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探蝶逍遥記

ツバメシジミの飼育記録

 今年の秋口は普通種の産卵シーン撮影に注力し、その副産物として卵の拡大撮影も実施してきました。折角、卵をゲットできたのでサトキマ同様、ツバメシジミも飼育をしてみました。因みに本種の飼育は初体験。10月13日にマルバヤハズソウへの産卵シーンを観察。この時点で採卵し、マルバヤハズソウで育てることにしました。10月17日に孵化。残念ながら孵化シーンは撮影できず。最初は食草の葉表を所謂「舐め食い」しておりました。                                                                                                                         ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D7K-1855VR@55mm(トリミング)、ISO=100、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:10月22日

 葉脈は固くて食えないようです。この時点での糞は黒色です。その後、姿が見えなくなったので、捜索してみると、果実に頭部を突っ込んで食っていたようで、ようやく葉上に姿を現しました。
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D7K-1855VR@55mm(トリミング)、ISO=100、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:10月22日(産卵後9日)

 体長は1.5mm。初齢後期かひょっとすると2齢かもしれません。その後も基本、果実に食い込んでおります。
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D7K-1855VR@50mm(トリミング)、ISO=100、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:10月25日(産卵後12日)

 この時期、マルバヤハズソウの果実は茶色に熟したものと緑色の未熟果が混在しますが、ツバメの幼虫は熟果には目もくれず、未熟果に食いついております。その結果、糞の色も緑色ないしは緑褐色に変化しております。ヤハズソウの葉を取り去って、幼虫の全貌を明確にしたい衝動に駆られましたが、幼虫を傷めたりすることに躊躇して、このまま観察を続けました。産卵後17日目の姿です。
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D7K-1855VR@45mm、ISO=100、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:10月30日(産卵後17日)

 体長は4mm。恐らく3齢だと思います。11月に入ると、少し摂食のペースが遅くなったような気がいたしました。脱皮したことに気が付かないまま4齢(終齢)になったようです。
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D7K-85VR、ISO=200、F14-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:11月5日(産卵後23日)

 体長はほぼ6mm。側面の濃褐色に縁取られた白線が目立つようになりました。食草のマルバヤハズソウもこの時点で屋外でも枯葉が目立つようになります。枯葉の中に潜れこんだ幼虫はプラケースの中とはいえ、時々見失うほど上手く枯葉に溶け込んでおります。そして11月10日頃、ほぼ摂食を停止し、体を丸めて越冬状態になりました。
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D7K-85VR(トリミング+深度合成:上段3コマ、下段2コマ)、ISO=200、F13-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:11月13日(産卵後31日)

 体長は7.5mm。体色がややピンク色を呈しております。シジミの幼虫類は前蛹直前にピンク色に変化することが多いですが、それに良く似た感じです。これまでご紹介してきた個体(個体#1とします)とは別に、食草として供給したマルバヤハズソウにもう1頭3齢の幼虫が付いていたようです。こちらを個体#2とします。この子の体色は当初褐色でしたが、10月30日に脱皮して4齢(終齢)になると緑色に変化しており、別種の幼虫かと思いました。両個体のその後の推移から、どうやらツバメシジミの終齢幼虫には体色で2型があるようで、#2は緑色型なのだと思います。
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D7K-1855VR@45mm(トリミング)、ISO=100、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:10月30日(産卵後17日)

 体長は約6mm。暫くすると、この個体の体色は微妙に変化し、背面の暗線も少しボンヤリとしてきました。
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D7K-85VR(トリミング、下段のみ2コマ深度合成)、ISO=200、F14-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:10月30日(産卵後17日)

 体長は7.5mm。この子も11月9日には越冬態勢に入り、体色は全体にピンク色を帯びた濃褐色に変化いたしました。
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D7K-85VR(トリミング+深度合成処理:上段3コマ、下段4コマ)、ISO=200、F14-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:11月5日(産卵後23日)

 元来褐色型であった個体#1と比較すると微妙に斑紋・体色が異なっておりますが、いずれの個体も枯葉の中では渾然一体となって見事な保護色になっております。屋外でも恐らく類似状態で越冬しているのでしょう。これを屋外で発見するのは極めて困難だと思います。サトキマ同様、現在拙宅冷暗所にて2頭の幼虫を保管中です。湿度管理を上手に行って来春の蛹化・羽化まで辿りつけると良いのですが。。。。
by fanseab | 2012-11-24 22:50 | | Comments(2)
Commented by Sippo5655 at 2012-11-26 22:05
飼育、頑張ってくださいね!
いろいろと管理も、大変そう・・・
わが家に連れ帰ったアカタテハの蛹は
残念ながら、★になってしまいました;_;
そっとしておけば良かった、、、
Commented by fanseab at 2012-11-28 00:34 x
Sippo5655さん、いつもコメントありがとうございます。アカタテハ残念でしたね。野外から蛹で採取してきた場合既に寄生やウイルス感染で病弱していて羽化に至らないことも多いと思います。飼育したからと変に罪悪感を持つ必要はないと思います。それと現在小生が飼育中のツバメシジミのように幼虫で越冬する種は室内保管でムチャ神経を使いますね。いずれにせよ、飼育を一旦やってみると、対象種に対する愛着が湧いてきますし、命を預かっている責任感のようなものも生まれます。無事羽化した時は本当にホッとしますね!
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