化直後のヒメアカタテハの裏翅の模様綺麗ですね!
特に後翅の目玉模様の中の青色の煌めき良いな~
Commented by fanseab at 2012-12-02 23:01 x
naoggioさん、同時に3種の飼育をこなしていると、それぞれの記録がいい加減になり易く、苦労しました。羽化シーンを撮るためには、トイレも我慢し、万全の準備をしなければダメですね。大丈夫だろうと思った隙にいつも羽化してしまいます。仰るように席を外すタイミングを計っているのではないかとの疑念も生まれるのですよ。
Commented by fanseab at 2012-12-02 23:04 x
himeooさん、昨日はお疲れ様でした。
どんな種類でも羽化直の瑞々しさは絶品です。普通種でも羽化時に翅裏をじっくり眺めると、それまで気が付かなかった美しさを発見することが沢山ありますね。
後翅の眼玉模様中のブルーの煌めきについてはまた別途
詳しくご紹介する予定です。
Commented by 22wn3288 at 2012-12-03 08:49 x
羽化直前の蛹、
羽化直後の姿、とても綺麗ですね。
羽化のシーンに出会うには、かなりの運も必要のようですね。
新宿てはお目にかかれて嬉しかったです。
Commented by fanseab at 2012-12-03 21:22 x
22wn3288さん、土曜日は遠路お疲れ様でした。
こちらこそ、楽しい一時を過ごさせて頂きました。
タテハの羽化シーンで一部始終を撮影できたのは、これまで
アカボシゴマダラだけです。運も必要ですが、とにかく粘る
しかないと思います。粘る気力が失せた時、不思議とその隙を
縫って羽化に至ってしまいます。これを運が悪かった・・・と
済ますのはちょっと気がひけます。
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