探蝶逍遥記

ハヤシミドリシジミの越冬卵探索(11月中旬)

 今秋初めてのゼフ越冬卵探索です。ハヤシを探索するのはもちろん初めてで、富士山麓のカシワ林を訪問しました。現地8時着。気温は5℃を切っており、冬装備で来て正解でした。
テキストによれば、ハヤシの産卵位置はバリエーションに富んでいて探索場所を絞り切れない悩みがあるとのこと。ゼフ越冬卵探索初心者の管理人には頭の痛い話ですが、先ずは一年枝の休眠芽からチェックしていくことに。しかし、カシワはご存じの通り、葉が落ちずに付いているので休眠芽を観察するのにムチャ邪魔になりますね! 葉を不用意にもぎ取ると、芽と葉の付根に付いている越冬卵を脱落させそうなので、慎重に作業を続けます。およそ10本の株にとりつき、約1時間半探索しても全く成果が上がりません。流石に心が折れそうになりました。そんな時は快晴の空を見上げ、冠雪した雄大な富士山を眺めて心を整えます。富士山の姿が見えなければすぐにでも撤退したかもしれません。
 そうして探索開始後2時間半が過ぎて、ようやく1年枝の分岐部より1卵発見できました。因みに発見場所から200m離れたポイントにはハヤシ以外にオオミドリも混棲しておりますので、これが直ちに「ハヤシ」と断定できるものではありませんが、とにかく1卵ゲットしてホッといたしました。産卵状況を魚露目画像でご紹介しましょう。
                                                                               ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D90-1855VR@55mm-gy8(トリミング)、ISO=200、F29-1/160、-0.7EV、外部ストロボ+スレーブ1灯、撮影時刻:12時18分

 そして拡大像です。
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D7K-85VR-24R(トリミング+3コマ深度合成処理)、ISO=200、F29-1/160、-1.0EV、外部ストロボ+スレーブ1灯、撮影時刻:11時40分、下段は2012年2月4日撮影分

 下段に参考図示したオオミドリ越冬卵画像と比較してみましたが、残念ながら違いを見出せません。一説には「ハヤシの棘皮はオオミドリよりは細く尖らない」らしいのですが、どうにも腑に落ちません。ただ、これまで撮影したオオミドリ卵はいずれも汚れて棘皮も一部折れており、この冬、比較的綺麗なオオミドリ卵を探索して再撮影し、比較検証してみたいと思います。この後も休眠芽近傍、枝分岐部、樹肌の裂け目まで捜索範囲を拡げてみましたが、結局この1卵のみが成果でした。虎の子の1卵ですので、飼育用にお持ち帰りとさせて頂きました。帰宅後、日を改めて室内で三脚を使用し、フォーカス深度ステップ調整をより厳密に行う方法で深度合成を再トライしてみました。その結果がこちら。
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D7K-85VR-24R(トリミング+深度合成処理:上段5コマ、下段6コマ)、ISO=200、F29-1/160、-1.0EV、外部ストロボ+スレーブ1灯、撮影時刻:14時59分

 屋外の手持ち撮影ですと、5コマ合成ではかなりの確率で計算が破綻して合成に失敗するのですが、流石に三脚使用できちんと撮れば、6コマ合成でも自然な画像が得られています。手間暇かけるだけの価値はあるようです。冷蔵庫保管中の越冬卵は来春飼育して上手く成長すれば、遅くとも終齢幼虫の段階でオオミドリかハヤシかが分別できるはずです。卵画像だけでは寂しいので、3年前、同じポイントで撮影した♂の開翅画像もアップしておきましょう。
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D90-VR84@400mm、ISO=400、F9-1/800、-1.0EV、撮影年月日・時刻:2009年7月5日、7時47分

 やはりウルトラマリンの輝きは絶品です。
by fanseab | 2012-11-19 21:21 | | Comments(6)
Commented by 22wn3288 at 2012-11-20 08:38 x
素晴らしい卵の写真ですね。
天然の妙に感嘆します。
それを写される技量にも驚きです。
開翅の輝きは特別のものがありますね。
Commented by OTTO at 2012-11-20 16:41 x
卵一個を探し出すこの執念(笑)にただ感服。
卵の超精密画像も相変わらず素晴らしいです。
ハヤシミドリの開翅画像も見事に決まっていますね。
東北ではカシワ林というのは、かなり偏在した場所にあるので、なかなか現地に出かけるのが大変です。
火山の溶岩台地とか、海岸の荒地とか・・・。
Commented by fanseab at 2012-11-20 21:18 x
22wn3288さん、ゼフの越冬卵は本年1月あたりから本格的に撮影を開始し、その造形美にすっかりハマってしまいました。
種類毎に微妙に異なる突起の構造とか成虫撮影とは別の面白みもあります。また、その構造美をいかに忠実に再現するか?
機材の工夫もまた冬場の楽しみでもあります。
緑系ゼフの開翅は夏場の魅力の一つですね。何回撮っても
また撮影したくなる美しさをつい追い求めてしまいます。
Commented by fanseab at 2012-11-20 21:21 x
OTTOさん、当初の目論見は4-5卵程度は発見できると思っておりました。ですので全く坊主では帰りたくないと必死でした。高速道路代を無駄にしたくない・・・等を理由に挙げて必死にならないと(笑) 関東でもカシワ林は極端に偏在していて、ハヤシやウラジロを撮ろうとすると苦労するのですよ。
Commented by Sippo5655 at 2012-11-22 22:29
ラストの翅のブルーに魅せられました~~!
ミドリシジミ属、、ほんと奥が深いのですね♪
数年に一種でもいいから、
いろんな子を見てみたい♪
Commented by fanseab at 2012-11-22 23:34 x
Sippo5655さん、緑系ゼフは種それぞれで微妙に光り方
が違っていて、同じ種類を撮影していても、光り方は一つとして
同じものはない感じがします。それも魅力の一つですね。
あと、実際にファインダーで眺めた感じをどれだけ忠実に再現
できるか?も難しいと思います。
毎夏、夜明け前に眠い目をこすりながら出陣し、林縁で首尾よく
彼らの輝きを捉えると眠気も疲れも吹き飛びます。
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