探蝶逍遥記

シジミチョウ卵の拡大撮影(9月30日)

 本年1月よりゼフ越冬卵の拡大撮影に嵌って合計8種類の画像採集に成功いたしました。その後、卵の撮影は封印しておりましたが、このところ、ジャノメチョウ亜科の卵撮影を再開したので、ついでにシジミチョウ類にも再トライいたしました。
 撮影に用いる機材は複数あって、一番お手軽なのは、所謂「前玉外し」による改造ズームレンズを用いるやり方。管理人はニコン製AF-S DX Zoom Nikkor ED18-55mmF3.5-5.6GⅡの前玉を外し、本ブログではレンズ名を「1855改」、使用焦点域を@55mmの如く、アットマークを使って略記しております。拡大率をより必要とする対象には、前玉外しではやや能力不足ですので、85mmVRマクロにシグマ製24mmF1.8を逆向きに取り付けた「Stacked lens」拡大システムを用いております。こちらは「85VR-24R」と略記します。今回両システムで撮り分けた絵をご紹介しておきます。最初は秋口に観察する機会の多いウラギンシジミの卵。ノートリミングでの比較です。                                                       ++画像はクリックで拡大されます++
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<上段> D7K-1855改@40mm、ISO=200、F29-1/125、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時55分 <下段>D7K-85VR-24R、ISO=100、F29-1/250、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:17時39分(撮影日は上段と別)

 前玉外し法の利点は、拡大倍率が相対的に低いため、撮影時に視野が広くて対象の卵をファンダー中央部に容易に誘導できる点です。反面卵の表面構造を明確にするためには相応のトリミングをせねばなりません。一方、Stacked lens法は拡大率がかなり高く、おまけにイメージサークル(有効結像円)が小さくて、ファインダー内の極一部分(円形領域)しか見えません。ほぼ目の前に見えている卵なのにファインダー中央に誘導するのが難しくイライラさせられます。反面、拡大率はレンズで稼いでいるので、トリミング量は少なくて済みます。前玉外し法では長焦点端でも55mmですから、Stacked lens法に比較して焦点深度が深く、深度合成をせずに深さ方向の情報が得られやすい長所もあります。ウラギンシジミのように直径が比較的大きい卵では、前玉外しでも十分な情報が得られております。両画像の卵サイズを合致させたトリミング画像もアップしておきましょう。
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<上段> D7K-1855改@40mm(トリミング)、ISO=200、F29-1/125、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時55分 <下段>D7K-85VR-24R(トリミング)、ISO=100、F29-1/250、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:17時39分(撮影日は上段と別)

 一方、全国的普通種、ヤマトシジミも撮り分けてみました。ヤマトの卵は結構小さくて、直径約0.5mm(ウラギンシジミのほぼ1/2)。
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<上段> D7K-1855改@55mm(トリミング)、ISO=100、F29-1/250、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時34分 <下段>D7K-85VR-24R(2コマ深度合成+トリミング)、ISO=100、F29-1/250、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時46分

 流石にヤマトの卵になると、前玉外しでは解像力不足になり、特に中央部精孔付近の微構造がきちんと解像できておりません。それにしても、ヤマトの卵表面構造はマスクメロンそのものです。断面から見ると、饅頭を押し潰したような扁平形状なので、「饅頭」の表面にピントを合わせれば、ほぼ全体像が把握できます。
by fanseab | 2012-10-08 20:52 | | Comments(4)
Commented by naoggio at 2012-10-09 15:11 x
う〜ん、やっぱり適材適所という事でしょうか。
ウラギンの方は前玉外しの方がむしろ結果がいいように見えますが、ヤマトではStacked lensでないとディティールが表現できないんですね。
ヤマトシジミの卵の表面は本当にマスクメロンですね。
形状も相当に扁平そうで面白いです。
Commented by OTTO at 2012-10-09 17:22 x
精密な拡大撮影に驚きです。
機材の詳細など、シロートの私には難しすぎ 汗;;
Commented by fanseab at 2012-10-09 21:41 x
naoggioさん、ゼフ卵の拡大撮影で苦労した分だけ、これよりサイズの大きい卵では、とても楽に感じることがあります。ただ、撮影していて肩が凝ることもしょっちゅうで、気楽な撮影とはなかなかいきません。
ヤマトはいずれ横方向からの撮影もトライしてみようと思います。
Commented by fanseab at 2012-10-09 21:43 x
OTTOさん、卵の拡大撮影の楽しみは肉眼では窺い知ることのできない造形美を発見することにあります。ゼフはもちろん、身近なヤマトシジミでも、ファインダーを見ていて、おーっと歓声をあげることがしばしばです。
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