探蝶逍遥記

台湾遠征記(20)11月23日午前その1

 この日は早朝5時45分起床。起き抜けにホテルの部屋から窓を開けて空を覗くと、期待と裏腹にドン曇り(^^; 意欲が萎えてしまいます。この日も前日と同じ林道入口へタクシーをチャーターし、7時35分着。一番蝶影が濃そうなポイントへ一直線。樹液周りを中心に撮影しました。最初は低温期型のクロコノマチョウ(Melanitis phedima polishana)。                                                                     ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D7K-34、ISO=500、F11-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時04分

 裏面の色調は樹液が出ている樹肌と見事に同化しております。お次はキレバヒトツメジャノメ(Mycalesis zonata)低温期型。
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D7K-34(トリミング)、ISO=500、F11-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時05分

 こちらも低温期型で眼状紋がほぼ消失しているので、樹肌に似た保護色になっております。ススキに似た草本上にクロコノマの高温期型が登場。
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D7K-34、ISO=400、F5-1/160、-0.7EV、撮影時刻:8時21分

 海外で高温期型(雨季型)を撮るのはこれが初。下草上に佇んでいたのは、キレバヒトツメジャノメの高温期型。恐らく♀でしょう。
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D7K-34(トリミング)、ISO=400、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時32分

 樹液で吸蜜中のタイワンコムラサキ♀をじっくりと狙い、何とか開翅した瞬間を切り撮ることもできました。
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D7K-34、ISO=200、F10-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時43分

 ご覧のように表翅は国内のクロコムラサキ♀に似た雰囲気ですが、前翅白帯の巾がはるかに太いのが特徴。別の♀個体の吸汁シーンをコンデジ広角でも撮影。
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GXR@5.1mm、ISO=100、F3.2-1/50、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:8時50分

 ♀はアシナガバチの勢いに押され、触覚を後方に引いた面白いシーンになりました。前日に撒いておいたバナナトラップの残渣に飛来したのはコジャノメ(Mycalesis francisca formosana)の♀。
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D7K-34、ISO=200、F10-1/50、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時48分

 眼状紋が高温期型(前回8/23付記事参照)に比較すると縮退しておりますが、低温期型ほどではないので、「中間型」とも言うべき特徴を備えています。いずれにせよ、前後翅外縁に延びるジグザク状白条紋は日本国内産亜種(ssp.perdiccas)よりも遥かに強く出る特徴を有しております。同じ場面をコンデジ縦広角で。
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GXR@5.1mm、ISO=100、F7.2-1/10、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:8時47分

 樹液に戻り、今度はルリモンジャノメが吸汁しておりました。
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D7K-34、ISO=200、F11-1/80、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時42分

 ルリモンはいざ撮影しようとすると、完品に巡り会えない普通種です。この個体(恐らく♂)も左後翅肛角部付近が破損しておりました。この林道で樹液をルッキングしていく最中でいたるところでセミの抜け殻を発見いたしました。
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D7K-34、ISO=400、F11-1/80、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時46分

 種類は同定できませんが、大きさはアブラゼミ程度。ただ、脱皮殻にはニイニイゼミのように多量の泥が付着しております。<次回へ続く>
by fanseab | 2012-08-30 22:11 | | Comments(8)
Commented by yoda-1 at 2012-08-31 12:37
今回はジャノメチョウ科が中心ですが、コジャノメとか本当に日本国内種の亜種なのかと思ってしまいますね。
ルリモンジャノメは、うまく翅表を撮影したい最右翼の蝶であります。
Commented by fanseab at 2012-08-31 22:14 x
yoda-1さん、この日の午前中は本当に陽射しがなく、ジャノメ類を撮る以外に飛んでくる蝶がいない状態でした。コジャノメ、ヒメジャノメあたりは高温期型同士を比較すると、国内産とそれほど差異はありませんね。
ルリモンの翅表は飛翔で撮影した拙い画像を後日公開予定です。
Commented by himeoo27 at 2012-09-01 19:48
ルリモンジャノメの裏面模様コノハチョウのように
味わい深いですね!表翅の写真公開楽しみです。
Commented by fanseab at 2012-09-01 22:00 x
himeooさん、ルリモンも普段止まっているのは緑色の葉上でして、コノハチョウ同様、擬態としての意味はあまりないですが、このような枝先に来ると目だたない利点はありそうです。ただ飛んでいる時はルリマダラに擬態している通り、漆黒に瑠璃色が目立ち、裏面が茶色だなんて、全く認識できません。
Commented by Sippo5655 at 2012-09-01 22:04
クロコノマチョウ、見事に木肌と同化していますね!
なんて渋い風合いだろう。。
今季、そういえばクロコノマチョウを見てません。
毎年いる場所を歩いた時も、会えませんでした。
タイワンコムラサキの開帳シーンも素敵ですね!
ルリモンジャノメ、これまた渋く美しい蝶・・・
ちょっと惚れ込んでしまいました。
筋の流れが、まるで葉脈のようです。
セミの抜け殻、目が可愛いですね!
こう感じたのは初めてです。
Commented by fanseab at 2012-09-03 23:54 x
Sippo5655さん、クロコノマ達が吸汁していたのは樹液を出す木本としては日本にはない平滑な樹肌なんですね。だから同化も半端ない感じでした。
蝉の抜け殻も泥が付いているかいないかで確かに表情が変わりますね。泥から覗くお目目が可愛いのもそんな理由かな?
Commented by naoggio at 2012-09-04 16:18 x
3枚目のクロコノマ新鮮だしとてもシャープできれいです。
コジャノメは日本産とはかなり様子が異なりますね。
この目で見てみたいものです。

Commented by fanseab at 2012-09-05 23:22 x
naoggioさん、遠征した11月は全般に高温期型から低温期型への移行期間に当たるので、本来高温期型はスレた個体が多いのです。ただこのクロコノマはまずまず新鮮でした。コジャノメですが、前後翅を貫く白帯紋がやや紫色を帯びる点は国内産と変わりありません。ただ印象はちょっと異なりますね。
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