探蝶逍遥記

サトキマダラヒカゲの交尾(9月15日)

 先日観察した♀産卵活動がどの程度遅い時間帯まで行われるか?を見極めるため、再度17時過ぎに多摩川縁を訪問してみました。この頃は日没も近いこともあって、ネザサ類に夕陽も殆ど差さない状況です。突然、通路の前方でサトキマの求愛飛翔が始まりました。慌てて接近し、驚かさないように様子を伺っていると、♀が葉裏に静止し、これに♂が並ぶように止まりました。そこを激写!                                                 ++画像はクリックで拡大されます++
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D7K-85VR、ISO=640、F8-1/160、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:17時37分

 手前の個体が♀です。腹端の状況がイマイチ確認できませんが、どうやら交尾の瞬間、もしくは交尾直後の撮影に成功したのだと思います。このコマを撮った刺激で、ペアは飛び立ち、葉上に真っ当な交尾スタイルで止まりました(上が♀)。
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D7K-85VR、ISO=640、F8-1/160、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:17時37分

 最初の撮影で交尾が解けなくてヤレヤレでした。♀の鮮度は羽化直ではないものの、9/10に確認したいずれの♀よりも新鮮でした。♂はご覧の通りのスレ個体です。管理人にとって、サトキマの交尾シーンはこれが初撮影。嬉しい限りでした。残念ながらこのペア、↑の画像撮影後、再度飛び立ち、今度は茂みの奥に入って追跡は諦めました。交尾持続時間を計測する絶好のチャンスだっただけにいささかガッカリいたしました。なお、交尾飛翔形式は学研の「日本産蝶類標準図鑑」にも記載されている(p.276)通り、←♀+♂でした。

 この後、♀の産卵シーンを期待するも♀は飛び立たず。その代わり、通路の途中で活発にテリを張っている♂を発見。
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D7K-85VR、ISO=640、F5-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:17時41分

 この時期にしてはスレの少ない♂でした。テリ張りの場所にそれほどの拘りはない感じでしたが、高さは110~125cmがお気に入りのようでした。丁度、管理人が構えていたカメラのストロボに乗って、敵を監視する姿も観察できました。ひょっとして汗を吸いに来たのか?と思って眺めて確認するも、ストローは出していなかったので、テリ張りに好都合の場所と判断したのでしょう。保育者の『原色日本蝶類生態図鑑(Ⅳ)』には、「緑葉上よりはむしろ樹幹、電柱、建物の壁面などの垂直面を好み、静止時には常に翅を閉じて頭部を上に向けている」との記載があります(p.154)。不活発な時間帯はそうでしょうが、テリ張り時にはヤマキマ同様、水平に止まって外敵を監視するスタイルに変化するのだと思います。次に出会ったテリ張り♂個体はご覧の通りの老兵でございました。
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D7K-85VR、ISO=400、F7.1-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:17時49分

 まぁ、最後のお勤めご苦労様といった風情ですね。17時40分を過ぎると、それまで活発にテリ張り飛翔していたヒカゲチョウ♂も徐々に活動を弱め、18時を過ぎると、急にあたりが暗くなりました。流石のサトキマもテリ活動を停止したようで、ねぐらを探す♂がおりました。足元を弱々しく飛んでいたのはヒメジャノメの♀。彼女もこの日のねぐらを探していたのでしょう。すっかり暗くなったのを潮時に、管理人も家路に付きました。
by fanseab | 2012-09-17 22:05 | | Comments(8)
Commented by 6422j-nozomu2 at 2012-09-17 23:09
遅くまで観察お疲れ様です。そういえば、サトキの交尾は見たことありません。こんなに遅い時間が狙い目なんですね。子孫を残すことは大変です。か弱い蝶にとっても命がけの作業です。
Commented by cactuss at 2012-09-17 23:23
サトキマダラヒカゲの交尾の瞬間を撮影されるとはすごいですね。
小生も以前、交尾を撮影した事がありますが、その時の写真の撮影時間を見ると10:21でした。
Commented by kenken at 2012-09-17 23:26 x
ここのところROMにて失礼しておりますが、いつも補助光の使い方を参考にさせていただいております。
サトキマの交尾、過去に1回しか見ておりませず(第1化の個体)、撮影できておりません。やはり夕刻の活動タイムで、交尾していても飛翔主体の♀は敏感で薮の中に逃げられた記憶があります。
ストロボを焚きながらも、夕刻の雰囲気が伝わる微妙な表現、いつもながら上手い補助光の使い方ですね・・・ディフューザーお使いですかな。
Commented by yoda-1 at 2012-09-18 12:55
サトキマの交尾は、YODAも今年の北海道遠征で初撮できましたが、朝早い時間でしたが、すぐにバレました。
cactussさんの観察例もありますが、交尾時刻に傾向はないのか、午後交尾してそのまま午前中も交尾中継続中になるのか、大いに関心をもってしまいました。
老兵もここまでボロボロだと一抹の美しさを感じます。
Commented by fanseab at 2012-09-18 22:50 x
ノゾピーさん、コメント有難うございます。
ブログ仲間の画像を見ると午前中に交尾を撮影されている方もおりますが、やはり夕刻が狙い目ではないかと思っております。フィールドの観察で求愛→交尾に至る事例は意外と少なく、フラれる♂を見て、同情することが多いですよね!
Commented by fanseab at 2012-09-18 22:53 x
cactussさん、産卵を狙って出かけたら運よく交尾シーンを撮影できた次第です。交尾の瞬間(もしくは直後)を撮影できたのはラッキーとしかいいようがありませんでした。いつもカメラを構えてないといざという時駄目ですね。撮れてホッとしましたよ。そう、午前中に観察される方もいるようですね。どの程度交尾が持続するか?知りたいですね。
Commented by fanseab at 2012-09-18 22:57 x
kenkenさん、補助光の件、あまり参考になっているか?自信がありませんが、よろしくです。
この交尾ペアもムチャクチャ敏感で、もう少しいショットを撮りたかっただけに無念でした。
ディフューザーはご指摘の通り使用しております。ただディフューザー使用の有無よりは、低速シャッターを上手く活用して雰囲気描写をすることがより重要だと痛感しております。
Commented by fanseab at 2012-09-18 23:00 x
yoda-1さん、ヒカゲチョウは交尾継続時間20時間以上の記録もあるようです。サトキマも夕刻に活動のピークを迎えるので交尾が夕刻に実施されるのが自然だと思います。ですので、午前中に観察される交尾ペアは夜を過ごしたペアの可能性がるのではないかと・・・。いずれにせよ、この目で確かめたい事実ですね。
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