探蝶逍遥記

台湾遠征記(18)11月22日午後その1

 ヒメフタオを撮り終えた後、崖地にフワフワと舞うリュウキュウアサギマダラの♀を見つけました。直感的に産卵行動だなと推測し、追跡していると、葉影で産卵している様子。                                                     ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D7K-34(トリミング)、ISO=200、F11-1/1250、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時16分

 崖地の上り下りが大変なため、翌日余裕のある時間帯に登って確かめてみました。こちらが産卵されていた食草、ホウライカモメズル(Tylophara ovata)と思しき蔓性植物(同定間違いあればご指摘願います)。
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GXR@5.1mm、ISO=100、F2.5-1/125、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影月日・時刻:11月23日、12時09分

 画面上方矢印の先に卵が確認できます。こちらは葉の表面に産まれておりますが、葉裏にもありました。その拡大像です。
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GXR@5.1mm(トリミング)、ISO=100、F2.5-1/200、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影月日・時刻:11月23日、12時09分

 マダラチョウの卵って、面白いことにタテハチョウの仲間よりもシロチョウの卵の構造に似ていますね。なお、ここで幼虫も探しましたがおりませんでした。林縁をチラチラ飛んで葉上に止まるのはタイワンキマダラ(Cupha erymanthis)。
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D7K-34、ISO=200、F11-1/320、-1.0EV、撮影時刻:12時28分

 この普通種タテハはまともなテリ張りシーンをなかなか撮らせてくれません。この時もご覧の通り、一捻りした絵になってしまいました。普通種と言えば、タイワンキチョウもその一つ。何とか逆光での吸蜜シーンを撮ろうと思ってカメラを向け、ようやく一コマだけ納得のいく絵が得られました。
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D7K-34、ISO=200、F11-1/100、-1.0EV、撮影時刻:12時30分

 林道脇にオレンジ色のセセリが登場。詳細に検討すると、既に撮影済のタケアカセセリ(Telicota ohara)ではなく、どうやら初撮影のネッタイアカセセリ(T.colon hayashikeii)♀のようです。
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D7K-34、ISO=400、F11-1/400、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時42分

 ネッタイアカセセリの仲間(Telicota属)は♂の方が種の特徴が出やすく、♀の同定はチョッピリ難しくなりますね。台湾シリーズで度々紹介している白水図鑑では残念なことに図示個体は♂のみ。一方、同じく李俊延氏の「台灣蝴蝶図鑑」では逆に殆どの図示個体は♀。一冊で同定が完結できる図鑑の発刊を強く望むものです(実の所、自分で作るしかないかなと思い始めております)。同じ個体を逆光で斜め下から狙い、いい感じの絵に仕上がりました。
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D7K-34、ISO=400、F11-1/400、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時43分

 個体数の多いヒメアサギマダラもたまには広角で撮ろうとトライしました。
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GXR@5.1mm、ISO=100、F6.5-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:12時50分

 センダングサから吸蜜する♂です。行きにも確認した樹液ポイントにはタイワンコムラサキの♀が登場。
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D7K-34、ISO=400、F11-1/160、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時47分

 ほぼオレンジ色一色の♂と異なり♀の裏面は銀灰色を基調とした品格あるイメージ。表はイチモンジ型で国内のクロコムラサキ(Apatura metis substituta f.mikuni)に似た感じです。表翅の画像はまた別の機会にでもご紹介しましょう。雌雄異形のコムラサキとして、台湾では他にウルピコムラサキ(A.urupi arakii)もおりますが、こちらは年1化で高標高地にのみ生息。いつか撮ってみたいタテハです。林道を更に下っていくと、崖から滲みだした湧水が林道を濡らしている場所があり、ここに狙っていたクモガタシロチョウ♂が1頭来ておりました。新鮮な個体なので、慎重に撮影。
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D7K-34、ISO=200、F4.5-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:13時12分

 春先、3月頃には花吹雪が舞うが如く、このシロチョウの集団吸水が見られるとのこと。僅か1頭を撮影しながら、暫し集団吸水の様子に思いを馳せたのでした。ご覧のようにこのシロチョウ、翅を閉じると極めて地味で、路面と同化して保護色になります。丁度、ツマベニチョウ♂が閉翅で吸水している際、枯葉と見紛うのと似ている気がします。ところが、一旦、飛び立つと鮮やかな白色のシロチョウに変身します。そのギャップと言いましょうか、その変身ぶりはとても鮮やかです。でもって、飛翔も何とか撮影。
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D7K-10.5-X1.4TC(トリミング)、ISO=500、F5.6-1/3200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時17分

 一旦、飛び立つと前翅に隠れていた白地の部分が目立つのです。<次回に続く>
by fanseab | 2012-08-05 21:58 | | Comments(4)
Commented by naoggio at 2012-08-06 18:38 x
リュウキュウアサギマダラの産卵シーン、そして卵の写真、お見事です。
そしてタイワンコムラサキの♀、きれいですね。
独特の色合いの地色にトーンの異なる白帯、後翅の蛇の目、魅力的です。
ほとんど隠れていますが前翅にも蛇の目があるんですね。
クモガタシロチョウも飛翔が入るとおっしゃるように対比ができて素晴らしいです。先日のギンイチの飛翔を思い出しました。
Commented by Sippo5655 at 2012-08-06 22:36
先日、庭にイケマを植えてみました。
アサギマダラの仲間って、みんな蔓性植物に産卵するのですか?
庭にアサギマダラが来ることは無いと思うけど
夢だけ、見てます。^^
卵、本当ですね。。
先日はジャコウアゲハの産卵直後の卵を見て感動しちゃいました。
クモガタシロチョウなんているんですね!
飛翔シーン鮮やかです♪
Commented by fanseab at 2012-08-08 21:29 x
naggioさん、リュウアサ産卵シーンは腹端も隠れていますし、正直「お見事」と言われるとこそばゆいです(^^; 次回チャンスがあれば、もう少しきちんとした絵をご紹介したいと思います。
タイワンコムラサキは裏面の地色に気品があって、独特な美しさがあります。クモガタは最初に飛んでいるところを観察した後、閉翅を見ると「おやっ」と思わせるギャップがあって、面白いです。
Commented by fanseab at 2012-08-08 21:34 x
Sippo5655さん、イケマですか!ウーン、食草に♀が来るチャンスは厳しいかもしれませんね。それよりも♂が好むヒヨドリバナとかスナビキソウを庭に植えておくと、渡りの途中に舞い降りてくる可能性があると思います。
日本本土ではマダラチョウの卵を観察する機会はアサギマダラにほぼ限定されるので、撮影するチャンスも少ないですが、海外ではそれなりに種類が多いのでじっくり♀を追跡すれば何とかなると思います。
ジャコウの卵も面白い恰好をしていますね。
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