探蝶逍遥記

房総半島のシルビアシジミ(10月8日)

 3年振りに房総のシルビア探索をしました。前回は見事に玉砕したので、今回がリベンジマッチ。例によって、1/25000地形図と衛星画像からポイントを10箇所ほど絞り込み順番にチェックしていきます。殆ど似たようなシバ型草地をトボトボと歩くのも忍耐が要る作業です。「地這シジミ」探索の宿命でしょうか。ちょうど、周辺の里山ではヒガンバナの盛期。キアゲハ♀が吸蜜にやってきました。                                                                             ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D7K-85VR、ISO=400、F9-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:8時54分

 ブログ仲間の記事を拝見すると、今年のヒガンバナ開花は遅れ気味のようですが、なるほど体育の日あたりがピークだったのでしょう。さて、8箇所目の候補草地でヤマトの2♂にしつこく求愛されている小さ目の♀を発見。大きさと黒さからシルビアらしい個体。♂が離れた後、確認するとビンゴ!でした(^^)
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D7K-85VR、ISO=200、F5-1/1600、-1.0EV、撮影時刻:10時14分

 ご覧の通りのスレた個体。微かに逆光縁毛ブルー幻光が発現していますが、歯抜け状態の縁毛では、幻光撮影はやはり無理がありました。ちょっと飛んだ後、お約束?の開翅です。
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D7K-85VR、ISO=200、F9-1/640、-0.7EV、撮影時刻:10時17分

 あまり接近戦で撮ると可哀想なので、この程度のアップで止めときました。渋い幻光はやはりもう少し鮮度が良くないと駄目ですね。因みに青鱗粉は前後翅基部にチョロっと撒かれている程度。ほぼ漆黒の個体でございました。ド完品♀の開翅は今年5月に岡山で撮影しているので、そちらをご覧になった方がいいでしょう。


 多化性のシジミ故、鮮度がマチマチなことを期待して暫くこの近辺で探すも全てヤマトのみ。結局、シルビアはこの個体のみ。個体数が相当少ない印象です。ここにはミヤコグサはなく、ほぼ200m離れた草地にあったので、ここから飛んで来たのかもしれません。また、このあたりではシロツメクサに食草転換しているとの記録もあるので、あるいはシロツメクサ食い個体の可能性もあります。傾斜地の草地を上下しながらの探索に疲労したので、ほどほどに切り上げて、この日の次の目的、ヤマキマダラヒカゲの幼虫探索に転戦です。この時期、恐らく2齢、ひょっとすると既に3齢以上になっている可能性があります。群居する性質も3齢以降はなくなるので、今が最後のチャンスと思ってヤマキマポイントに出向きました。流石に蝶の姿は減っていて産卵をしているヒカゲチョウ♀が目につく程度。ヒメウラナミジャノメもヒメジャノメも既に姿を消していました。食痕を頼りにメダケの葉裏を捲っていく辛気臭い作業を続けていきます。しかし、結局見つけたのはヒカゲチョウの3齢と思しき幼虫のみ(^^;
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D7K-85VR(トリミング)、ISO=320、F16-1/200、-0.7EV、外部ストロボ。撮影時刻:13時29分

 体長は約10mm。やはり、産卵現場を押さえて、採卵→飼育をせねば幼虫観察は厳しそうです。来春以降の課題になりました。薄暗いヤマキマポイントには、フワフワと群れ飛んでいたトンボがおりました。
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D7K-85VR(トリミング)、ISO=400、F10-1/125、-0.7EV、外部ストロボ。撮影時刻:13時32分

 恐らくオオアオイトトンボ(Lestes temporalis)の♂。間違っていたらご指摘願います。藪の中を音もなく飛ぶイトトンボは何か幽玄な雰囲気を感じさせますね。

 ヤマキマは春型♀が未撮影ですし、できればシルビア♂も含め、来シーズンまた房総を訪れてみたいと思っております。
by fanseab | 2012-10-10 21:51 | | Comments(8)
Commented by OTTO at 2012-10-10 22:18 x
地形図と航空写真を手がかりに、生息ポイントを探すというのはスゴイですね。普通は既知の産地に出かけて撮影ってパターンが多いと思いますが。
その蝶特有の生息環境や条件を知っていてこそできることで、やはり場数のご経験がものをいっているんでしょうか。
彼岸花をバックにしたキアゲハの画像も美しいですね。
Commented by ごま at 2012-10-10 23:45 x
地道な探蝶スタイルに頭が下がります。
全てを悟った方ならではでしょうね。
房総のシルビアを見つけてしまうとは流石です。
ヒカゲチョウ幼虫も流石です。私もチャレンジしたくなりました。
Commented by fanseab at 2012-10-11 22:28 x
OTTOさん、ラフなポイント情報があってもピンポイントでは不明な場合、このやり方は大変効率的です。地域によっては、航空写真の解像度が低くて役に立たないことも多いのですが、海外遠征でもこのやり方で大変効率的な撮影をすることができます。
広葉樹と針葉樹の影のでき方とか、写真からフィールドの状況を推察するのは大変面白い作業です。
ヒガンバナ背景のアゲハ画像撮影は今回は殆ど封印しておりましたが、たまたまキアゲハが来てくれてラッキーでした。
Commented by fanseab at 2012-10-11 22:33 x
ごまさん、蝶の探索は宝探しと同じで最初からいる場所がわかっていたら面白くないとの持論で、のんびりと探しております。もちろん打率は1割にも満たないんですが。房総に限らず、シルビアは各化発生のピークを把握するのが大変難しいと思っております。個体数が少ないと生息ポイントであるにも拘らず「いない」と判断を間違う危険性があるのですよ。房総は将にそんな状況です。春先よりも秋口の方が個体数が多いはずなので、秋にトライしているのですが、結構苦戦しております。
Commented by yoda-1 at 2012-10-12 12:35
ヤマキマの幼虫は残念でしたが、シルビアの発見は素晴らしいですね。
よく8箇所目になるまでの持続力と時間があるものだと感心しますが、早朝の観察開始の時間も早いのでしょう。
地形図とは、国土地理院提供の地図のことでしょうか?
Commented by Sippo5655 at 2012-10-12 21:28
房総にもシルビアがいるなんて!
よく、見つけられましたね。
執念の賜物でしょうか。
ボロボロでも、シジミチョウが翅を開く姿は
すごく愛らしいです。
食草を、シロツメクサに・・・
そんなことができるんですか。
生き延びるための知恵でしょうか。
イトトンボの仲間、私も初秋にたくさん見かけて
ちょっとびっくりでした。
なんか、初夏のイメージがあったので・・・
でも、この季節に生き物との出会いは
ひとつひとつ、沁みてきますよね。
Commented by fanseab at 2012-10-12 22:35 x
yoda-1さん、シルビアは何とか自力発見できました。
10箇所の候補地と言っても、前回の訪問地が3箇所程度含まれます。現地着は朝8時頃でそれほど気合が入ってはおりません。
地形図はご指摘の通り、WEB上で公開されている国土地理院のものです。
Commented by fanseab at 2012-10-12 22:38 x
Sippo5655さん、房総のシルビアは以前から知られているのですけど、やはり兵庫県あたりの産地と比べると個体数が少ないのではないかと思います。発生のピークに当たればそれなりに観察できるはずなんですが・・・。
イトトンボは仰る通り、初夏~梅雨時のイメージがあるので、面食らってしまいますね。
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